森と庭園の英国史 (文春新書 266)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166602667

作品紹介・あらすじ

カントリーサイドに住み、庭いじりにいそしむ。田舎に住まないまでもカントリー・ウォーキングやガーデニングを楽しみ、丹精した庭を開放したり私有地に遊歩道を設けるなど、自然と遊ぶ術に長けたイギリス人-『ピーターラビットのおはなし』刊行から百年を経た今、英国庭園の成り立ち、プラントハンターの活躍、カントリーサイドの景観に欠かせない森や兎、ジェントルマンと狩りの関係などを通して、イギリスの田舎はなぜ"絵"になるのかを探る。

感想・レビュー・書評

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  • ガーデニングの歴史と言うよりも、英国のカントリーサイドの歴史変遷がメインに感ずる読後感。

  • w

  • (*01)
    日本におけるガーデニングやイングリッシュガーデンの流行や流通はこの20年ぐらいだろうか。こうした庭園趣味の源流のひとつとして近代英国の野外史(*02)に焦点をあてている。ガーデン、パーク、フォレストのそれぞれが記号内容を変えながら英国の社会に小さくない文化を築いてきた様子が、概括として呑み込めるほどのサイズにまとめられている。特にそれぞれの場に関わるアクション、すなわちハンティングやプラントハンティングも含め、ゲームやスポーツも合わせ論じられている点で精彩を放っている。庭園史にはお馴染みのウィリアム・ケントやケイパビリティ・ブラウンの名も見え、彼らのやや山師めいた社会的布置まで読めるのが嬉しい。

    (*02)
    野外素材としての植物や動物にも注目し、素材がどのように経済にさらされてきたか、国内外のフィールドに帝国として干渉し、素材の育成や増殖を管理しながら、貴重種とその経済的価値を生み出してきたかといった事情も読める。

  • [ 内容 ]
    カントリーサイドに住み、庭いじりにいそしむ。
    田舎に住まないまでもカントリー・ウォーキングやガーデニングを楽しみ、丹精した庭を開放したり私有地に遊歩道を設けるなど、自然と遊ぶ術に長けたイギリス人―『ピーターラビットのおはなし』刊行から百年を経た今、英国庭園の成り立ち、プラントハンターの活躍、カントリーサイドの景観に欠かせない森や兎、ジェントルマンと狩りの関係などを通して、イギリスの田舎はなぜ“絵”になるのかを探る。

    [ 目次 ]
    第1章 英国庭園のルーツ(「庭師」イギリス人;オレンジとチューリップ ほか)
    第2章 植物の狩人物語(花をたずねて三千里;キュー植物園の父 ほか)
    第3章 森と兎のいる風景(フォレストとウッド;ブリテン島の兎たち ほか)
    第4章 ジェントルマンと狩り(ジェントルマンとは何か;狐狩りと競馬の隆盛 ほか)

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    [ 参考となる書評 ]

  • すごく・・、プラントハンターです・・・。

    基本的にイギリスのアッパークラスのお話。
    トピックがたくさんあって、笑えたり感心したり。
    野兎の足にどんだけ執着してんだとつっこんだり。
    ウィリアムという人名がたくさん出てくるので少し混乱(笑)

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著者プロフィール

1953年宮城県に生まれる。早稲田大学教育学部卒業,明治大学大学院文学研究科西洋史学専攻博士後期課程単位取得満期退学。
東北公益文科大学名誉教授。

「2022年 『ロビン・フッドの森』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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