日本復活5カ年計画 列島強靭化論 (文春新書 809)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608096

作品紹介・あらすじ

未曾有の国家的危機に見舞われた日本。東日本の「ふるさと再生」のために何をすべきか。地震や津波に負けない強くてしなやかな国土をいかに作り上げるか-。復興、防災、から財源、デフレ脱出までの日本版ニューディール。

感想・レビュー・書評

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  • この国の抱えている課題と、それをどうやって克服していくかについて書かれた一冊。読んだ順番が悪かったかもしれませんが、この手の本は何冊か読んでいたこともあって真新しさもなくサクッと読めました。共感したところは「住民と行政どちらもの歩み寄りがまちづくりには必要で、それは時間を経て境界線をあいまいなものにしていく。だからまちづくりがうまくいっているところは境界がよくわからない状態になっている」という点。まちづくりに限らず、仕事もそうだし、仲間同士の付き合いにだって同じことが言えて相手の職域にも必要と感じればアドバイスとかフィードバックはした方がいいと思うし、一緒にやっている雰囲気をつくることも必要かなと思いました。

  •  現政権の内閣官房参与で、公共事業の復活を「国土強靭化」と称して進めている施策のブレーンである藤井聡の著書。
     民主党からは「公共事業の復活だ」との批判が出ているが、必要な公共事業はきちんと予算化して進めるべきだし、とりわけ、高度経済成長期につくられた社会インフラの更新・長寿命化はまったなしのアジェンダだ。
     東日本大震災を経験した私たちが、次の自然災害にどう立ち向かうのか、その方向性を示している。やや乱暴な書きっぷりはあるけれども、少なくとも自然界のパワーに打ち勝てる位に強靭な国土をつくろうというのが「国土強靭化計画」ではないことは分かるだろう。

  • 交通行動分析が専門(だったはず)の著者が国土計画的な観点から政策を検討した本である。

  • 帯に大きく「アベノミクスの教科書」とある。おそらく終章の「暗い未来」の項がそうだろう。
    常識的な視点で書かれた提言集であると同時に、筆運びを通じて、鬼気迫る震災直後の社会状況の変遷が伝わる貴重な記録でもあると思う。

  • 土木を専門とする学者の方が経済政策についても踏み込んだ主張をされており、大変興味深く読むことができました。
    何より必要な投資を長期的な計画をもって実行していってもらいたいというのが、多くの国民の意見なのではないだろうか。

  • 全総だ重点整備だと色々と計画はある。でも、真に必要な計画は、これからどうあるべきかの体制を表現したものだと思う。今一度、TVでなく自分の感覚で判断すべきです。

  • 過去の歴史を振り返れば東北大震災はほぼ確実に起こることが予見できていたこと。また、同様に今後10年の間に場所を変え大地震が起きる可能性が極めて高いこと。4つのプレートが集める日本では世界の大地震の2割が起きていること。驚愕の事実にのっけから震え上がらされる。しかしながら、どこにいようが地震が起きるのであればそれをしっかり受け止めて備える積極的な生き方も示している。藤井式経済復興案、船中八策、いずれもなかなか意欲的な提案であった。

  • 序章 “強靭”な精神をもつ日本人

    第一章 「巨大地震」は、すぐまた起こる
    (東日本大震災を受けた我が国は今、どういう状況に置かれているのかを俯瞰的な視点から論じる)

    第二章 東日本の「ふるさと再生」
    (「東日本」が復活するためには、どのような対策が求められているのか)

    第三章 日本経済の復活
    (大震災によって大きな被害を受けた「日本経済」そのものが復活するためには何が必要とされているのか)

    第四章 「列島強靭化」のための八策
    1.「防災・減災」のためのインフラ対策を
    2.「リスク・コミュニケーション」の推進を
    3.「地域共同体/コミュニティ」の維持と活性化を/
    公共政策全般における、「効率性」から「強靭性」への方向転換を
    4.「有事」に備えた「強靭なエネルギー・システム」の構築を
    5.企業・工場の「BCP(ビジネス・コミュニティ・プラン/事業継続計画)」の策定を義務化すべし
    6.「有事」の際の「救援・復旧対策」を事前想定すべし
    7.日本全体の「経済力」の維持・拡大に努めるべし
    8.「強靭な国土」の実現を/
    「国会等の移転に関する法律」等を踏まえ、首都機能の分散化を/列島強靭化を企図した「国土計画論」を再び議論すべし

  • 東日本大震災の直後に書かれた、救国提言の書。

    今、何よりも優先して行うべき、東北の復興。

    それを正しく迅速に行うことによる、日本全体の復興、そして発生が確実視される関東、東海、南海大震災への備え。

    愛と情熱と、確かな現実認識、対応策。

    感動と納得の1冊です。この本に書かれていることが1つでも多く実行されることを切に望みます。

  • 内容は、私たち幸福実現党とほぼ同じのように思いました。参議院においても公聴会で証言を行っていましたが、この方の主張通り、今必要なのは、東日本復興のための大規模な公共事業であり、繁栄へのビジョンであります。

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著者プロフィール

京都大学大学院工学研究科教授、1968年生。

京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員、東京工業大学教授等を経て現職。

2012年から2018年まで安倍内閣・内閣官房参与としてアベノミクス、国土強靱化等の政策アドヴァイスを担当。

2018年より保守思想誌・『表現者クライテリオン』編集長。


「2024年 『「西部邁」を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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