魔法使いと最後の事件

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163911304

作品紹介・あらすじ

オカルト雑誌に目をつけられ、八王子から姿を消した魔法使いのマリィ。いつも彼女の力を借りて事件を解決していた小山田刑事は、たった一人で犯人に挑むことに……。鉄壁のアリバイ、隠されたダイイングメッセージ、入れ替わりトリックと、続発する難事件を八王子署の面々は解決できるのか。そして、マリィと小山田のコンビ復活はなるのか?『魔法使いは完全犯罪の夢を見るか』から始まった人気ユーモアミステリーシリーズ、感動の最終回!

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズを読んだことあったのかどうかも思い出せなかったですが、ゆるーく楽しむ分にはよかったです。
    犯人含めてみんながベタな感じがします。軽く読める作品です。椿姫に幸あれ!

  • 前回がああで、どうなるのかなと思ってたら、やけにあっさりと(笑)
    事件は、どれも犯人が間抜けというか、輪をかけて警察も、、、というか(笑)
    凶器であんなことする犯人っていないよねー。
    でも、なんやかんやでハッピーな大団円におめでとう。

  • 魔法使いマリィシリーズの連作短編集。前巻の最終話でマリィが消えてしまったのでシリーズも終わりだと思ったら、今作の第一話で何事も無いかの如く再登場。編集の意向か作者の都合か分からないが、そんなのアリか?(^-^)  まあ、この巻の最終話はマリィと主人公の刑事との結婚式場面なので、流石に終わりだね。
    内容としては冒頭に犯人が出る倒叙物で、犯人のミスを刑事が見つける形式。マリィが何となく手伝ったり邪魔したりする。いつもながらのユーモアミステリだった。気楽に読めて面白かったが、魔法使いという設定をもう少し生かして欲しかったね、全体的に。

  •  前作『さらば愛しき魔法少女使い』が完結編なのかと思ったら、続編が刊行されていた。週刊誌記者に存在を嗅ぎつかれ、失踪していたマリィだが、ほとぼりが冷めてあっさり復帰かよ。というのは前作のネタバレだが、まあいいや。

     しつこいようだが、一応触れておく。本シリーズの特徴は、魔法使いのマリィが登場すること。魔法で真犯人に自白させられるのだ。しかし、警察は証拠もなしに逮捕できないので、何とか供述の矛盾を探す、という構成がミソ。

     「魔法使いと幻の最終回」。人気作家が殺害される。真犯人は偶然を利用して切り抜けたはずだったが…。注目は、小山田刑事がマリィに頼らず事件を解決したことだろう。しかし、作家がこのような執筆手法をとっていなければ、逃げおおせたのだろうか。マリィがどこで現れるかは一応秘密。

     「魔法使いと隠れたメッセージ」。テレビでも売れっ子の女性准教授を、夫が殺害してしまった。直接的なダイイングメッセージものか。余計な気を利かせたばっかりに。でも、相手の名前といい、偶然が重なりすぎなような。

     「魔法使いと五本の傘」。こういう先輩がいたら、自分もイラっとするだろうけどねえ。場末の喫茶店で五本の傘が交錯するとだけ書いておくが、罪悪感を感じない人間は多いよねえ。マリィの回りくどいやり方には、一応理由がある。

     「魔法使いと雷の奇跡」。なるほど、こりゃ奇跡だ。こんな形で凶器の出所が発覚するなんて、他に読んだことがない。画期的ではあることは認めていいだろう。しかし、先の1編同様に、観念するほど強力な根拠なのかと思ってしまう。

     最初の1編だけはマリィに頼らないが、戻ってくると結局頼るんかい!…と言いたくなるが、4作も出たということは需要があったのだろう。ミステリにつきものとはいえ、シリーズ中でも偶然の要素が強すぎるかな。最後はそういうまとめ方ですか。タイトル通り、今度こそ最後なのか、さらに続くのか。

  • 【魔法使いとドM刑事、コンビ復活なるか】正体を暴かれ、八王子から消えたマリィ。小山田刑事の手元にはマリィとの婚姻届が残されたが……。正真正銘、シリーズ最終巻!

