社長の条件

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163910185

作品紹介・あらすじ

経団連会長、初の著書にて大胆提言!日本復活の鍵は社長が握っている。その最も重要な資質とは? 令和時代の経営戦略とは?ーー社長が変わる。会社が変わる。そしてキャリア・就活・教育も変わる!「デジタルテクノロジーが、経済や社会の基盤を大きく変える時代に求められる経営とは、どのようなものなのか。明るい日本の未来を創るべく、少しでも本書がヒントになれば幸いです」 ーー経団連会長 中西宏明【目次】はじめに 新しい時代に、新しいリーダーが求められている第1章 ◆「社長の定義」が変わる大変革の時代には、いったい何が起こるのか?/経営トップに求められる資質は、昔とどう変わったか?/これからの経営に本当に必要なマインドとは?/日本には、まだポテンシャルはあるのか?第2章 ◆コーポレートガバナンス改革と理想のサクセッションプランなぜコーポレートガバナンス改革が必要なのか?/これから「社長の候補者」に求められるものは何か?/社内の仕組みはどう変わっていくべきか?第3章 ◆採用が変わる、キャリアが変わる、教育が変わる大企業でも、若手を抜擢する仕組みは作れるか?/企業の採用は、どう変わっていくべきか?/海外の人材と伍して戦っていくには何が必要か?/外国人のマネジメントはいかに行うか?社長交代・わが社の場合(前トップ実録インタビュー) みずほFG 取締役会長・佐藤康博 /コニカミノルタ 取締役会議長 松﨑正年 /アサヒグループHD 取締役会長 取締役会議長 泉谷直木おわりに 令和の時代、社長の選び方も新時代へ

感想・レビュー・書評

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  • オペレーションを上手くやってきた人が、その延長では社長になれないのは、考えている次元が違うから。事業戦略もそうだし、企業戦略はもっと次元が違う。要は会社をどうして行きたいか?という議論は、オペレーションエクセレンスの延長にないから。

    当然役員レベルはそれを理解した上で、次の社長は誰か?を議論する。でもこれも社内の人間の議論に過ぎないよね。だから、世界を広く知る独立社外取締役が第三者として監督すべきだし、それ故に取締役会が非常に重要になる。執行側はそれを任せられる社外取締役を選ばないといけないよね。

    そうすると自然な思考として、社外取締役は外国人も含むグローバル経営経験者になってくるよね。日系企業はこれが頭で分かっていても出来ずに、役員レベルで意見が割れたりして合意形成が出来ていない。だから本当の危機にならないと、その必要性が理解出来ないんだよね。


    つまるところ、危機対応などの短期の議論に振り回されてるのが日系企業の現状だと思う。それは事業本部長クラスと同じ目線な訳で、役員が本来の役割を果たせていなくて失格って事。フワッとしがちな中長期の話を、いかに逆算してその必要性を説いて実行に移せるか、が経営層の要件だと思う。

  • ・トランスフォーメーショナルな大胆な意思決定というのは、全員がハッピーにはならない。そのことに対して、ものすごくストレスを感じるリーダーがいる。
    →本当に会社を良くするためには、厭わないことわ。

    ・情に任せてジャッジメントすると、そのあとは、さらなる悲劇が待ち受けている。クールにやらないと悲劇が起きる。
    →最善の判断を。それが例えば残酷だとしても。

    ・単に自分のキャリアメイクだけじゃなくて、この組織、あるいはこの市場をどうしようか考える。
    →自分のいる業界の価値を高めることを目標にする。更なる社労士の地位の向上。単価の向上。社会、事業主に対する責任。

    ・お金を儲ける事は必要だし、企業として税金を払って国に貢献もしないといけません。それを、みんなが喜ぶことを通じて実現していくのが、トップの仕事なのです。

  • 経団連社長の日立出身中西さんとIGPI冨山さんの対談をメインにまとめた本。
    これからの社長はどんな人物で、どんな資質のある人をどう育て、どう選んでいくか、などなど、社長の条件を論じた本。
    コンサバ代表団体であった経団連からこういう話が出てくること自体時代の変化を感じる(ここまで日本の大企業がやられてやっとかと思うけど)

