少年と犬

著者 :
  • 文藝春秋
4.00
  • (661)
  • (881)
  • (440)
  • (72)
  • (27)
本棚登録 : 7461
感想 : 850
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163912042

作品紹介・あらすじ

傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!

感想・レビュー・書評

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  • 多聞の目は人の心をそのまま映す鏡のようだ。
    多聞と向き合うことは自分の心と向き合うことなんだろう。
    多聞にポツリポツリと語りかける言葉は、そのまま自分の心に語りかける言葉。
    本当は誰かに言ってもらいたかった、そんな言葉でもあるってこと……、そう思ったのだ。

    寄り添ってくれる温かい命。
    多聞は優しい言葉を掛けてくれることも、共感の涙を流してくれることもない。
    多聞は愚かな行いを戒めることもしないし、あきれ果てて自分から離れていくこともしない。
    ただ寄り添う。
    ただただ寄り添い、彼らの言葉にできない孤独や哀しみのため息に耳を傾ける。
    そんな多聞の姿が、彼、彼女らにとっての救いとなり癒しとなり、そして自らの人生を省みるきっかけとなっていく。

    彼らは多聞を守り神だといった。けれども見方によっては、彼らの人生の末路に立ちあう死神なんじゃないかと感じる場合もあるだろう。
    わたしは多聞は魂を狩りにくるような死神ではなくて、ひとり震える魂の声を聴きとり、その魂の孤独な旅立ちを見送る、死を見守る神なんだと思った。
    けれど多聞が彼らの守り神の役目を終え、ある少年と運命の出会いを果たしたとき、わたしが思った死を見守る神という多聞の存在は180度ガラリと意味を変える。

    少年と出会うまでに多聞がともに過ごした彼らの人生の旅立ちは孤独なものであった。けれど思い返せば、多聞が見送った彼らの人生は運命の糸で繋がっていたことに気づかされる。
    そう、少年と多聞が出会うという運命。
    彼らが存在したからこそ結ばれた運命の糸。誰かが欠けていては結ばれなかったその糸。
    確かにそこには彼らの生の証は刻まれている。そう思えば哀しさも少しは救われる。
    はぁ……、じんわりと滲んだ涙をそっと指で拭う。

    命あるものはいつかは死ぬ。
    死を迎えた瞬間、人は何を思うだろう。
    いや、この小説を読むと、当たり前のようにそう思うこと自体が、すでに人間の傲慢さであるように思えてくる。死はある日、ある瞬間、いきなりやってくることの方が多いのかもしれない。人が何を考えようと考えまいとお構いなしに。
    死と生は隣り合わせ。私たちはその意味をあまりにも軽視していないだろうか。


    ブク友さん方と涙活なるものを始めました。
    普段から涙もろいタイプなので、感動の涙などがスッキリストレス解消になることは、なんとなく実感してる。
    順番に本を紹介していくのだけど、うーん困ったな、最近小説はご無沙汰だったからな。韓国ドラマなら自信を持って紹介できるのだけど 笑
    これからどんな涙本に出会えるのだろう、楽しみ。

    • 地球っこさん
      みなさん、こんにちは♪

      雨は上がりましたが、今日も蒸し暑いです(。>д<)

      くるたんさんはたくさんの本を読まれていて、レビューもうまくま...
      みなさん、こんにちは♪

      雨は上がりましたが、今日も蒸し暑いです(。>д<)

      くるたんさんはたくさんの本を読まれていて、レビューもうまくまとめておられ、どの本もとても読みたくなるんですよ。
      レビューには、いつも最初にかっこいい一文を書いておられ、それが深いんです。

      松子ちゃん、了解です。くるたんさんのオススメの本を読んだときに、感想とともに必ずお伝えしますね。

      とはいえ、aoiさんのおっしゃるとおり、生きている間に、どれだけの作品を読むことができるのか、叫びたくなります 笑
      知らない本がいっぱいで、またそれらが面白そうで、もうどうしたらいいのでしょう。

