家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163917436

作品紹介・あらすじ

命の終わり、その場所はどこがいいですか?住み慣れた自宅で幸せな最期を迎えるために。親子の絆を探す3年間の遠距離看取り体験記。(目次)第1章 看取りのはじまり第2章 介護保険が打ち切られた第3章 コロナ禍の葛藤第4章 父と娘の終末期第5章 臨終まで第6章 看取り後の気づき「父は入院も施設入所も拒み、住み慣れた家でひとり暮らしをつづけた。私は終末期の父に付き添い、介護し、死にゆく傍らでその一部始終を見ていた。(中略)あくまでも個人的な体験ながら、父と私に降りかかったさまざまな出来事をありのままに綴りたい。父と同じように住み慣れた家で最期を迎えたい人、家族を在宅で看取りたいと思う人たちに「家で死ぬ」というリアルを伝え、真に納得した最期が訪れるよう、本書が一助となることを願っている」(「はじめに」より)

感想・レビュー・書評

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  •  たいていの人が、最期は自宅で迎えたいと希望します。私の父もそうでしたねぇ…だけど、入院中にどんどん体調が悪くなって、自らやっぱり家に帰るのはやめたよと訴え、最期は病院で迎えました。なかなか、思い通りにはいかないものですよね…。もう、何年も前の話なんですけどね…。

     でもこの作品の著者の石川結貴さんは、ご自身のお父様をの気持ちを最優先し、自宅で最期を看取られています。お父様が、転倒したり慢性腎不全の治療(人工透析)を拒んだり、身体機能が低下して排泄の失敗が多くなったり…最期には寝たきりになるんだけれど、そのすべてを受け入れて、看きれたのはやっぱり石川結貴さんだからってことだと感じましたね…。石川結貴さんのルポライターらしい行動力には、感服しました。

     この作品を読んでいて心に残ったのは、排泄の失敗が多くなってきたお父様に手をやいた石川結貴さんが、ALSで日常生活全般に介護が必要な状態であるお兄様に、紙オムツの使用をすすめてほしいとお願いした場面です。お兄様は、多少汚れてしまっても自分で洗濯ができたりトイレに行けるのならもう少し様子を見てはどうか?排泄の介助を受けることは自分でもいちばん受け入れがたかったことだから…と話されたことです。ハッとさせられましたね…排泄に不安がある、時々失敗してしまうくらいで安易に、紙おむつをすすめるのはその人を傷つけてしまうということ、それを再確認できたことはよかったです。

    • かなさん
      ヒボさん、はい、読み始めました!!
      さすが、ヒボさんが「禁断の書」と言うだけのことがあります(^-^;
      というか、ちょっと一気読みは正直...
      ヒボさん、はい、読み始めました!!
      さすが、ヒボさんが「禁断の書」と言うだけのことがあります(^-^;
      というか、ちょっと一気読みは正直キツイというのもあり、
      ぼちぼち読み進めていますので、
      でも、読み切れるとは思いますよ、
      読み応え十分すぎるほどあるんで…ね!!

      図書館本はまだ返却日にはなっていないけど、
      次の予約が入っている作品って早く読まきゃって
      つい焦っちゃうんですよね(^-^;
      2024/02/02
    • ヒボさん
      焦らず、ゆっくり、楽しんで...

      ???楽しむ???
      (;-ω-)ウーン

      まぁ、ケッチャム大先生の作品を読めたら大概の作品は手に出来ます...
      焦らず、ゆっくり、楽しんで...

      ???楽しむ???
      (;-ω-)ウーン

      まぁ、ケッチャム大先生の作品を読めたら大概の作品は手に出来ますよ(笑)

      ٩( •̀ω•́ )ﻭFIGHT
      2024/02/02
    • かなさん
      ヒボさん、あはは(*^▽^*)

      は~い、ケッチャム大先生の作品、
      楽しみますっ!!その世界観を(^-^;


      頑張りますね♪あ...
      ヒボさん、あはは(*^▽^*)

      は~い、ケッチャム大先生の作品、
      楽しみますっ!!その世界観を(^-^;


      頑張りますね♪ありがとうございますっ!
      2024/02/02
  • ピンピンコロリ、なかなか難しいだろう。自分の死さえままならないのに、親の介護なんて出たこと勝負以外ない。
    この本を読む前に、小笠原医師の本を2冊読んだ。あちらを読んでなんとかなると思えたが、この本を読んで不安になると共に、勉強になり覚悟することのいくつかが浮かび上がった。
    苦しむ親を救急車呼ばずに看取れるか、インセンができるのか…。

  • 「毒親は捨ててもいい」と介護のプロが断言する理由「関わることで破滅するくらいなら、自分の人生を優先していいんです」 | お金と家族 | 文春オンライン(2023/05/04)
    https://bunshun.jp/articles/-/62445

