- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163915814
作品紹介・あらすじ
作詞・作曲の天賦の才に恵まれた、福田葵。彼が幼馴染と組んだバンド「Thursday Night Music Club」・通称サーズデイが、とうとう大手レコード会社の目に留まった。デビューの条件は、ベーシストを入れ替えること。
「君には音楽の才がある。代償を恐れて自分で才能の芽を潰すことは、音楽への裏切りにもならないか」
プロデューサーの中田の言葉を受け入れ、メジャーデビューを決断した葵は次第に変貌し――。
芥川賞作家の新境地、圧巻のバンド小説。
感想・レビュー・書評
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前半があまりにも冗長で、投げ出したくもなったが、後半はさすがの高橋弘希さん節が炸裂していた。
ロックスターの光と影。通して傑作かと言われれば、そうといいづらいが、らしさを感じるうちは追っかけたくなる作家であるのは、はっきりそうと言える。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロックだ。音楽に魅入られ、音楽に取り憑かれ、音楽に狂わされていく人間の姿がある。
幼馴染4人グループで始まったThursday Night Music Clubという一つのバンドが、どんどん変貌を遂げていくさまは、さながら音楽のよう。
フィンランドに滞在する場面が思いがけずあったりして嬉しかった。
終盤、彼らバンドメンバーが知らないデビューをめぐる真相と過去が明らかにされるのだが、鳥肌が立った。音楽を愛してしまった人は、その音楽が生まれるためならどのような手段でも講じられるのだろう。
〈 ロックに日常性なんて必要か? 必要なのは衝動と破壊と混沌だよ、俺はそういう気分でいま音楽を作っているんだ 〉
それにしても、狂乱のライブシーンなど各所ぐいぐい読ませる鬼気迫る文体で、高橋弘希さんのこれまでの筆致とはまるで違うので驚いた。
言わずもがな両方好きです。夕焼けの描写が多く、とてもよかった。 -
何でこの本を読んでしまったんだろう。後悔。
バンドの成長物語のような、ただあらすじを追ってるような淡々とした前半。それでも続きが気になって読んでいた。中盤以降、段々と精神が崩壊していくような展開に。終盤ついていけなくなり読むのを断念。 -
バンドサクセス小説ですが、純文学要素が多大に入っているのでちょっと何言っているか分からないという部分も沢山ありました。でもバンド小説として序盤はとても興味深く、あるある要素も含めて面白かったです。
次第に訳の分からないバンドになってしまって、読んでいてどんな音楽やっているのか分からなくなってしまいました。
序盤はオルタナ系で曲がメロディアスで歌謡曲っぽい親しみやすさがあるようだったので、ウイーザーなんかを想像していましたが、シアトリカルな要素が多くなってきて、ゴスっぽくなったり、ナパームデスなんて言葉が出て来たり、どう考えてもリスナーはドン引きだと思います。牛の頭蓋骨被ったりようわからん。 -
高橋弘希さんご自身もバンド活動をされていたそうで、彼の音楽に対する情熱は充分伝わりました。が、葵が作る歌詞やライブ中のMCが長舌と感じられ、最後まで私は作中のバンド、サーズデイのファンにはなれなませんでした。
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序盤はともかくバンド周りのエピソードがリアルで面白くさくさく読み進めるうちに途中からとんでもない純文学に変容してきた!
エモエモにエモいバンド小説な文学作品
ラストの落とし所はどうなんだろうとまだ考え中
何回も読み返すであろう本
昔聴いてた洋ロックSpotifyで見つけてたくさん聴いた 懐かしい
一度心を揺らされた音楽は時を置いて聴いても心が動く時があると再認識
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ほんタメ!から。どんどん濃くなっていって純文学なんだなと思った。
主人公がペラペラ話すのですごく薄っぺらい人間に見える。自分もよく話す人間だからこうならないように気をつけようと思った。キザなところもきつい。言葉がトレンディドラマみたい。
作者は音楽がすごく好きなのかな。 -
これは…高揚感と切なさに胸がしめつけられて堪らない。
言葉が溢れ出し止まらなかったんだろうか。だんだん加速して終盤へと向かう勢いがすごい。それに登場人物が皆おもしろい。
読む前から「音楽が鳴りやんだら」というタイトルになぜか惹かれていた。その意味が解った時、惹かれた意味も解った気がした。私も考えたことがあるよ、音楽が鳴りやんだら、と。
高橋さんは色んな題材で作品を書かれているけど、テーマは一貫しているように思う。私はずっとそう感じている。 -
2022.10.25 図書館