      そしてそして、aoiさん購入されたんですね!
      クオカード、ナイスです。
      お義母さま、ありがとうございます♪
      わたしも昨日は雨だったので、今日夕方図書館寄ってきまーす。
      楽しみ~♡
      2022/07/06
    • いるかさん
      みなさん こんばんは。。

      本日「脱北航路」無事ゲットできました。(ツキアカリ商店街も)。。
      これまで読んだことのない世界でワクワクし...
      みなさん こんばんは。。

      本日「脱北航路」無事ゲットできました。(ツキアカリ商店街も)。。
      これまで読んだことのない世界でワクワクしています。
      少し時間がかかると思いますが、よろしくお願いいたします。。
      2022/07/06
    • 地球っこさん
      いるかさん、こんばんは☆

      ゆっくり、無理せず、読めるときに読んでくださいね。

      あと、ツキアカリ商店街、気に入ってもらえたら嬉しいです(’...
      いるかさん、こんばんは☆

      ゆっくり、無理せず、読めるときに読んでくださいね。

      あと、ツキアカリ商店街、気に入ってもらえたら嬉しいです(’-’*)♪

      そして、そして、いるかさんから教えてもらった、あのサイトから今日、お線香を注文しました。
      お香は、「源氏かおり抄 匂宮 貴公子」です。
      薫のイメージの蓮の香りが、いまの季節にぴったりかなと思って♪
      これから少しずつ集めたいで~す(*>∀<*)
      2022/07/06
  • 最終話を読んでいたら、直木賞受賞の速報が入ってきました。受賞おめでとうございます。

    作者の馳さんの犬のお話は拝読するのが3作目で、私が言うのもおこがましいですが、着実に腕を上げられていて、受賞にふさわしいと思いました。

    物語は、東日本大震災後、半年の仙台から始まります。
    母と姉と暮らす青年、中垣和正が駐車場の隅で見つけたシェパードに似た牡犬の多聞という名札をつけた犬。
    認知症の和正の母が、昔飼っていた犬のカイトと間違えて、「カイトかい」と多聞と一緒に過ごすのをものすごく喜ぶようになり、和正も姉とともに幸せを感じるようになりますが、和正は震災で職がなく、悪い仲間に唆されて、悪事に手を染めていきますが…。

    一方多聞は和正の仕事仲間のペルシャ人のミゲルの手に渡り新潟へ。
    多聞はいつも南の方を向いています。「南に誰かいるのか」と飼い主は尋ねますが…。

    多聞は、富山、大津、島根と、その時々に出会った人々に愛され、皆に色々な名前で呼ばれながら、震災から5年後の熊本で一人の少年と出会います。

    そして、奇跡が起こったのです。
    涙なしには読めないけれど、最高の1冊でした。

    • くるたんさん
      まことさん♪こんばんは♪

      まことさんのレビューでまた涙が…!

      私もなぜに南を目指したのか…わかった時には犬の、動物のチカラを感じました♪...
      まことさん♪こんばんは♪

      まことさんのレビューでまた涙が…!

      私もなぜに南を目指したのか…わかった時には犬の、動物のチカラを感じました♪

      馳さんも多聞にありがとう、の気持ちでいっぱいかも…なんて思いました( ˊᵕˋ* )
      2020/07/15
    • まことさん
      くるたんさん♪

      動物、特に犬は凄い秘めた力をもっていますよね!

      最後の終わらせ方がまた、馳さん素晴らしいなあ!と感動の嵐でした。...
      くるたんさん♪

      動物、特に犬は凄い秘めた力をもっていますよね!

      最後の終わらせ方がまた、馳さん素晴らしいなあ!と感動の嵐でした。

      馳さんも、きっと、多聞みたいな犬を飼われていたのでしょうね。
      2020/07/15
  • 感動した!
    感動したけど、ちょっと死にすぎ
    なので★4です
    当たり前じゃ
    死にすぎの物語は今後も厳しく行きますよ!

