目撃アメリカ崩壊 (文春新書 225)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166602254

作品紹介・あらすじ

不安に満ちた21世紀の扉を無理やりこじ開けたような同時多発テロ。あの朝からアメリカは、アメリカ人は、どのように変わったのだろうか。ハイジャックされた航空機が突入した世界貿易センタービルから数百メートルのところに住んでいる青木冨貴子は、事件直後、現場めがけて飛ぶように走った。そこで、そしてそれから見た光景、嗅いだ匂い、聞いた音、記憶の残るひとびとの声、表情。テレビの画像では絶対に分からない感動的な記録がここにある。

感想・レビュー・書評

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  • フックいとう2017.7.10 100円

  • アメリカ同時多発テロから今年で14年となる。これだけの時間が経っても、
    あの日の夜にテレビを通じて目にした映像は鮮明に覚えている。

    旅客機が突っ込んだ世界貿易センターのふたつのビルが煙を上げ、
    そのうちに崩壊して行った。

    著者の青木冨貴子氏は、夫で作家のピート・ハミルと共に世界貿易
    センターから数百メートル離れたアパートで暮らしていた。

    2001年9月11日の朝、アパートに車でも突っ込んだのかと思うくらい
    の大きな音で著者は目が覚める。外出先からアパートに戻った夫・
    ピートが玄関先で叫ぶ。「ワールドトレードセンターにジェット機が
    ぶつかった!」。

    それは2機目の旅客機が南タワーに突入した音だった。

    ピート・ハミルと共に現場に駆け付けた著者は見た。タワーから落ちる
    人と、南タワーの崩壊を。

    グランド・ゼロ。同時多発テロ後にそう呼ばれることになったテロの現場
    の間近から、事件発生からの1週間をレポートした本書は現場に近い
    場所だけに臨場感に溢れている。

    同じアパートに住み、世界貿易センターに職場を持ち、そこからどう
    にか逃れられたビジネスマン。近くの小学校で子供を遊ばせていた
    母親等。それぞれの「その時」の証言も収められている。

    自宅で報道を見ながらふたつのタワーに取り残された人たちを心配
    する著者。その一方で子ブッシュ大統領に対する目はかなり辛辣だ。
    「誰かが書いた原稿を棒読みしている」なんて、きっついわぁ。

    初めてのアメリカ本土へのテロ攻撃は、アメリカを「それ以前」のアメリカ
    とは別の国にした。あのテロ事件以前もアメリカは世界の警察だった
    けれど、世界唯一の大国は世界で一番、テロに脅える国になった。

    アメリカ同時多発テロに関しては関連書籍がいくつもあるが、現場を知る
    者にしか書けない事件後の日々の情景が描かれている良書だ。

  • 911テロを至近距離で体験した青木氏の記録。

  • [ 内容 ]
    不安に満ちた21世紀の扉を無理やりこじ開けたような同時多発テロ。
    あの朝からアメリカは、アメリカ人は、どのように変わったのだろうか。
    ハイジャックされた航空機が突入した世界貿易センタービルから数百メートルのところに住んでいる青木冨貴子は、事件直後、現場めがけて飛ぶように走った。
    そこで、そしてそれから見た光景、嗅いだ匂い、聞いた音、記憶の残るひとびとの声、表情。テレビの画像では絶対に分からない感動的な記録がここにある。

    [ 目次 ]
    第1章 9月11日(火曜日)・朝9時3分
    第2章 9月11日午後・これはもう戦争状態
    第3章 9月11日夜・現場近くは“核の冬”
    第4章 9月12日(水曜日)・グラウンドゼロ取材
    第5章 9月13日(木曜日)・市内は爆弾予告でいっぱい
    第6章 9月14日(金曜日)・初めて解放区へ
    第7章 9月15日(土曜日)・行方不明の人びとのポスター
    第8章 9月16日(日曜日)・再びグラウンドゼロへ
    第9章 9月17日(月曜日)・ウオール街の再開
    第10章 9月18日(火曜日)・あれから一週間

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 416660225x 194p 2001・11・10 1刷

