追憶の烏

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163914152

感想・レビュー・書評

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  • 小説としては面白かった。が、これって山内でなくてもええやん的な、普通の御家騒動的なぐちゃぐちゃ人間模様というか、設定の面白さはどっかに行った感じの中盤から後半。八咫烏シリーズは設定がとても良いのに。ナニが悲しいて、金烏(奈月彦)と明留と鹿島が殺されてしまったのにはめちゃ驚いた。奈月彦殺さんといてほしかったわ。で、気がついたが、そういえば主役は雪哉だったねぇ。してからに、あんだけウザかった紫雲の院が死刑、とはいえ、色々とまあややこしいことに。ラストもものすごく続きが気になる。面白いことは面白かったです。これからの山内、どうなるんでしょうねぇ。金烏を軸にして、無双ハッピーエンドになってほしかったが、なんかとても嫌な予感がします。

     推しが殺されると、どうしようもない。

  • 前作から時間が遡り猿襲撃から間もない山内世界。崩壊の恐れはあるが平和な日が訪れ、山内存続の可能性を探る為雪哉は外界へ遊学に。その最中前作で何故奈月彦や出てこない人(人じゃなくて八咫烏だけど)がいたのか、立場を異にしている人がいたのか、その原因の大事件が起こる。未来を憂いて行動を続けてきた雪哉が導かれた先がもうやるせなさ過ぎる。最初に紫苑の宮とのほのぼのエピソードがあるから余計に前作の非情な雪哉に変わっていかざるを得なくなった展開が辛かった。そして第一作とか外伝から繋げてこいつここで再登場するか!には痺れた。次は現代に戻るのかなぁ。間にも色々エピソードが挟まっていそうでならない。

  • 猿たちとの戦いが終わり、正式に金烏となった、奈月彦。
    娘の紫苑の宮を、次の女金烏にしたいと考えていたが……。

    八咫烏シリーズ第2部第2巻。

    今までの流れをひっくり返すような出来事の数々に、驚かされる展開。
    特に、金烏の身に起きたことは、衝撃的。

    歯車が悪い方へ悪い方へと動いていき、読んでいてせつなかった。

    メインが権力争いになってしまい、八咫烏設定でなくてもいい気がしてしまう。

  • 前作から気になっていた、20年の間に何があったのかが明らかに。
    これまでの忘れかけていたあれこれに因果関係が生じていて、繋がったときはぞくぞくした。やっぱり面白い。
    でも紫陽花の庭での場面は辛かった。
    ああなった場合の雪哉の選択ぐらい彼には読めていたはずではないかと思うから、あの一文だけでは雪哉が可哀想だと思うのだ。引っ張り込んで、そういう八咫烏になるきっかけを作った張本人なのに。
    ますます続きが気になる。

  • 猿との大戦の後、山内では一体何が起こっていたのかーー? 前作『楽園の烏』で描かれなかった山内の“その後”が明らかに!
    「文藝春秋BOOKS」

    怒涛の展開で、えーこれこの先どうなるの?という感じ.
    権力関係と人の心の機微が丁寧に描かれていて、納得しながら面白く読んだ.

  • 八咫烏シリーズ第2部の2作目。1作目の話の内容を全く忘れており、なんとなく第1部の続きかなと思って読みだした。1作目を覚えていれば、後半に向けての展開の予想はついたかもしれないが、全く忘れていたのでかなり驚いた・・・
    最後まで読んでわかったが、本作は第一部と第二部の空白をつなぐものだということ。やっぱり八咫烏シリーズはどろどろの宮廷陰謀劇を描いていた方が面白いこの後どう展開していくのかは未知数であるが、次も読むことにする・

  • 八咫烏シリーズ第二部2作目。
    八咫烏と猿との大戦後の20年の年月。
    衝撃の、悲しみの出来事が続く中で、雪哉、仲間たち、
    そして奈月彦の運命は?第一部1作目が亡霊のように蘇る。
    序章  第一章 花祭り  第二章 その夜
    第三章 消えた女     第四章 散華  第五章 顎
    第五章 遺言       終章 答え
    用語解説、人物紹介、山内中央図有り。
    第二部2作目は、過去。
    前作で気になっていた、20年の年月にあったこと。
    雪哉=雪斎の凄まじい変容の理由が明らかになる、衝撃と悲劇。
    驚きの展開に、息を吞んで読んでしまいました。
    歪・・・いびつ。
    紫雲の院と藤波と、その二人の歪みに間近で接していた滝本。
    奈月彦と明留の歪な姿。朝廷内での歪な政争関係。
    第一部1作目の始まりの物語が脳裏に過ぎる、愛憎の歪さ。
    そして、何に魂を捧げてきたかと述懐の、のちの雪哉。
    悲しさと虚しさの彼方にあった、歪な心情。
    ファンタジーな世界とはいえ、犯人捜しのミステリ、
    雪哉が見た外界はSFのよう、権力闘争ドロドロの人間ドラマも
    あるという、エンターテインメントな仕上がりに。
    消えた女性たちの行方は?真赭の薄とその娘たちの動向は?
    東家の下女・霞の正体も気になるところ。
    現在の外界での動きも、同様。
    山内の新しい時代への希望は本当に叶うのか?
    だから続巻を早く読みたくなってしまう。
    ・・・その前に『楽園の烏』も再読しておこうっと。

  • 猿との大戦後の山内の様子を描く。
    ……としかいえない。読後の衝撃を誰かと分かち合いたくてたまらない。
    作者の構想力に脱帽。

  • 何から感想を書いていいやら…
    読み終えた後もしばらくずっと追憶の烏の事を考えてしまった。
    そして思い出す度に泣きそうになって必死に歯を食いしばるしかないという辛さ。
    とりあえずハリポタで言うダンブルドア先生死んじゃったと言う展開。
    そこからの展開が辛すぎて辛すぎて…
    千早がどういう思いで明留の骨を継ぎ足したか…
    でも何より雪哉が可哀想で仕方ない。
    本当に心のない子だったら、あの雨の中で若宮や澄尾と一緒に分け合って食べたご飯の事や笑顔なんて思い出すはずないじゃないかバカタレ!!
    雪哉の気持ちも誰か分かってあげてよ!!と、号泣しながらずっと読んでいた。
    あんな展開になってしまったら楽園の烏で出てきた雪哉みたいになるわ…。
    山内の崩壊はきっと山神がどうこうと言うより八咫烏側から崩れさるのでは?と思わずにはいられなかった。
    雪哉に幸せは訪れるのかな…
    とりあえず今回の巻で唯一の救いは澄尾と真赭が結婚して仲睦まじくやってる事だけだったよ。

  • 滅亡の危機の中でも、権力を握ることが必要なのか?
    と私は思う。
    目の前のモノしか、信じられず、先を見れない、読めない人たちに囲まれ、雪哉には幸せになってもらいたい。

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著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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