    たくさんのブク友さんたちが読んでいて感動に震えていたので自分も…と思っていたんですが、なんかみなさんのレビューを読んでたらそれだけでもうお腹いっぱいって感じになり、読まなくていいかと思っちゃいましたっていいわけあるか!
    ということでこのタイミング

    そして実は馳星周さんも初読
    うーんこんな感じの物語を書く人なのね

    まぁあらすじや感想なんかはすんばらしいレビューがたくさん上がっているのでそちらを見てもらうことにして、自分はまた変化球で巻末の初出誌に触れたい

    初出誌「オール読物」
    男と犬  2018年1月号
    泥棒と犬 2018年4月号
    夫婦と犬 2018年7月号
    娼婦と犬 2019年1月号
    老人と犬 2020年1月号
    少年と犬 2017年10月号

    なんと最終章の少年と犬が一番最初に発表されてるんですよね!
    これ多分あれですよね、内村がSNSで集めた多聞の情報が順々に集まってきて…みたいな仕掛けだったってことですよね

    リアルタイムで追ってた人には当たり前のことかもしれないけど
    単行本化する際に順番を入れ替えたところに何か作者の強いメッセージがあるような気がします
    それが何かはわからないけど(わからんのかーい!)

    • ひまわりめろんさん
      あ、でもちょっとノワール感あるかも!
      そしてノワールといえばドン・ウィンズロウの『犬の力』
      ここで繋がった!(一切繋がってない)
      あ、でもちょっとノワール感あるかも!
      そしてノワールといえばドン・ウィンズロウの『犬の力』
      ここで繋がった!(一切繋がってない)
      2022/09/20
    • みんみんさん
      顔もワイルドだし!
      不夜城は金城武が好きで観ただけだし( ̄▽ ̄)

      松子さん…犬→ウサギ→ハムスター→鳥の順番じゃないんだ笑
      顔もワイルドだし!
      不夜城は金城武が好きで観ただけだし( ̄▽ ̄)

      松子さん…犬→ウサギ→ハムスター→鳥の順番じゃないんだ笑
      2022/09/20
    • 松子さん
      みんみんさん!
      2段飛ばししてたの知らなかったぁ笑
      可愛いから、結果良しにしときます(^^)
      みんみんさん!
      2段飛ばししてたの知らなかったぁ笑
      可愛いから、結果良しにしときます(^^)
      2022/09/20
  • 本当の孤独を知る者だけが、誰かを本当に愛し、幸せにすることが出来る。
    と、読後に思った。
    東日本大震災で飼い主とはぐれた犬の多聞はある所を目指して旅をし続けた。岩手から南へ西へ。その間、ガリガリに痩せこけた多聞を助けた人間たちがいた。最初は岩手の男、次に外国人の泥棒、その次は富山県の夫婦、4番めは滋賀県の娼婦、5番めは広島県の老人だ。彼らはある意味どうしようもない生活をしていて、みんな多聞を助けたつもりが、多聞に心を救われる。そして、彼らはみんな旅立ちをすることになってしまうのだが、多聞はその姿を見守った後で、独り強く孤独に旅を続けた。そして、ついに5年後に熊本に着いたのだ。多聞が探していた少年がそこにいることを多聞は知っていたのだ。少年も岩手にいた時は物心がつくかつかないかの歳だったのに多聞のことを覚えていた。前世で結ばれていたかのような絆だった。それから、少年は多聞といつも一緒で、多聞は最後まで、少年を全力で守った。そして、旅立つ時も「大丈夫だよ。いつも一緒だよ。」という言葉を少年に残していった。その言葉には、多聞が5年間の旅で見送った全ての飼い主たちの声も一緒になっていたと思った。
    犬ではないが、私の人生の中で、「大丈夫いつも一緒だよ。」と言ったり、思わせてくれた人がポツリポツリといたが、殆ど亡くなってしまった。その人たちに対しては、「“ありがとう”とちゃんと言えてなかった」とか、「迷惑だけをかけてしまった」とか後悔ばかりが残っている。もし、私が生まれ変わることがあれば、犬になって、多聞のように誰かを全力で助けたいとちょっと思った。

  • 号泣必至の一冊。

    ブク友さん達と“泣ける本を一緒に読もう”と選んだ作品。
    直木賞受賞作であり、皆さんの素敵なレビューを読んでいたので、読む前から期待値も当然上がり、泣く準備を整えて臨む。