    88歳の父が“850万円”の定期預金を解約し、外貨建て生命保険を購入していた! 気づいた娘と銀行員の攻防戦「全額の返金はできません」 | 文春オンライン(2023/08/28)
    https://bunshun.jp/articles/-/64664

    石川結貴 スマホ依存・居所不明・児童虐待の講演
    https://ishikawa-yuki.com/

    『家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで』石川結貴 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163917436

  • 全編にわたって「ほんと、そう!ほんと、それ!」
    という感じでした。次から次へと一難去ってまた一難。きれいごとでは済まないリアルが書かれていました。介護中の人、介護終わった人、きっと共感できると思います。

  • 3作続けて終末期医療や看取りがテーマのものを読んだ。(小説2、ノンフィクション1)自分自身の自宅での親の介護と看取りの経験を、今でも折にふれ何度も何度も思い返してあれでよかったのかと自問自答している。つまり死に方を見せてくれた親には感謝と尊敬しかないが介護していた自分の未熟さや傲慢さを自覚しているのでいまだに思い出として落とし込めていないから、このような本を読んでみたくなるのだと思う。この石川さんの本は本当にリアルで経験したものなら深くうなづけることばかりだった。あとがきで「亡くなった人は生きている人の中で生き続ける」とあった、よく言われることなのだがこうして書かれたものを目にすると持つべき思いを再確認できる。作中のおとうさんのエピソードで60年も前の教え子をフルネームで呼んで覚えていることを語るシーンが父と重なってうれしくなった。

  • 一人暮らしの父親を遠距離で自宅(実家)で看取った3年の筆者の記録。
    大腿骨骨折からはじまった看取りの経緯が、病院やケアマネ他関わる周囲の人々とのやりとり、それに対する父当人の反応、自分の気持ちなどが綴られる。
    単にこんなことが起こり大変だったというのではなく、死ぬということの意味、体が衰えていき死に至る過程をどこで過ごすかにより受け取れるメリットデメリットなどが率直に綴られている。
    まだ元気だが自宅で死にたい90オーバーの父を持つ自分にとって人事とは全く思えず、涙がとまらなかった。
    そして、両親のことだけでなく、自分自身もどういう最期になるのが望ましいのか考えさせられる。

  • 看取る側の立場で読み出したけど、いつのまにか看取られる側として、気をつけなくてはいけない事を頭の中でピックアップしていた。

    その時になったら、すっかりボケて忘れてるだろうけどね

    良い勉強になりました。

  • 父親を自宅(実家 遠距離)で看取ったジャーナリストの記録。人は簡単には死ねないのだなとリアルに実感した。私も80過ぎの老父、老義父を抱える身なので、とても勉強になった。

  • 『家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで』 石川結貴
    衝撃を受けた。私は綺麗事しか知らなかったと改めて実感する。
    なんとなく在宅で死にたい。それが一番幸せに違いない、親が望むならそうして欲しい、できることはするから……、と安易に考えていた。死ぬことを正面から考えるのは気が重く、恐ろしく、先延ばしにしてきた。
    それをこの本は、まざまざと現実を見せてくれた。思いもしなかった事態が次々起こり、介護や医療に翻弄される。著者の実体験を細やかに、かつ端的に描き、さらに根拠あるデータで2023年現在の問題点をあぶりだしている。

    まずは私も、介護や在宅医療、看取りに関連することを、真剣に知るということから始めようと思う。自分ごとに捉え情報収集しようと思う。

  • 今の時代家で死ぬ事は大変な事だ。終末医療、特に自宅に来てくれる医師も数少なくなっている。訪問介護のヘルパーさんもなり手も少なくなり困っている。それでいて介護を必要とする高齢者は増える一方だ。介護認定審査会がスタートした時審査委員になり審査した経験からまあ大変な家庭がある事例を知っている。介護付き老人ホームなどに入居することも考えないといけないかな。

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著者プロフィール

ジャーナリスト。家族・教育問題、児童虐待、青少年のインターネット利用などをテーマに取材。豊富な取材実績と現場感覚をもとに、多数の話題作を発表。出版のみならず新聞連載、テレビ出演、講演会など幅広く活動する。
主な著書に『スマホ廃人』(文藝春秋社)、『ルポ 居所不明児童~消えた子どもたち』(筑
摩書房)、『ルポ 子どもの無縁社会』(中央公論新社)、『子どもとスマホ~おとなの知
らない子どもの現実』(花伝社)など。日本文藝家協会会員。
公式ホームページ https://ishikawa-yuki.com/

「2018年 『人生を豊かにするスマホとの付き合い方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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