烏の緑羽

著者 :
  • 文藝春秋
4.10
  • (104)
  • (146)
  • (59)
  • (7)
  • (0)
本棚登録 : 1127
感想 : 127
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163916026

作品紹介・あらすじ

「なぜ、私の配下になった?」
生まれながらに山内を守ることを宿命づけられた皇子。葛藤と成長、彼らのその先には――

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白かった!奈月彦が殺されたあとは、つまらなくなるのでは、とガッカリしていたのだが、ところがどっこい面白い。本作は真の金烏奈月彦が殺される前の話で、長束の側近、路近と翠寛の話が中心。路近がとても面白いのでこれからももっと出てきて欲しい。続き、ものすごく続く感じなので、次作が楽しみ。

    • ふたねこさん
      これから全巻読もうかと作者で検索かけたらネタバレ…
      これから全巻読もうかと作者で検索かけたらネタバレ…
      2024/04/26
  • 冷たい目で不届き者の首をはねた路近を信じられない、長束。
    奈月彦の勧めで、路近の師・清賢に会いに行くが……。

    八咫烏シリーズ第2部3巻。

    面白かった。

    優秀だけれど、何かが欠けている、路近。
    振り回される翠寛と、真正面から向き合う清賢。

    路近の無茶苦茶ぶりが突き抜けていて、激しい混乱とスピーディな展開。
    最後まで一気読み。

    ただ、長編でありながら、あまり話が進まなかったというか、路近たちの過去を描く番外編っぽさが。

    この先に繋がるラストで、今後が気になるところ。

  • 「なぜ、私の配下になった?」
    生まれながらに山内を守ることを宿命づけられた皇子。葛藤と成長、彼らのその先には――
    「文藝春秋BOOKS」より

    今回も一気読み.
    なぜこいつはこういう性格なのかとか、なぜあそこでああいう行動をとったのかとか、うすい靄がかかっていたものが晴れていく感じのする展開.よく分からない道理で動いていた登場人物の考え方がわかるやりとりが面白かった.
    人とやり取りをすることで、自分の考えていることとか感じていることってあるよなぁと改めて思う内容だった.面白かった.早く次が読みたい!

  • ほんっとに、ひっさびさに読んだ烏シリーズ。
    (本編玉依姫あたりで止まってます(苦笑))

    長束様の側近、南橘家路近にまつわる物語。
    めちゃめちゃ理屈っぽくて、いちいち面倒くさい人(八咫烏)たちだなー、と思いながらも、一気読み。

    、、、しばらく読んでない間に、本編がめちゃめちゃ動いているらしいこともわかってしまった、、、、


  • 前作よりも時を遡って、長束と路近の関係から、あの勁草院の教官だった翠寛の生い立ちを中心とした話。
    陰険な奴かと思っていたんだけど、印象変わるなあ。誰の視点かによって、人って違って見えるものだ。

    今回は政争とは無縁かと思いきや、終盤には今に繋がる大事な場面がちゃんとあって、役割を意識させられる。
    「真の忠臣とは何か」だなんて。
    続きが楽しみだけど、同じぐらい不安だ。

  • 外伝に近い感じだったが一気読み。主に長束と路近と翠寛のお話。面白かった。
    また第1巻から読み直したくなってきた。かなり忘れているので。でも早く続きが読みたい。第二部がこんな展開になるとは。

  • 八咫烏シリーズ第二部3作目。
    金烏代の長子である長束の葛藤と成長。彼の視点に加え、
    長束に関わる人々の歩みを描く、本編のアナザーストーリー。
    序章  第一章 長束  第二章 清賢  第三章 羽緑
    第四章 翠   第五章 路近  第五章 翠寛  終章
    用語解説、人物紹介、山内中央図有り。

    人を育むのは、人。人に気づきを与え補うのも、人。
    「空棺の烏」を補完するような勁草院の過去の中で、
    清賢の存在は院士としてを通り越し、導きの手を惜しまない。
    あらゆる面で優秀ではあれど人の理が解らない、路近。
    赴く場所での様々な体験を成し汚濁を見てきた、翠寛。
    彼らを導き、更に長束に引き合わせたのも、清賢。
    長束が宗家の子息として優秀だが、コチコチの世間知らずで
    あった事実も披露される。それを知らしめる、翠寛。
    瓜の世話をしたり、皿洗いをする長束の姿が、なんか新鮮。
    そういえば、あの鞠里の子って「空棺の烏」の路近の弟?
    また、真の金烏である奈月彦の導きも長束や翠寛に影響か。
    そして、あの政変に際しての、長束の成長した姿に刮目。
    まさか翠寛がこういう人物とは思ってもいなかったし、
    路近の過去や長束の葛藤が見られたことは良かったです。
    その決断は現在である終章へ。
    もしかしたら翠寛は外の朔王とも繋がりがあったのかもしれない。
    だからこその彼女を長束に披露する姿・・・と憶測してしまう。
    雪哉の思惑とは異なる長束たちの行動が、今後にどう関わって
    くるのか?次巻が楽しみです。

  • うーん…
    長束ってこんな世間知らずの頼りない人だったっけ?
    それぞれのキャラクターが作品ごとにイメージが変わってちょっとついていけない。(雪哉も)
    シリーズ終わるたび、これまでの作品を読み返さないと思い出せないことが増えていく一方なのもつらい。
    前作の時は読み終えたあとのワクワクがあったけど、
    今回は。。
    あ〜、八咫烏シリーズ、脱落しそうです…!

  • 【目次】序章/第一章 長束/第二章 清賢/第三章 羽緑/第四章 翠/第五章 路近/第六章 翠寛/終章

    今までの話を長束の視点でまとめ、長束の成長と覚悟が描かれている。複数の視点で描くことで、一つの出来事が立体的に浮かびあがるさまは見事。それも時間経過と共に描かれるので、それぞれの登場人物に寄り添って進める。
    前巻まででは、雪哉の独擅場にも思えたけれど、どうしてどうして一癖も二癖もあるキャラがたくさんいて頼もしい。そして、最後に登場した彼女。先を読むのが楽しみだ。

  • 第2部もはや3作目。しかし、どこかしっくりこない。本作は路近や翠寛の話。第一部の中に似たような話がなかったか?キャラの立っている路近は興味深くこれはこれで面白いのだが、八咫烏シリーズの中として位置付けると物足りなさが残る。なぜここで路近や翠寛なのか。この先にその答えがあることを期待する。どろどろの権力闘争と山内崩壊をブレンドしたストーリーを望みたい。さらに第2部は時系列がぐちゃぐちゃで、分かりにくいところがあるので、次回作からは現在進行形の展開を読みたい。

全127件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阿部智里の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×