    作品は、6つのストーリーからなる連作。
    主人公は犬。シェパードと和犬の雑種、多聞(タモン)。
    東日本大震災後、約5年の歳月をかけて、最愛の人がいる地へ向う多聞。
    仙台→新潟→富山→滋賀→島根→熊本と、出会いと別れを繰り返すロードムービーである。

    出会う人々(仮の主となる人)は皆、悲しさや孤独を抱えている。
    きっと多聞はそれを感じて、自分を必要とする人の前に現れるのだろう。
    悲しみにそっと寄り添い、心を解いていく。

    “犬は神様の遣い。
    人の心を理解し、寄り添ってくれる”
    と、著者は言う。
    そんな愛がしっかりと感じられる作品です。

    最大の号泣場面は、やはり最終話「少年と犬」でしょう。
    途中で涙が枯れない事を祈ります。

    • 松子さん
      あっ、いるかさん、ごめんなさい!
      いるかさんの感想まだだった
      慌てすぎたー!笑!
      あっ、いるかさん、ごめんなさい!
      いるかさんの感想まだだった
      慌てすぎたー!笑!
      2022/05/27
    • aoi-soraさん
      いるかさん、読み終えましたね!
      老人と犬、良いです。
      弥一さんは絶対もう一度猟に出ると思った。
      ホント、生き方について考えさせられるね...
      いるかさん、読み終えましたね!
      老人と犬、良いです。
      弥一さんは絶対もう一度猟に出ると思った。
      ホント、生き方について考えさせられるね。

      まっちゃん、いってらっしゃ~い!
      職場へは笑顔でね^_^
      2022/05/27
    • 地球っこさん
      aoiさん、こんにちは♪

      素敵なレビュー、
      ありがとうございます。

      そうですね、犬は神様の遣い。そんな愛がギュッとつまってました。

      わ...
      aoiさん、こんにちは♪

      素敵なレビュー、
      ありがとうございます。

      そうですね、犬は神様の遣い。そんな愛がギュッとつまってました。

      わたしは、ちょっと涙活ということで構えちゃったのか号泣とまではいきませんでしたが、「少年と犬」は涙が滲みました。

      「娼婦と犬」は、地元滋賀が舞台だったこともあって、感情移入しちゃった。美羽、生きて、生きて!って。
      自首を選んでくれてよかった。きっと多聞が寄り添ってくれたからだよね。
      生きてたら、いつの日か光にも会えるかもしれないものね。
      2022/05/27
  • 東日本大震災後、飼い主とはぐれたらしい迷い犬『多聞』の旅。
    経済的困窮の為に裏仕事を請け負う男、一稼ぎして国に帰ろうとする泥棒、関係が破綻仕掛けている夫婦、何かから逃げている娼婦、癌で余命わずかな老猟師、そして…。

    いずれも出会った時はガリガリに痩せ毛はボロボロ、更には大怪我をしていることもある。それでも目だけは意志の強さを反映してか力強い。落ち着きがあり人慣れしていてすぐに新しい飼い主たちに馴染むものの、どこか別の場所へ行こうとするかのように遠くを見つめている。

    新しい飼い主たちには何かしらの傷があり苦しみがあり足掻いている。そして彼らの結末は苦い。
    『多聞』がこの結末を引き寄せているのか。いや、「老人と犬」で老猟師が気付いたように、『多聞』は多分そうした人々を見付ける能力があり、彼らのその結末までの僅かな間彼らを見守り寄り添うために傍にいる。
    『多聞』は人の罪や過ちを咎めないし、心の傷や孤独を癒すこともしない。ただ傍にいるだけだ。だがそれで人は自らを省みて変わりたい、踏み出したいと思い始める。実に不思議な犬だ。