  • 「魔法使いと幻の最終回」
    捨て台詞を聞けば。
    部屋を荒らした際に違和感に気付くことが出来ていれば、証拠になる品を探し回収してから逃げることが出来たかもな。

    「魔法使いと隠れたメッセージ」
    最期の力を使って。
    杜撰な計画で下手に証拠になる品を増やそうとするよりも、問題だと思ったものは処分しておくべきだったのだろうな。

    「魔法使いと五本の傘」
    巡り巡った結果が。
    想い人のことがバレた相手が悪かったのもあるだろうが、素直に祝えないほど馬鹿にした発言を繰り返すのも悪いだろ。

    「魔法使いと雷の奇跡」
    地雷を踏んだが故。
    とっさに思いついた計画にしては良かっただろうが、その場で考えたからこそ予定外のことが起きてしまうのだろうな。

  • ★それじゃあ「刑事コロンボ」じゃなくて、「奥さまは魔女」じゃないか(p.143)

    【感想】
    ・大団円でしょう。「うちのカミさんは魔女」シリーズが始まるかどうかは知らん。
    ・ドタバタ倒叙ミステリ。楽しく読んだシリーズでした。こういうお気楽さは貴重です。

    【内容】
    ・帰ってきたマリィ。とある重大ミス発覚を恐れる聡介。
    ・落ち目のピン芸人は流行作家である叔父の保険金を狙って。
    ・元大学講師はついカッとなって金のなる木とも言える妻を殺した。
    ・先輩にバカにされカッとなってうっかり殺してしまった会社員。
    ・叔父の土地を手に入れようと雷に撃たれたようにアイデアがひらめいた男。

    ■設定

    【タイプ】ユーモアミステリ。倒叙系なのでどこでバレてしまうかというところが主眼。事件はけっこうどうでもよくってただただ登場人物たちの言動とドタバタを楽しんでいればいいんじゃないでしょうか。とはいうもののミステリとしても一話に一ヶ所くらい思いがけなさがあったりするのがたいしたものかと。
    【世界観】われわれの世界とほぼ同じだがユーモアミステリらしく警察がちょっとええかげんだ。そして、魔法使いがいる。ただ一般には知られていないようだ。この世界では魔法は決め手になり得ないが事件を解決するきっかけくらいにはなる。多くは犯人が誰かという確信を持つために使われる(それと、マリィが聡介をとっちめるために)。
    【八王子】舞台。「欲望渦巻く大都会」、「東京第二の都市」、「多摩地区の首都」だとかさまざまな形容がつく。一所懸命つく。
    【マリィ】マリーではない。魔法使い(魔法少女)。キュートなルックスにわりとナイスバディ(上から82・58・84)に奔放な物言い。聡介と出会うまではいろんなお屋敷を転々としていた。年齢は千十七歳(自称)。栗色の髪は綺麗な三つ編み。魔法を使うとき光る。彼女にうかつに触れようとすると自動的に発現する魔法がなにをするかわからない。敬語がおかしい。家政婦としての仕事はけっこうきっちりできる。料理も上手い。たったひとつだけ欲しいものがある。
    【小山田聡介/おやまだ・そうすけ】八王寺署の若手刑事。年上美女に弱い。上司の椿木綾乃警部になじられたり蹴られたりできれば踏みつけられたいドM。目立たず冴えず、すぐ他者から存在も名前も忘れられる。
    【小山田聡介の愛車】愛車は白い年代物のカローラ。ときどきマリィの血文字コメントが表示される。
    【小山田聡介の自宅】丘の上の荒れ果てたお屋敷。近所のお子さまたちからは「幽霊屋敷」とか「魔女の館」とか「妖怪屋敷」とか呼ばれている。広大だが特に金持ちというわけではない。固定資産税がたいへんそうだ。今の住人は聡介、鉄二、マリィの三人だけ。
    【八王子署】聡介や綾乃ちゃんが勤めている。ザルな捜査をする。聡介は意外に頑張っているほうだ。
    【椿木綾乃/つばき・あやの】警部。通称「八王寺署の椿姫」。メガネ美女。三十九歳。結婚願望強し。容疑者にすぐ惚れる、というより彼女が惚れた男が犯人である可能性が高い。単純なタイプで「簡単な難事件」向きだが「ちょっと手強い難事件」向きではない。
    【出会い系捜査】椿警部が捜査するのはルックスがよくて金持ちの容疑者と出会いためではないかとの疑いがあり部下たちはそう呼んでいる。彼女が惚れた男が犯人である確率は非常に高く、ある意味優秀なのかも。
    【若杉】若くて小さい刑事。聡介の頼れぬ後輩。なんとか普通に捜査しようとするがいかんせんチカラが足りない。《八王子署刑事課において常に底辺に位置する》第四巻p.119
    【鉄二/てつじ】聡介の父。同居している。セクハラは得意。家政婦仕事の範疇からはみ出ることをマリィにやってもらおうとして冷たくあしらわれてしょぼんとする。好みのタイプは《胸が大きくて脚がすらっとしていて髪が長くて、ちょっとSっ気のあるピチピチギャル》第四巻p.14。M系なのは小山田家の血筋か。

