そして誰もゆとらなくなった

著者 :
  • 文藝春秋
4.13
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感想 : 358
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163915784

作品紹介・あらすじ

『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く第三弾にして完結編。
怒涛の500枚書き下ろし!頭空っぽで楽しめる本の決定版!

修羅!腹痛との戦い
戦慄!催眠術体験
迷惑!十年ぶりのダンスレッスン
他力本願!引っ越しあれこれ
生活習慣病!スイーツ狂の日々
帰れ!北米&南米への旅etc……

一生懸命生きていたら生まれてしまったエピソード全20編を収録。
楽しいだけの読書をしたいあなたに贈る一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 年度始めはなんだか忙しかったり気持ちに余裕がなかったり体も疲れていたりで、なかなか読書が進みません。そんな時、気負わずに楽しく読める本‥‥それはやっぱり『ゆとりシリーズ』ですよねー。
    三部作の一作目の『時をかけるゆとり』の時は、なんの遠慮もなくただただ腹を抱えて笑いましたwww www
    でも皆さんのレビューなどを読んでいて、お腹の悩みを持つ方の切実な気持ちを知り、無責任に爆笑していた自分が恥ずかしくなりました。
    そして!そんなお腹の悩みを我が息子も持っていたとつい最近知り!本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになったのです‥‥
    息子に『今日学校でウ◯コしたー』と言われ、『あたしらが子どもの頃は学校でウ◯コなんかできなかったよー。近頃の子は自由でいいねぇ』なんて呑気に思っていたのですが、よくよく聞いてみると自由の証としてしていたのではなく、朝井さん同様やむにやまれず飛び込んでいたらしいのです。それを知ってからは色々と対策を考え、腹巻をしてみたりビオフェルミンを飲んでみたり‥‥(←うちの子はこれらが結構効いてるみたいです)
    お腹とストレスは強く結びついているらしいですね。ストレスからお腹にくるのはよく知られていることだけれど、逆にお腹の調子を整えてあげるとストレスが減るのだとか(NHKの某番組でやってたー)
    そんなこんなで、今作は読んでいて切なくなってしまいました。何も考えずに笑えるエッセイを書きたかった朝井リョウさんには申し訳ないのですが、ちょっと泣けるくらい切なかったです。
    でも、裏表紙に描かれた便器は笑えますww
    そして、何かの拍子にこのレビューを息子が読みませんようにw

  • ブクログで評価が高かったので、本書を購読。
    笑いに特化した楽しんで読めるエッセイ本でした。

    著者の旅行やイベントでの笑えるエピソードをつづった一冊。
    著者の小説"正欲"と本作のギャップに驚いた。

    何も考えずスラスラ読める。
    ただ個人的には、おもしろさだけでなく深さもあるエッセイの方が好きかなと思った。

    朝井リョウさんの明るく少しひねくれた人柄を感じれるエッセイでした。

  • 前作の『風と共にゆとりぬ』がぶっ飛び過ぎ&面白過ぎたので、今作はある種落ち着いていた感が強いかな。
    電車の中でも読めましたが、時ににやけてしまう、そんな感じ。
    読んでいるうちに著者が友達のように思えてくるんですよ!笑笑
    立派な人なのはわかっています。でも、抜けていたり、ズレていたりと、本当愉快な人ですね。大好きですわ。

  • 「ゆとり3部作」の最終巻。
    今回もたくさん笑いました!
    カフェで読んでいて、思わず声に出して笑ってしまい、恥ずかしかったです。
    「読書は楽しい!」ってことを改めて思わせてくれたエッセイでした。

  • 三部作、お疲れ様でした 笑

    いやー今回も沢山の笑わせてもらいました


    何度も声に出して笑ってしまいました

    一つ一つをちょっとずつ読み進める方が
    面白いと思います(^^)


    朝井さんとは同世代で
    あーわかるー!!となる部分が多く
    余計に面白いのかもしれないです


    気楽に楽しめる、
    朝井さんの目指す
    さくらももこさんのエッセイのような雰囲気が
    確かにあると思います

  • 朝井リョウさんの抱腹絶倒エッセイ第3弾。
    やっと、やーっと図書館から回ってきた。
    と思ったら同時に色々な予約本が届き過ぎて、読めないかもと思っていたら、ひょんなことから時間ができたのでこれ幸いと気合を入れて一気読み。

    いやー、今回も笑えた。
    ただ、あとがきにもあるように前作以降の出来事というよりは、過去の出来事を思い返したり、ラジオ等で既に披露済のネタもあったようで、時間軸は行ったり来たり。
    あんだけおもしろエピソードがあった上で、まだ引き出しあるんですか。
    本当に本人の云うような面倒くさがりでインドア派なのだとしたら、よほど周りに誘われる愛されキャラなんだろうなと思う。

    大体の展開が、ある日突然思いついたこと始め、盛り上がって突き詰めて行くのだが、実は空回り。
    ふとした瞬間に訪れる「何で?」「何のために?」に返す言葉もないというものなのだが、豊富な語彙で脚色された突っ込みがとにかく面白い。

    1章で早々と朝井さんのありがたい洞察が語られる。
    「おもしろいというのは私にとって、様々な邪念が一切入ってこないくらい、素直に、そして真剣に生きているときに滲み出る”おかしみ”のことなのだ。そのおかしみは、隙、と表現することもできる。」
    なるほど~。
    確かに素直に、真剣にやっているからこその、他にはない面白さってある。
    「おかしみ」=「隙」っていう表現もいい。
    真剣な人を面白がるのは失礼に当たる気がするけど、全体としてのリスペクトはあった上で、隙を楽しむのは何か許してもらえる気がする。

