でぃすぺる

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163917498

感想・レビュー・書評

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  • 寂れた町に伝わる伝承、妖、謎が残る未解決事件…

    ミステリー要素あり、ホラー要素あり、さらに七不思議好きにはたまらない展開がたくさんあり、読む手が止まらなかった。

    ただ、その謎を解くきっかけが“小学生の掲示係が作る新聞ネタのため”っていうのが、、
    とにかくこのメイン3人がとても小学生とは思えないので、その設定を読者に忘れさせないためなのか、

    ちょいちょい、“掲示係が〜”“6年生の〜””修学旅行が〜”と小学生設定を出してくるのでその度に「あ、そうだった小学生だったこの子たち」と我に返ってしまい集中力が切れるところも多々あった。

    せめて中学3年生ならよかったかも。

    “子供たちだけで行けない場所”という設定を入れたったのか?よく分からないが、なぜ小学生設定にしたんだろう???

    でもストーリーはしっかり練られていてお話はちゃんと面白かった。

    ただ、トラックと衝突したくらいで、“作間”は消滅するのだろうか、、、汗

    ユースケ達がもう少し大きくなった頃にまた動きだしそうな気がする。
    ということで、続編はありそうだなーと!
    楽しみにしておこう^ ^

  • ジョブナイル、オカルト、ミステリそれぞれが上手い具合に融合してて面白かった
    マリ姉の死の真相はちょっと苦しかったか?そこだけ残念

  • 例えばオカルト×ミステリに興味がある方へ
    小学6年生のユースケ、サツキ、ミナは同じ掲示係として、学校に貼り出される壁新聞を作る係になった。

    元々オカルト好きのユースケは、自分らの住む「奥郷町」に伝わる七不思議を題材に壁新聞を書く予定だ。
    そしてクラスの優等生サツキは、オカルトこそ信じないが別の理由で七不思議を追っていた。

    それは自分の従姉妹であるマリ姉の死の真相を追い求めることだった。
    死んだマリ姉のパソコンから「奥郷町の七不思議」が描かれたテキストファイルが見つかり、警察が諦めたマリ姉殺害事件に関わっているのではないかと考えた。

    1つずつ七不思議に隠された謎を解いていくうちに明らかになる真相。そして次々に犠牲になる協力者たち。

    この事件の真相はオカルトか?人間による事件か?
    恐ろしくも続きが気になる、少年探偵団をも彷彿とさせるミステリ小説です!

  •  デビュー作『屍人荘の殺人』から4作目。今村昌弘さんは、初めてシリーズ作品ではない作品を刊行した。事件を追うのは3人の小学生だが、ジュブナイルかと思って読み始めると、舐めてかかっていたことに気づかされる。

     夏休み明けの2学期初日、主人公のユースケは、優等生のサツキ、転校生のミナと一緒に掲示係になった。取材して壁新聞を作成するのだが、オカルト趣味のユースケは、当然サツキと路線対立するだろうと思っていた。ところが…。

     亡くなったサツキの親戚・マリ姉が残していた、六つの怪談。七つ目を知った者は死ぬという。謎めいた援軍も得て、3人は六つの怪談について順に調べ始める。この手の作品のお約束として、3人の行動力、思考力は小学生とは思えない。

     小学生の頃、ちょっとした冒険なら誰でも経験があるだろう。そんな懐かしい空気も感じるものの、怪談一つ一つの内容は軽くはないし、町に隠された闇を示唆している。もはや小学生の手には余る気がするが、ますますやる気になる3人。

     核心に迫ると、妨害されるのがお約束。中学受験を控えたサツキの両親はいい顔をしないし、先生は壁新聞の掲示禁止を命じる。そんな中で、ユースケがミナの閉ざされた心を解きほぐすのは、数少ないほっとするシーンだ。

     はたして本格ミステリかオカルトか? 帯の麻耶雄嵩さんのコメントは、言い得て妙だろう。3人が意見を戦わせて描いてきた構図は、最後にひっくり返る。麻耶さんのように「負けた気分」とまでは言いたくないが、そう来たか。

     自分の読後感は『屍人荘の殺人』と極めて近い。あの時感じた老獪なまでのバランス感覚。今回はジュブナイルの要素まで入っているのである。寂れゆく町へ愛着が、物語の根底にあることに注目したい。だからこそ秘匿してきた。

