- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166607020
作品紹介・あらすじ
しんにょうの点は一つか二つか、新しい漢字を創作することはできるのか?小学生から戦前の教育を受けた御老人まで、日ごろの疑問に漢字の権威が責任を持ってお答えします。
感想・レビュー・書評
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
普段であれば気にすることのない漢字の疑問を丁寧にわかりやすく説明してくれている。この本を読んで感じたことは漢字は中国で誕生した文字だけど、日本に入ってから色々と変化しているのだということが分かる内容だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
雑学としての切り口から、雑学を越えてより深い領域へと話を進める手法がお見事。
するすると読めて、ほぉー、なるほどなぁ、という気持ちのいい驚きを味わえた。
あと、JISの問題をきちんと取り上げてたのにちょっと驚いた。
漢字の表記については、ぶっちゃけ細かいことと言っちゃえばそれまでだとは思う。
けれど、そういう「細かい」ことの積み重ねこそ、言葉というものの本質であるのもまた事実だと思う。
本来の意味や形式を損なわない、「形」としての漢字が持つ意味を大事にしていかなきゃいけないよな、と。
コンピュータのIMはこれからもどんどん進化していくのだから、もう標準という概念自体、取っ払っても良いんじゃないかなと思う。
漢字に纏わるいろいろな知識が横断的に披露されていて、ほんとに面白かった。 -
漢字に関する素朴な疑問に真正面から立ち向かった一冊。
この手の本ってコドモダマシ的な手法に陥ることが多いのですが、そこは阿辻先生、全力で対応をしてくれています。
真偽のよくわからないような「漢字トリビア」本とは違い、プライドをかけて考察している感が出ています。
ただそのぶん、やや専門に偏る部分は出てきます。
そのため、例えば文学部系でない人なんかにはわかりづらいところもあるかもしれませんな。
なんだろうな、子どもの疑問に答えてくれる本なんだけど、絶対子どもは読めない、みたいな。
よく「広く浅く」って言いますけど、この本は「広くちょっと深く」って感じ。
でも、最後らへんが中国の話に偏ってしまったために、ちょっと失速気味なのは残念だ。
小中学校に限らず、塾なんかでも国語を教えている先生は一読してもいいかも。
サクッと読める本ですし。
あ、あと文章がめちゃくちゃわかりやすい!
しかも、話の展開がスッゲーうまい!!
こういった説明的文章でも伏線とか張れるんだーって感激☆
【目次】
動物を表す漢字
「たかはし」さんの字形
しんにょうの点の数
漢字はいつできたか
なぜ「漢字」というのか
もっとも画数が多い漢字
いちばん新しい漢字
部首はどう決めたか
虫ではないのにムシヘンとは
「コザト」と「オオザト」
「福」をさかさまに貼ると
「屁」はなぜ《不》でなく《比》なのか
あとがき -
ちょっと脱線が多いというか、一つ一つのテーマに親切なのはわかりますが、もう少しコンパクトにまとめて、そのぶん項目を増やして欲しかったと思います。
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09/7/11
しんにょうの点は1つか2つか、新しい漢字を創作することはできるのか? 小学生から戦前の教育を受けた御老人まで、日ごろの疑問に漢字の権威が責任を持って答える書。