でぃすぺる

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 185
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163917498

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーとオカルトの要素が上手く融合されています。各キャラクターの描写も丁寧で魅力的です。
    各章の初めにカレンダーが載っているのもいいですね。
    壁新聞とか運動会のシーンとか読んでいたら、自分が小学生の頃を思い出しました。
    続編はないんですかね?読みたいです。

  • 面白い、読後感最高。児童書にありがちな子供が非日常に巻き込まれる物語として進んでいくけど、その中で、子供たちの推理が行われていく。
    読んでいると童心に帰るようなワクワクがありつつ、推理もの、ミステリとしても読みやすい。
    暗黙の了解とされがちなミステリのルールを設定していて、わかりやすい。
    そして、推理を暴かれる側から見てみると真相は…
    ミステリとホラーの見事な融合!

  • ゲームをたしなむ人にはなじみの深い言葉のようだ。
    「ディスペル」あるいは「デスペル」
    何かを霧散させる、消滅させる、追い払う、こと…いったい、何を。
    この「何」かを追い払うために活躍するのが小学六年生の三人。物語はクラスの掲示板係として壁新聞を作るところから始まる。
    あの今村さんが微笑ましいジュブナイル小説を書いたのか?なんてワケがない。
    オカルト記事を書きたいユースケ、従姉の死の謎を常識と理論で解き明かそうとする優等生サツキ、二人の意見を「ミステリ脳」で客観的に判断する役目のミナ。このバランスがいいね。
    小学生の知識や行動範囲で解決できる「オカルト的ミステリ」なのかと思いきや!!!
    いやぁ、どんどん加速する謎解きに目が離せないね。本格ミステリですよ、これは。面白かった。
    でも、一点、どうしても受け入れがたい部分も。そもそもの話なので詳細は書かないけど、他に手はなかったのか、と、いうね。

  • エンタメの見本みたいな小説だな、と思いました。

    思うところがないわけではありませんが、大変面白く読めました。

    ジュヴナイル小説でもあると思うので、小中学校の図書室に置いてあれば楽しめる生徒さんたちもいるのではないかな、と思います。

    今村さん、おそらく作品の対象年齢の方々へ向けて文体を合わせていますよね。
    それにその年代の方々への共感性も兼ね備えていますし。
    そのあたりも巧い作家さんだな、と思います。

  • はじめて読む今村さんの作品。なかなか面白かった。
    主人公は小学生だけれど、あんまり子どもらしい感じはなくて、中学生くらいの設定にしておいたほうがリアルだったかも。
    主人公3人のグループが、大学生の死んだ従姉が残したコンピューターに残った6つの怪談に隠された謎をといていくのだけれど、情報が増えていくにしたがって、どんどん謎が複雑にからみあっていき、でもそれをうまい塩梅で整理され解きほぐされて、最後に謎ときにいたる具合がとても良かった。シリーズ作品ではないので、超常現象が起こりうる世界観なのか、それとも一見オカルトっぽい現象を合理的に解釈していく話なのか、その揺れ具合も楽しめた。

  • 小学生が村に伝わる七つの言い伝えを基に事件を解決するという展開は面白い設定だと思う。
    ところが、最終局面においては最初の勢いが尻すぼみになった気がしたのは私だけか。
    最後の最後でハシゴを外される顛末はいただけない。

  • この作者恐るべし。
    1つの事件をきっかけに結託する3人の小学生。
    果たしてただの殺人事件なのか、幽霊の仕業なのか。
    様々な陰謀が交錯しあい、次第に真実が明かされていく。
    と、ここまではよくある展開なのだが他の作品にはない要素が1つ。
    それはズバリ作者が今村昌弘氏であるということ。
    きっとこの作品を読んでいる人のほとんどが剣崎比留子シリーズを読んでいることと思う。
    であればこの作者が書くミステリといえば、きっと前作品のような非現実的な要素が散りばめているに違いない、と思うだろう。(少なくとも自分はそうでした)
    読了後、思えば自分はこの気持ちすら作者に想定されていたのだろうと酷く悔しい気持ちになった。
    本当に最後の最後まで展開がわからない、ミステリを超越した作品だと思う。
    伏線も随所に散りばめられていてミステリとしても完成度も高い。
    ぜひ実際手にとって作者に翻弄されてほしい。

  • 今村昌弘さんの新作。待ちに待ってました。

    七不思議を解く、
    小学生たちのひと夏を描いた青春ミステリ。

    と思いきや、かなり重いドロドロとした話で、
    衝撃のオカルト的な展開でびっくりしました。

    というのも、作品に登場する七不思議が緻密に構成されており、
    いかにもありそうな怪談話に仕上がっています。

    稲川淳二さんが「なんか怖いなーー」と
    七不思議を紹介しても問題ないレベルですね。

    また、小学生目線の描写が表現豊かに感じました。

    六年生最後でたまたま掲示係で主人公3人は仲良くなりますが、
    いずれ訪れる別れの切なさ、大人へのあきらめの気持ち、
    中学生になる期待、そんな心情も描ききってますね。

    少し大人びた考えをしすぎかなとは思いましたが、
    作品にする以上は許容範囲だと思います。

    ちなみに、タイトルの『でぃすぺる』
    意味は「払いのける」、いかにもですね。

  • また物語があることに期待

  • ジュブナイル✕オカルトミステリ
    小学生の男女3人が掲示係になり、壁新聞を作る為に町の七不思議を追っていくという内容で、このプロットを聞いてワクワクした人には間違いなくオススメできる。
    小学生だけで捜査するのがいかに難しいかというのが伝わって来るし、それを打開する為に色々工夫しているのがとても面白かった。

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著者プロフィール

1985年長崎県生まれ。岡山大学卒。2017年『屍人荘の殺人』で第27回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は『このミステリーがすごい!』、〈週刊文春〉ミステリーベスト10、『本格ミステリ・ベスト10』で第1位を獲得し、第18回本格ミステリ大賞[小説部門]を受賞、第15回本屋大賞第3位に選出。映画化、コミカライズもされた。シリーズ第2弾『魔眼の匣の殺人』も各ミステリランキングベスト3に連続ランクイン。2021年、テレビドラマ『ネメシス』に脚本協力として参加。いま最も注目される期待の俊英。

「2021年 『兇人邸の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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