- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166601776
感想・レビュー・書評
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http://www-lib.fmu.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&annex=all&isbn=4166601776詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルの疑問文の答えは、「No」である。怖いのは放射能ではなく放射線(衒学的かもしれないが事実だ)。放射能=radioactivity を放射性と訳してくれれば、だいぶ誤用も減っていただろうと著者は言うが、まさにその通りなので悔やまれる(ちなみに中国語ではちゃんと「放射性」と訳している)。
電子や陽子というレベルの飛翔物が、分子や細胞のような大きな存在にどうやって影響を与えるかという、ずっと抱いていた疑問がすっきり解けた。またその後のDNA の自己修復についての解説もあり、生物に仕込まれたこの素晴らしい仕組みには、ちょっとした感動すら覚える。本書は、東海村の臨界事故('99)の2年後に発行された本なので、3.11や福島第一の話は出てこない。しかし、確定的影響と確率的影響の話や集団線量の話など、今現在、メディアで見聞きする話題は概ねカバーされているように思える。福島関連の余計なノイズやバイアスが含まれないので、逆に冷静に読むことができたかもしれない。このご時世に読んでおいて損はない一冊であるのは間違いない。
過去の事故・被害の事例が紹介されていて、チェルノブイリを含めても意外にも死者数は2桁台に留まっているそうだ(広島・長崎は事故ではないので除く)。もし本書の改版があれば、事故事例の紙面に大きな追加がなされるのは間違いなく悲しいことだが、いまのところ、死者数の増加は改版後も変わらなそうなのが不幸中の幸いだ。 -
4166601776 237p 2001・6・20 1刷