    岩手から熊本まで五年かけてやって来た『多聞』が行き着いたのは、東日本大震災で被災し熊本に移住してきた家族。一人息子は震災の影響で話さず、一切の感情を失っていた。
    これまでの話の流れだとこの少年も…?と不安になるのだが、その展開は思いもしないものだった。
    少々ファンタジーになってる感もなくはないが、『多聞』は持って生まれた本能と意志の強さでここまで旅をしてきた。その終着点の話としては良かったと思う。

    改めて直木賞受賞、おめでとうございます。

  • 南へ西へと顔を向ける犬の多聞。誰かを探しているのだろうか?読者も最後まで見届けたくなる。
    最終章の「少年と犬」の章題を目にした時には涙の予感がした。

    息子が初めて触れた犬を思わずにいられない。当時3歳の息子の目の輝き、満面の笑みが登場人物の光に重なった。
    その犬は父の実家の農家の番犬。顔もキツく、動物が苦手な私には狂犬にしか見えず、小さな息子が噛みつかれないか横でヒヤヒヤもんだった。
    しかし犬は、初対面でも自分に好意的な人が分かるようで、息子を優しく受け入れてくれた。私には見せない笑顔で…何だこの差は!?優しい目は!?二人の世界は!?(-_-;)彼らはすぐに仲良しになった。
    実は息子は手話を第一言語とする人で、コミュニケーション上、近所に友だちも少なく、きょうだいもおらず、寂しさが募る何か満たされない日々に、この出会い。
    犬は、息子のように口から発する言葉はなくても、人の事情や感情を察し黙って受けとめてくれる優しさや頼もしさがある。
    また公園で子どもを遊ばせるのが苦痛だった私。ちらちらと感じる大人たちの視線、遠慮なく単刀直入に聞いてくる子どもたち…もう嫌で嫌で。でも犬の瞳は違う。何の偏見もないのが分かる。
    「なおなお母ちゃん、お疲れ〜。散歩に行こうぜ〜」と誘われた!?時の、前をよぼよぼと歩く老犬の背中は、"犬生"のベテランさんがリードしてくれるようで頼もしかった。約一年の付き合いだったけれど、彼には本当に感謝している。埋葬された裏庭に花と松ぼっくりを供えてお別れした。
    そんな昔のことを思い出し、しんみりとしたものの良い読後感であった。

    直木賞受賞作読書強化月間はひとまず終了。今月は4冊読みました。

    • 松子さん
      んんんーーー!
      どんちゃんとひまさんの仲良しっぷりが
      たまらん♡(≧∀≦)
      ずっと、見てられるぅ♪
      んんんーーー!
      どんちゃんとひまさんの仲良しっぷりが
      たまらん♡(≧∀≦)
      ずっと、見てられるぅ♪
      2022/10/01
    • なおなおさん
      ♪喧嘩をやめて〜二人を止めて〜
      なんて歌がよぎりますけどね(古い?)
      お二人の仲良しっぷりが目の前で繰り広げられて嬉しくなる(>ω<)
      ♪喧嘩をやめて〜二人を止めて〜
      なんて歌がよぎりますけどね(古い?)
      お二人の仲良しっぷりが目の前で繰り広げられて嬉しくなる(>ω<)
      2022/10/01
    • 土瓶さん
      控訴→こうそ→酵素
      最高裁→さいこうさい→サイ校祭

      わかった!
      サイの学園祭で酵素を飲みまくるんですね。
      ラジャ(⁠つ⁠≧⁠▽⁠≦⁠)⁠つ
      控訴→こうそ→酵素
      最高裁→さいこうさい→サイ校祭

      わかった!
      サイの学園祭で酵素を飲みまくるんですね。
      ラジャ(⁠つ⁠≧⁠▽⁠≦⁠)⁠つ
      2022/10/01
  • 犬は、人間でいうと2歳〜3歳程度の知能を持ち、170くらいの前後の単語やジェスチャーを理解できると言われている。
    また、人間が出す命令の9割以上は理解しているようであるが、それにしても、本作の主役犬・多聞は、とてつもなく賢い犬であった。

    賢いから不思議な力を持っているというわけではないのだが、本作は東日本大震災で飼い主を亡くした犬・多聞が、飼い主以外で一番好きだった子供・光を捜して放浪の旅に出る。そして、はるか熊本で、光と再会する。