  • (2005.07.18読了)(2005.01.08購入)
    イギリスのロンドンで、アルカイダ主導と見られる自爆テロ事件が起こった。爆弾製造にかかわったと思われる人物は、エジプト人という。自爆テロの犯人たちは、パキスタンにいって教育を受けてきたらしい。パキスタンでも捜査が開始された。
    7月23日、エジプトの保養地シャルムエルシャイクで、爆弾テロが行われ、ホテルが吹っ飛ばされた。ここに近い保養地タバでは、以前イスラエル観光客を狙ったテロが行われたことがある。

    この本は、2001年9月11日のアメリカのワールドトレードセンターへの飛行機によるテロの時の話である。著者は、ワールドトレードセンターの近くに住んでおり、主人が、ジャーナリストなので、現場近くまで行ってワールドトレードセンターの崩壊を目撃している。ビルが崩れ落ちてきた時、夢中で走ったので、主人を置いてきてしまったというのは、ちょっと笑えない。
    あの日は、NHKニュースが始まったら、ワールドトレードセンターが煙を上げている映像が写った。何が起こったのかと見ていると、飛行機が飛んできて、ビルに衝突した。生中継で、飛行機による自爆テロを見てしまった。これが二機目の自爆テロだった。ペンタゴンにも突っ込んだとか。1時間ほどあとには、ワールドトレードセンターが崩壊してしまった。崩壊してしまうなど想像していなかったので、非常な驚きだった。崩壊するまでに避難できた人もいるし、避難が間に合わず死亡してしまった人たちもいる。多くの消防士もなくなった。1993年、イスラム過激派が、爆弾を積み込んだトラックで突っ込み、多くの犠牲者を出した。それを覚えていたので、飛行機が突っ込むのを見て、イスラム過激派の仕業に違いないと思ったのだが、やはりそうだった。

    ●「ワシントン・ポスト」のモノクロ写真
    「望遠レンズは北タワーの窓から身を乗り出している人びとの姿を写し出しているのだった。それも、たくさんの人が鈴なりのように外壁にすがりつき、ほとんど飛び降りんばかりの姿勢でいる。灰色の煙が太い筋となって左右を貫いている。外壁から手を離した瞬間のように見える人もいる。」(ビルの下にいて落ちてくる人が直撃し、死亡した人もいる。)
    ●9月13日 瓦礫の下で生きている
    「どうも、瓦礫の下で10名ほど生き残っているらしい。ある女性が消防士に声をかけてきて、夫が瓦礫のしたから携帯電話をかけてきたというんだ。他の9名も一緒らしい。救急隊もすっかり元気が出て、この天候の中で徹夜で捜索に励むそうだよ」
    ●9月14日 うそ
    「瓦礫の下で夫が電話してきたって大騒ぎしたあの女性、結局、すべてでたらめだったんですって。」彼女はその場で逮捕されたという。
    ●アフガニスタン
    「人口の25%は餓死寸前、農民は遊動民になって、水と草を探して歩き回っている。電話は2600万人の人口に対したった31200台、国際電話が繋がる国はイランのみ。新聞はタリバンによってコントロールされ、読み書きできるのはたった31.5%。」
    ●日本人
    みずほキャピタル・マーケッツは、80階にあった。トップ4人が行方不明。その4人が140名の従業員の誘導に当たったので、何人もの人が彼らに助けられたと語っている。

    著者 青木 冨貴子
    1948年 東京生まれ
    成城大学経済学部卒業
    1984年 渡米
    1987年 作家ピート・ハミルと結婚

    (「BOOK」データベースより)amazon
    不安に満ちた21世紀の扉を無理やりこじ開けたような同時多発テロ。あの朝からアメリカは、アメリカ人は、どのように変わったのだろうか。ハイジャックされた航空機が突入した世界貿易センタービルから数百メートルのところに住んでいる青木冨貴子は、事件直後、現場めがけて飛ぶように走った。そこで、そしてそれから見た光景、嗅いだ匂い、聞いた音、記憶の残るひとびとの声、表情。テレビの画像では絶対に分からない感動的な記録がここにある。

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