    ▼魔女の家政婦さんについての簡単なメモ

    【愛沢仁美/あいざわ・ひとみ】波佐間健二の愛人。波佐間珈琲店のウエイトレスでもある。
    【泉田健三/いずみだ・けんぞう】ビリーズブートキャンプのパチもんで稼いでいる。
    【岡田英明/おかだ・ひであき】四十代の弁護士。愛車はミニ・クーパー。
    【音無辰哉/おとなし・たつや】武蔵野電気社員。
    【神山瑞穂/かみやま・みずほ】村瀬修一とつきあっていたが捨てられ自殺した。のかもしれない。
    【河端政夫/かわばた・まさお】波佐間加奈子の父親。大手飲料メーカー「多摩ドリンク」の重役。
    【木崎俊夫/きざき・としお】菅原武彦とよく似ている。
    【京野遥/きょうの・はるか】西脇雅也の婚約者。京龍堂出版の社長令嬢。西脇の本を数冊出している。
    【熊田司郎/くまだ・しろう】頭がいいわりに短気で軽率。背が低くて丸顔で小太り。多摩国際大学で講師をしているとき美幸と知り合って結婚。
    【熊田美幸/くまだ・みゆき】司郎の妻。多摩国際大学准教授でテレビでもコメンテーターとして有名。《華やかな美貌と豊富な知識、そして時事ネタへの凡庸なコメントで人気を博す経済学者》第四巻p.95
    【黒猫】雑居ビルの地下にある寂れた喫茶店。松山健人が音無辰哉を連れていった。白髪のマスター。《何しろ、私にはお客さんの顔が、すべて五百円玉にしか見えないもので》第四巻p.196
    【桑原麻衣/くわはら・まい】武蔵野電気総務部の社員。音無辰哉の意中の女性。
    【紺野俊之/こんの・としゆき】脚本家のようだ。南源次郎のスタッフのひとり。佐和子の不倫相手。
    【桜井沙希/さくらい・さき】高岡祐一の遠い親戚。三十歳。金融機関勤務。
    【篠田雄一/しのだ・ゆういち】武蔵野電気社員。松山健人と同期で自称ライバル。特にルックスがよいわけではないので椿木刑事の出会い系捜査のターゲットにはならなかった。
    【脂肪熱】《それは、ダイエットに励む女性が無駄な脂肪を燃焼させようとして、無駄な努力を重ねる際に身体全体から発する、じっとりと生暖かく殺気立った熱の俗称である。》p.89
    【白坂昭雄/しらさか・あきお】関東スポーツのベテラン記者。
    【菅原武彦/すがわら・たけひこ】多摩川ホームズの代打男。プロ入り十八年目のベテラン。
    【高岡源次郎/たかおか・げんじろう】祐一の叔父。いい場所に土地を持っているが果樹園に使っていて祐一はもったいないと思っている。小太りで顔は下膨れで洋梨のような形。
    【高岡祐一/たかおか・ゆういち】四十三歳。《ネットを用いた我流の株式投資で、なけなしの遺産を食い潰す日々である。》第四巻p.220。叔父の土地を手に入れマンションを建てて夢の家賃収入を狙っている。ルックスはよい。
    【高野英夫/たかの・ひでお】岡田英明の腹違いの弟。顔がそっくり。車好き。
    【高森健作/たかもり・けんさく】殿村敦史のおじ。退職した元公務員。
    【立川良子/たちかわ・りょうこ】南家のお手伝いさん。濃紺のワンピースに白いエプロン。キキがエプロンつけた感じか。栗色の髪は綺麗な三つ編み。敬語がうまく使えない。《立川市役所の住民票交付願いの記入例にあるような名前だな》と小山田聡介は思った。上から82・58・84。ある人物の仮の姿。
    【デカ三昧】大衆酒場。「早い・安い・治安がいい」が売り物。八王子署御用達。
    【殿村敦史/とのむら・あつし】首がまわらないバー経営者。
    【中川敦子/なかがわ・あつこ】服部憲次郎の弟子。長身の美女。
    【中澤幸嗣郎/なかざわ・こうしろう】中澤美奈子のいとこ。映画好き。八王子大学経済学部、映画研究会。
    【中澤美奈子/なかざわ・みなこ】無名の女優。西脇雅也の恋人。
    【仁科優子/にしな・ゆうこ】波佐間珈琲店の副店長。
    【西脇雅也/にしわき・まさや】イケメン映画コメンテーター。『僕の愛する映画たち』という最近の著書がけっこう人気。
    【波佐間加奈子/はざま・かなこ】健二の妻。ヨーロッパを旅行中。
    【波佐間健二/はざま・けんじ】人気の喫茶店「波佐間珈琲店」のバリスタ。