     一件落着のような続きがあるような結末だが、聡明な3人には町の外の世界も見てほしい気がする。改めて、マリ姉のご冥福を祈りたい。

  • 面白く読んでた……はずなのに終わりが釈然としない。ミステリ×オカルトだと思っていたのに最後オカルトで塗り潰して終わるような……伏線回収できなかったところを全て邪神のせいにしているの納得いかないー!!七不思議と実際の事件が繋がっていくのどきどきしたのに、マリ姉がどうやって殺されたか解き明かして解放されるはずだったのに。
    ばたばた周りの人が殺されていくのも、それに小学生たちがドライなのも舞台装置感が強すぎる。YouTuberも可哀想だけど柴田のじいちゃん……。
    小学生設定を疑うくらいみんな賢すぎて台詞に違和感が浮かんでしまうのも残念。普通の小学生男子が「疑念の種をばら撒いたんだ」はないでしょ。壁新聞のつながりを作りたくて、スマホでの情報共有を描きたくなくて無理やり小学生に押し込んだのかな、という印象。せめて進学校の神童3人なら納得できたかも。

  • 後半は一気読み!

    でもまさかミステリーではなくホラーだったとは!しかも砂でやっつけられるとは!!
    なんだかんだで井戸の水が汚染されてて、それを隠蔽しててっていうストーリーを想像してたので
    まさかの展開。

    七不思議の謎を解いていくのはすごく面白かった。

    山姥村の終わらない葬式の話、
    「こんばんは。なずてからきました」
    というゾッとするセリフ
    魔女がなずての会のメンバーだった!!?
    などすごく惹き付けられる場面がたくさんあり、読むのが止められなかった。

    小学生3人のキャラクターも際立っていて素敵。

    中学生になったらどうなっていくのかな。
    また違う謎にも3人で立ち向かって欲しい!!

  • 主人公は奥郷町に住む小学六年生の木島悠介。怪談話やオカルト好きで結構詳しく、自分が仲間内でアピールするならそこだと思っている(それ以外は普通)。二学期の委員決めでいつも委員長をやる波多野沙月(頭もいいし運動もできる)がなぜか悠介が立候補した壁新聞係になるという。当日欠席していた目立たない転校生畑美奈もそこに加えられ、三人は壁新聞のネタとしてそれぞれの事情を抱えながら(悠介は単純に目立ちたい)町の七不思議について調べ始める。
    "ノックスの十戒"つまりミステリーにうるさい人が考えた基準か。
    ぶぶーっ、セルフつっこみ?面白。序盤でこれでもかこれでもかと展開があり、飽きさせませんでした。殺人事件があるので小学校は微妙ライン。エロやグロはないです。中高生には★5、ミステリー読みには★4でしょうか。好みが分かれる本です。怪談やホラーが基調になるので、怖い話苦手な人はNG。
    ルビ付きで児童向け文庫だしてくれないかな。今村昌弘さんの本は高学年~中学生にとても受けると思います。

  • 3人の小学生は壁新聞作成のため、6つの怪談に隠された秘密を追う
    不審な死が続く村の邪神は、一部の大人だけが知っていた
    ひた隠しにされた真実に迫る少年記者達に迫る危機がサスペンス感をかきたてる。

  • 壁新聞を作ることになった小学六年生の3人がとても魅力的なキャラで描かれており一気にその世界へ没入。
    一緒に推理しているような気持ちにもなった。
    オカルト?ミステリー?ファンタジー??
    色んな要素が入った作品。
    王様のブランチでミステリー作家の呉先生が激推ししてたのが購入のきっかけだったけど、後悔しない作品でした。面白かったー!

  • 今村昌弘のでぃすぺるを読みました。
    小学6年のユースケとサツキとミナ。
    オカルトに興味のあるユースケと美少女のサツキと目立たないミナが掲示板係になりました。
    ユースケは掲示板で街の七不思議を取り上げて人気を取ろうと。
    サツキは従姉妹のサヤ姉が公園で刺されて不審な死の解明を、ミナはジャッジ役。
    中盤までは、あまり乗らかなったのですが、終盤はどんでん返しもあり面白かったです。

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著者プロフィール

1985年長崎県生まれ。岡山大学卒。2017年『屍人荘の殺人』で第27回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は『このミステリーがすごい!』、〈週刊文春〉ミステリーベスト10、『本格ミステリ・ベスト10』で第1位を獲得し、第18回本格ミステリ大賞[小説部門]を受賞、第15回本屋大賞第3位に選出。映画化、コミカライズもされた。シリーズ第2弾『魔眼の匣の殺人』も各ミステリランキングベスト3に連続ランクイン。2021年、テレビドラマ『ネメシス』に脚本協力として参加。いま最も注目される期待の俊英。

「2021年 『兇人邸の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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