- Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163913933
作品紹介・あらすじ
満足? 後悔? 愉悦? 絶望?
人生の黄昏を迎えるとき、人は自らの来し方をどう捉えるでしょうか。
長く別居して年一回の対面を重ねる夫婦、
定年間近の独身男の婚活、
還暦過ぎの女友達二人、
かつて交際していたアイドル歌手同士の再会……。
乙川さんの新作は、誰の身にも起こり得る人生模様を端正な文章で紡ぎます。
時代小説から現代に小説の舞台を移してからも大佛次郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞、島清恋愛文学賞など数々の評価を得ている筆者による9つの物語。
感想・レビュー・書評
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また、読み終わりたくない時間があっという間に過ぎてしまう。なんでなのかな。話自体は九篇あるうち、もの珍しいのはそれほど多くないのだけれど。しかも、それぞれの登場人物から見れば悪いばかりではない終わり方なんだろうけど、話としてのハッピーエンドではない話も多いしな。でも逆に、これからのことを考える話ばかりだから、それぞれの読後感は悪くなくて、眠いはずの帰路の電車の40分余り、全く寝なかった。
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図書館で借りた本。
乙川さんは、ずっと名前だけは知ってたけど読んだことがなかった作家さんです。
子どもたちが二人とも自転車に乗れるようになったので、図書館によくでかけるようになってます。
その時にふと目についたものを借りるようにしているのですが、今回はこちらでした。
赤い表紙に、ナインストーリーズというタイトルだけ見て借りました。
とっても端正な文章で、岐路に立った男女の物語を色少なく、陰影深く描いた作品集でした。
読んでいるとお酒を飲んでいるような、ゆったりと揺られているような心地になって本当に気持ちよかったです。
夫が膝の皿の靭帯を切ってしまい、その病院で読んでいたのですが、時間を忘れて読んでいました。 -
【Entertainment】ナインストーリーズ / 乙川優三郎 / 20220101 / (3/922)/<198/161633>
◆きっかけ
日経書評
◆感想
・男女の間の機微の描写が秀逸。いつかこんな物語を書いてみたい。
◆引用
なし
ナインストーリーズ 乙川優三郎
さまざまな中高年の男女がさまざまな人生を生きる9つの物語だ。後悔と断念と諦観。人生の黄昏(たそがれ)を生きる姿と思いにどんどん引き寄せられていく。心に染みる作品集だ。 -
歳を重ねれば、人に疲れも見えてくる。その戸惑い、戸惑いに流れてくる冷たい風。
そんな風があちこちに吹く九つの景色が書かれている。 -
現代小説へと舞台をギアアップした氏の短編9編。
何れも人生黄昏期を迎えた男女の来し方行く末を偲びやかな辛口であったり、乾いた文体で・・あたかも俯瞰する視点で見つめている。
あれ、乙川さんって・・直木賞だったよねと思うほど、最後の作品は芥川賞っぽく、それを読む私も・・あれ?(芥川賞系は合わないので)
同じテイストばかりでだれないと言えば嘘になるが、職種、設定の多様さは筆のの冴えを見せる。
「安全地帯」「海の~」は昨今、一番よくありそうな話・・男は自分一人では帳尻を成功へは持って行けない。
「六杯目~」はなかなかでこのラスト、さ―て丁か゚半か
筆者の生活スタイルから「都会の人生」が前面に出ているのはやむを得ないが、登場する人物・・男女ともに「知り合い」であっても「友達になりたくないか」という臭いばかり・・翻る自分も同類かと鼻白んで。。 -
満足? 後悔? 愉悦? 絶望?
人生の黄昏を迎えるとき、人は自らの来し方をどう捉えるでしょうか。
長く別居して年一回の対面を重ねる夫婦、
定年間近の独身男の婚活、
還暦過ぎの女友達二人、
かつて交際していたアイドル歌手同士の再会……。
乙川さんの新作は、誰の身にも起こり得る人生模様を端正な文章で紡ぎます。
時代小説から現代に小説の舞台を移してからも大佛次郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞、島清恋愛文学賞など数々の評価を得ている筆者による9つの物語。