    多少の恥ずかしさを憶える部分もあるようだが、自身の失敗エピソード達をことごとく笑い話に変えてしまえる力は本当にすごいと思う。

  •  朝井リョウさん、本書はおもしろ過ぎて反則です! 内容は勿論、タイトルと各20編の章題のネーミングが素晴らしい。
     それにカバーイラスト。ん? 寂寥感ある荒野に茫然と佇む〝ゆとり〟くん。その斜め後方(裏表紙)に何で、何でシャワートイレ一体型便器が鎮座してる? ゆとりくん、ここでトイレします? 荒野だし誰も見てない? 大勢いますよ、読者が! この秀逸さ・おもしろさは、前作に引き続き本書を読むことで倍増するんですね。
     何と言っても「腹と修羅」ですね。もう、これが全編を貫き、忘れた頃の生理現象としてひょっこり顔(顔でいいのか?)を出すんですね。
     朝井さんにとって、「おもしろい」とは、真剣に生きているときに滲み出る、邪念のない〝おかしみ〟であり、真剣味と背中合わせの〝滑稽さ〟と本書で記されています。
     でも、邪念ありますよね? 作家さんですもん。絶対に「没ネタ成仏」のおもしろさを狙ってますって! で、その狙いがど真ん中に当たっちゃってるんですね。さすがです。
     理屈抜きに楽しませてもらいました。

  • 帯のとうり、頭空っぽで楽しんだ。
    エピソード全20編。
    こんなに笑っていいものか⁇便通に悩まされているご本人に気の毒だ、とも思ったのだが…。
    笑ってしまったほうが、スッキリするでしょう。

    踊ることに踊らされて
    その一、技術とか実力とかの前に、向いてないことはある。
    そのニ、なせばならない。どうにかしないと、どうにもならない。
    その三、どうにかしたところで、何も結実しないことだってある。

    朝井さんのチャレンジ精神は凄い。
    すんなり…と実行に移してるから凄い。

    踊ることに好き嫌いは確かにあると思う。
    上手か下手か、ではなくて踊りたいかどうか…である。
    かく言う私もちょうど30代前半の頃、子どもたちも幼稚園へ通い出し、午前中の空いた時間にジャズダンスとエアロビクスを習っていた。
    好きで、ずっと続いていたし、ママさんたちのグループで大会に出たりもした。
    引っ越しと同時に習い事も全て辞め、フルタイムで働き出した。
    それ以降、たくさんあったレオタードもつい最近捨ててしまった。
    いつか身体を動かすことがあったら…と思って置いてたが、やらないだろうとわかったからだ。
    情けないけど、すっかり怠惰になってしまった。
    コロナ禍のせいにしたくはないけど、動きたくないのだ。
    困ったものだが…。

    朝井さんも文中に「常々思うが、特に私のような保守的で冒険心のない人間は、誰かがこうして家から引っ張り出して出してくれないと自分の興味の範囲外の世界に触れられない。」とあったが、けっこう旅に出たりして面白エピソードを披露してくれている。
    羨ましい限りだ。

    なかなか動いてくれそうな友人もいないしな…
    ひとり静かに読書するのが今はいいかな。

  • "ゆとり世代" の定義を再確認してみた。
    「1987年から2004年ごろに誕生した人のことを指す言葉で、新しい教育指導要綱に基づいて実施された「ゆとり教育」を1年でもうけたことのある世代」
    朝井リョウさんは1989年生まれなので、2002年に開始されたゆとり教育で中学高校を過ごしたのですね。

    冒頭で朝井リョウさんが言ってるとおり、
    10年前は「ゆとり世代なんですよォ~」の一言で乗り越えられた危機も、今や「だから、…何?」と冷たく返されるだけになった。
    そして誰もゆとらなくなった、というタイトルのとおり、ゆとり世代の人が「ゆとり世代だから」と、うかつに口にできない時代になっている。
    こんな社会背景もあって、朝井リョウさんの "ゆとり三部作" これで完結です。

    相変わらず "う〇こ" まみれのエッセイですが、自分も同様の "お腹が弱い" 人種なので気持ちが痛いほどわかる。
    あたふたぶりを面白おかしく書いているが、本当に切実な問題なので共感の気持ちが勝ってしまい心の底から笑えない。

    エッセイは日常の一コマを書いたものなので、本書のようにその時の写真があると雰囲気が伝わってきていい。
    トイレ問題を抜きにしても面白い話題が豊富なので、今後出されるエッセイ本に(写真添付も含めて)期待します。
    でも本書が2022年8月とつい最近の発行なので、まだ何年も先になりそう。
    ならば、時々登場する(お友達の?)柚木麻子さんの本は未読なので、『とりあえずお湯わかせ』を読もうかと思っている。

  • 小説だと思って借りたらエッセイだった〜!

    でも、たまにはこういうのもありだな。
    映像が浮かぶ、漫画を読んでいるような面白さ。
    久々に、本を読んで声を出して笑ってしまった!

    何事も本気で、色々なことに挑戦することは大切ですね。
    一生懸命だからこそ、面白い。

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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