    このストーリーに似たような実話をテレビで見たことがあり、小説の中だけの奇跡としてでなく、動物の持つ不思議な力として、その奇跡を納得してしまう。
    しかも多聞の場合は光が九州に居るとわかっているように、常に光がいる方向を見ていた。

    「傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。

    2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……

    犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!(文藝春秋より)」

    最後の「犬と少年」の章に到達するまでに、つまり、光と再開するまでに男、泥棒、夫婦、娼婦、老人としばらく共に暮らしている。
    そしてその誰もが多聞に癒され、多聞を残してこの世を去って行く。まるで多聞は傷付いている彼らの心を治癒するがごとく寄り添い、彼らの生を肯定するために現れているように感じる。
    悩める人、傷ついている人がわかるかのごとく、そしてそんな人の前に現れ最後をめとる。それも多聞の持つ不思議な力のように思う。

    七福神の一尊に数えられる福の神・毘沙門天はまたの名「多聞天」から転じた多聞の名前。
    その名の通り、人々の沢山の心の声を聞くことができる奇跡の犬である。

    作者は、犬好きなんだろうなぁというのがよくわかる一冊であり、犬好きの方もそうでない方もジーンと訴えてくる一冊である。


    犬と男
    震災から半年後の仙台で多聞と出会う中垣和正。痴呆の母とその介護をする姉への仕送りのために盗品の販売の配達から、強盗に共謀し、中垣が亡くなら直前、強盗犯の1人、ミゼルが多聞を連れて逃げる。

    泥棒と犬
    強盗犯・ミゲルと共に逃げた多聞。貧しかったミゲルの少年時代にであった犬・ショーグンを思い出す。自分の最後を感じたミゲルは多聞を自由にする。

    夫婦と犬
    登山道でのトレイルランニング中の中山大貴の前に現れた多聞。熊との遭遇のタイミングをずらして中山を救う。結婚後も自分勝手な中山と妻・紗英の中は冷めており、紗英の心を多聞が癒す。中山は、多聞をトンバと呼び、紗英はクリントと呼ぶ。トンバとの練習中にバランスを崩し崖から滑落し亡くなる。

    娼婦と犬
    美和の前に現れた多聞。身体を売ってまで、貢いでいた男に裏切れ、男を殺す。どん底の人生に束の間ではあるが安らぎを与える。

    老人と犬
    老猟師・弥一が膵臓癌で亡くなる前に庭に迷い込んで来た多聞。まるで弥一の余命をしっているかのようである。最終的には弥一の死は病気ではなく、事故であったであるが、多聞にとってはそれも想定内のことであったのだろうか。

    少年と犬
    とうとう光と巡り合えた多聞。震災後、言葉を失った光は、多聞との再会で奇跡がおこる。ラストシーンは、多聞の光への奇跡であるかのようだ。

  • これまでの犬の小説と比較して圧倒的だった。それは「犬の献身」から人間の弱さを躊躇せず描写したためだろう。新潟、富山、滋賀、島根とシェパードの多聞は南に向かう。道中、弱い人間の傍らに寄り添い、看病するセラピードッグのように振る舞う。多聞の献身により、人間は心を身体を癒しカタルシスによって弱さ「癒す」。その「癒し」の後は多聞に看取られながら亡くなる。東日本大震災、がん、水商売、ヤクザ、堕落的生活、それぞれのホスピスに於いて多聞に看取られるかの如く穏やかな死。犬の強さの対照として人間の弱さが浮き立った名作。⑤↑

    第163回直木賞書評 https://prizesworld.com/naoki/senpyo/senpyo163.htm   「犬の計り知れぬ能力を信じ、犬を愛する者たちに捧げられたシンプル過ぎる、と言ってもいい物語だ。犬が擬人化されて描かれることがなかったのは、作者の、犬に対するリスペクトだろうか。」BY 桐野夏生

  • 勝ちです!!
     