    ポイントは二つ。
    社長を育てるには、若い頃から選抜してプールしたメンバーを倒産寸前の海外子会社などに飛ばしてタフな経験をさせる。それを繰り返しさせて意思決定の力をつけていく。
    社長を選ぶのは、社外取締役含むボード、何年もかけて、彼らにコミットしてもらって次期社長として誰が良いか詰めていく。最も難しく大事な意思決定となる。これは現社長の専有権であってはならない。


    以下内容メモ

    ◯日本の電機メーカー
    ・製品群を拡大し、オペレーショナルな部分で儲けてきた、その会社の慣性が大きい
    ・リーマン級の出来事が来ると、構造改革して守りの経営で2-3年利益を出すが、またオペレーションに戻ってしまい、成長戦略を描けない

    ◯社長の資質
    ・変化に敏感で、自ら変化を作り出せる人が必要
    ・20年間同じ仕事をしてきたオペレーションのスペシャリストに企業体の将来を考えろ、というのは無理、勇気を養う場がない
    ・足して二で割る妥協が許されない厳しい鮮烈な決断を迫られた時、自分で物事を決められない。会社の構成員に光りと影が生まれ、欲しくない反響が来る、これを受ける覚悟があるか。
    ・計算できないことが起こった時にオタオタしない。楽天的

    ・大企業の中にいるとキャッシュの苦労をしない

    ◯社長の選び方
    ・コーポレートガバナンスは不正を見つけることじゃなくて、会社の舵取りができること、取締役会の一番のミッションはCEOを選ぶこと
    ・社外の人がいきなりわからない。3-4年はかかる。社取のコミットが重要。
    ・現社長が次の社長を選ぶはありえない

    ◯社長の育成
    ・事業サイドと金融サイド両方の見方を持つこと

    ◯採用
    ・若いリクルーターがダメ、トップ自らのコミット、なぜなら毎年トップ人材は100人くらいしかいない
    ・グローバルを考えれば新卒一括採用は違和感

  • まだ、私には難しい

  • 企業の舵取りをしていくうえでの社長の重要性を再認識した。そして、社長を選任しておわりでなく、取締役会によるモニタリング、それと同時に指名委員会におけるサクセッションプランを練っておくことが企業の栄枯盛衰を左右することがよくわかった。

    そのほか印象に残ったこと
    ・社長になりたい人ではなく、社長の仕事をしたい人を選ぶべし。
    ・優秀な社員と経営陣がもとめるできる社員は違う。前者は、言われたことに早く対応するモグラ叩きの社員、後者はモグラ叩きの機械の下に潜り込み、構造を調べ、次はここ出ますという社員。これを見間違うとサクセッションプランも失敗する。

  • 前半の中西さん冨山さん対談パートで、川村さん、中西さんという社長が育った日立製作所凄いなあと。

    後半の社長経験者のインタビューで、コニカミノルタの松崎さんの経営者としての迫力を感じ、松崎氏の書籍も追加購入。

    日本型経営の強みや、日本型コーポレートガバナンスというものがあるのか、最近の関心事。

  • バランシートが壊れた、

  • これまでのビジネスモデルから脱却した社のあるべき姿やビジネスモデルを打ち出す、ビジョンスピーチができること。最先端の情報に触れ、新しい着眼を心がける。つねに、未来をからバックキャストで。

  • 中西氏と冨山氏の対談は、「自分たちは選ばれた優秀な人材だ」という選民思想丸出しで、本当気持ち悪かった。
    後半は社長選びについての経験者の皆さんの話。「社長になりたい」ではなく「社長の仕事がしたい」人でないとダメだとの話に感銘。

  • これからの社長の条件を知るため、読みました。本書の内容を一言でいうと「意思決定力×実行力に基づく、知的格闘技を楽しめること、が社長の条件」です。新しい時代には新しいリーダーが必要で、社長像は時代とともに変遷していることが分かりました。

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