    【八王子大飯店】甲州街道沿いにあるレストラン。
    【服部憲次郎/はっとり・けんじろう】富雄の叔父。六十八歳。人気のある時代小説作家。身体もこえもデカい。
    【服部修一/はっとり・しゅういち】憲次郎の息子。
    【服部富雄/はっとり・とみお】トミー服部という芸人。元P-1王者。
    【広川理恵/ひろかわ・りえ】村瀬修一の恋人で同棲中。
    【藤島正夫/ふじしま・まさお】熊田美幸と親しかった教授。「シュッ」としている。
    【マー】多摩川出版の雑誌。超常現象系。よく似た名前の大手の雑誌のパクりと思われる。聡介んちの魔女の噂を聞きつけて調べている。
    【槙原浩次/まきはら・こうじ】泉田健三の妻の兄。父の遺産である不動産で悠々自適。
    【松浦宏一/まつうら・こういち】物まね芸人。
    【松本詩織/まつもと・しおり】桜井沙希の親友。小学校教師。真面目で控え目。
    【松山健人/まつやま・けんと】武蔵野電気総務部のエリート社員。ルックスもよい。音無辰哉の先輩。特に親しいわけではない。
    【魔法使い】《ただ、〈都合のいい魔法使い〉だとは、ときどき思う。現職刑事としては、そんな非科学的な力に頼るべきではないと、常々自分を戒めてはいるのだが。》p.263
    【マリィの地元】ハウステンボスから箒に乗って海の上を丸一昼夜行ったところにあるらしい。
    【南源次郎/みなみ・げんじろう】映画監督。殺人は撲殺が一番いいとの持論。
    【三原慶子/みはら・けいこ】貸ビル業を営む女。豹柄の服を好む。なにより稼ぐのが大事。矢川照彦の愛人と思われる。
    【南佐和子/みなみ・さわこ】南源次郎の妻。旧姓岡島。その頃は人気女優だった。父は名匠岡島光之助(おかじま・こうのすけ)。
    【村瀬修一/むらせ・しゅういち】元プロ野球選手でイケメン。「球界の渡り鳥」とか「永遠の一軍半」とか「夜の四番打者」とか「顔だけ一流選手」とか言われていた。
    【森佳代子/もり・かよこ】森建設社長の森敬三の妻。アラフォー美女。岡田英明と不倫関係。
    【矢川照彦/やがわ・てるひこ】松浦宏一が所属する芸能事務所「スターライト・プロモーション」社長。毒が入ってるかもと疑いつつ、ついうっかりグラスのウイスキーを飲んでしまった男。
    【吉田】「週刊文春」の自称ライバル誌「週刊文冬」編集者。「しろがね侍捕り物帖」最終回の原稿を取りに服部憲次郎宅に来た。
    【和田剛/わだ・つよし】三十七歳無職。高岡祐一の親戚筋で兄貴と呼ぶ。メタボ体型。身体は大きいが賢くはない。

  • ハッピーエンドで終わるところが好ましい

  • これで完結かぁ(T-T)前回マリィが姿を消した時に、もう会えないと思っていたから、戻って来てくれて嬉しかったのに…(._.)でもあの「いい加減な婚姻届」が受理されて、本当に「奥様は魔女」になるとは!(*゚Д゚*)無茶苦茶だけれども楽しいシリーズだったから終わってしまうのは残念(>_<)

  • 何処が最後の事件なんだろという感じですね。
    結婚したからかな。
    他に一杯面白い小説を書いているのにこれは全然面白く無いですね。
    シリーズ化されたのが不思議に自分は思えます。

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著者プロフィール

1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒業後、2002年、光文社カッパノベルスの新人発掘プロジェクト「KAPPA‐ONE」にて『密室の鍵貸します』が有栖川有栖氏に推薦されデビュー。11年『謎解きはディナーのあとで』が第8回本屋大賞第1位に輝き、大ヒットシリーズとなる。「烏賊川市」シリーズ、『館島』、『もう誘拐なんてしない』、「探偵少女アリサの事件簿」シリーズなど著書多数。

「2023年 『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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