    まっちゃんからの挑戦状「少年と犬」
    涙せずに読み切ることに成功せり。
     
    「多門」という名の犬が、いろいろな人間に出会いながら旅をする物語。
    「多門」の最終目的地は……。
     
    なんとなく予想はできていたので涙腺防御することができました。
     
    意外と最終話より4話目の「娼婦と犬」のほうが良かった。
     
    どん底の状態の娼婦、美羽は「多門」と触れることで癒され、更生への道へと進みます。

    「おまえに会えてよかった。わたしのどん底の人生で、それが最高の出来事。おまえと一緒にいる間は本当に幸せだった」

    ちょっとウルっと……いや、いや……ゼ、全然平気だったけどね。
     
    まっちゃんよ。我の涙腺に挑戦するには百万年早かったようだのう。
    ふっふのふっ!
    あはーはっはっはっは!
    (いや、危ねぇって。動物と子供出すのは反則だよ)


     

    • 土瓶さん
      くまさん。ありがとうございます。
      ノンフィクションはキツそうですね~。
      なにせ、すべて現実のことですから。逃げようがない。
      「これはど...
      くまさん。ありがとうございます。
      ノンフィクションはキツそうですね~。
      なにせ、すべて現実のことですから。逃げようがない。
      「これはどうせ作り話なんだから」という逃げ道がない。
      う~~~ん。
      まさに強敵ですな。
      いずれ、戦場にて雌雄を決しましょうぞ!!
       
      ところで、みなみなさま。
      ブグログ通信、見ました?
      「雨」のつく小説5選。
      その中にありました。あおいさんお勧めの「雨降る森の犬」。
      ナイスタイミング。良作の匂いがプンプンしますね^^
      ま、まあ。拙者、絶対泣きはしませんけどー。
       
      そして、まっちゃん。たいへんだよ!
      ひろさんとあおいさんがまっちゃんの「大沢、新宿鮫学校」にきてくれるかもだよ!
      私は校長にも副校長にもなった覚えはないけど、「松」の一字を背中に背負ったカッコイイ影の大ボスなら知ってるよ(笑)
      さぁ、ボス。
      気合入れて行きましょう!!!
      2022/06/13
    • 松子さん
      おつかれさまんさ〜(^^)

      G Wに美術館で阪神淡路大震災の写真展示を見たんだけど、その時に災害の大変さを忘れないでいる事って本当に大切だ...
      おつかれさまんさ〜(^^)

      G Wに美術館で阪神淡路大震災の写真展示を見たんだけど、その時に災害の大変さを忘れないでいる事って本当に大切だなあと思ったのを、ふと思い出して…

      くまさんからの素敵で大切なご縁だと思うので
      南三陸日記、読んでみようと思います(^^)
      ナウシカとパトレイバーと機龍警察の後で、ちょっと先になっちゃうけど(^-^;

      雨降る森の犬、メモしたよっ!
      良作の匂い〜♪ くんくん

      どっ、どんちゃん!どうしよう
      新宿鮫学校に体験入学だって!
      どうしよ、どうしよヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
      体験ってことは、体験ってことは…
      うわぁ、責任重大だよっ

      あおちゃんとひろに、
      お茶とお菓子、準備したほうがいいのかなっ

      ひろさん、あの、
      お、お、おおさわ作品おすすめは、
      し、し、新宿鮫シリーズからで
      どうぞお願いいたしまするっ

      あおちゃん、体験入学ありがとうございます。
      体験は、いつでも受け付けております。
      好きな本を読み終えて、新しい世界をのぞいてみたい時にぜひお待ちしております♪
      2022/06/13
    • ひろさん
      お疲れさまです♪
      ふふっ読みたい本がどんどん増えていきますね。

      新入生は新宿鮫シリーズから!
      な、なんか、こ、こっちまで
      どきどきしてきた...
      お疲れさまです♪
      ふふっ読みたい本がどんどん増えていきますね。

      新入生は新宿鮫シリーズから!
      な、なんか、こ、こっちまで
      どきどきしてきたっ!笑
      あおいさんと一緒で涙活が一段落したら体験入学希望です♪
      校長、副校長、ボス、よろしくお願いします!
      2022/06/14
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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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