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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784166608355
みんなの感想まとめ
歴史の深層に迫るこの作品は、平清盛という人物の多面的な魅力を描き出しています。大河ドラマ『平清盛』の時代考証を担当した著者が、清盛の実像を探求し、彼が武士政権の先駆者であったことを明らかにします。清盛...
感想・レビュー・書評
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大河ドラマ平清盛の時代考証その2を担当して~平清盛は白河上皇の落胤であったというのは,上杉謙信は女性であったというのと同じで,云ったもん勝ち。可能性は0でないから,なるほどね。平清盛は武家なのか公家なのかというと,武家だろう。権門態勢を打ち破って出世し,公家でなければ上れない地位に達した。それを見て学んだ源頼朝が完成させた幕府体制だが,幕府という概念自体は江戸中期に成り立つのであって,貴族支配を打ち破った武士のパイオニアは平清盛だった。では平家幕府はいつ成立したかというと,六波羅ではなく福原だろう。福原遷都以降,平家一門の実効支配を王家も公家も追認せざるを得なかったからだ~面白い人だ。「たてまえ」か「なかみ」か,というと「なかみ」だろうと。ドラマで上皇の息子であったとされると常識として定着する可能性がある。時代考証その1は高橋昌明で1960年生まれの本郷氏からすると15歳も上の人。セカンドオピニオンとして採用された新感覚を買われたのだろう。主流に成り得ていないのが痛々しい
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<p>今年の大河ドラマは視る気が微塵も起きなかったけど、来年の『平清盛』は今のところ視てみようかなという気になってます。<br />その予習も兼ねて、ということで手に取りました。<br />著者の本郷氏は、来年の大河の時代考証を務めている学者さんです。<br />『平清盛』の時代考証は2名が務めているそうで、本郷氏はセカンダリ。<br />プライマリ時代考証役の高橋昌明氏とは見解を異にする部分もあるらしく、そのあたりの裏話も本著の中で少し紹介されたりもします。<br />そのへんも含めて、系統だった歴史書というよりもエッセイっぽく書かれている感じです。<br /><br />著者は、歴史を叙述する際の手順を以下の4つの位相で考えているとのこと。<br /> 1.史実(歴史事実)<br /> 2.史像(歴史像)<br /> 3.史論(歴史理論)<br /> 4.史観(歴史観)<br />このへんはなるほどなーと思わされました(十分に消化はできてないけど)。<br /><br />大河ドラマの中でも大きなクライマックスになるであろう保元・平治の乱。<br />大学入試で日本史を学んで以来、すっかり忘れてしまってましたが、記憶が甦りました。<br />皇室・貴族・武士が二手に分かれ、血族同士が争い滅ぼし合った大内乱。<br />本著では、次のように評されます(第6章)。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><span style="color: #000080;">保元の乱を語る際、「AとBが対立している、CとDが手を組んだ、Eがいつ、こんな行動に出て、Fはこれに対抗してこう動いた」と説明がされる。それは歴史を実証的に認識するために大切なことです。けれども、そうした小さな史実を漠然と積み重ねるだけで、史像が自然と形成されるわけではない。<br /><br />ここで何に注目すべきかと言えば、それまでは陰謀とか暗躍とか、外の人間にはまるで分からぬ所謂「コップの中の嵐」として行われていた宮中の権力抗争が、「武力を駆使しての戦闘」という、誰の目にも明確なかたちで解決された、ということ。軍事力が政治をドラスティックに変革する時代が到来したのだ、ということです。これこそが平安時代末、朝廷の政治における史像になり得るのです。</span></p>
<p>ここで書かれていることこそが、この本が示唆している最大のポイントだと思います。<br />この後、七百年にわたり続くことになる「武士の時代」の端緒となるエポックメイカーとしての平清盛。<br />大河ドラマが楽しみになってきました。</p> -
清盛個人、と言うよりは大河ドラマ「平清盛」の舞台裏の話という感じでしょうか。史実と史像についての考え方や解釈、ドラマを作る上で史実とフィクションをどう生かさねばならないか、そういったお話が多めです。もちろんその上で清盛の説明や色んな学説の紹介、当時の時代背景や考え方などの説明もあり、これを読んだ上で大河を見ればきっと面白さが増すと思いました(早く大河借りて見ないと…)。自分の中で「清盛は誰の子供なのか」と言うモヤモヤは常にあった気がしたのですが、この本を読んで「それ程気にすることでもないかもしれない」とモヤモヤが晴れた気がしました、そんな角度からも説明をしてくれるので有り難いです。コレを読んで思ったのは…清盛云々よりも、ひとつの歴史を知ると言うことはとても大変な作業なのだということでした。古い資料の難しい字と言葉を読み、解釈し、その為に知っておかねばならない予備知識、今とは違う常識や価値観、自分の主観、想像、それと事実。例えば教科書に当たり前のように載っていることでも、この「当たり前」が出来るまでに大変時間がかかり、またそれは必ずしも「事実」ではなく「流動する」「変化する」ものなのだなぁと思いました。学者さんによって解釈や考え方も違いますし、なかなかに大変なお仕事なのね…とも。歴史そのものを「そのまま知る」と言うことは、難しすぎることなんですね… と、清盛の発見以上にそういった面での収穫が大きかった一冊でした。この方の授業を是非聞いてみたい!
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官職や人物関係が時おり難しかったが、勉強になった。
歴史の「たてまえとなかみ」か〜。源平の覇権争いとは、各地の武士が自立を目指した内乱だと。
なるほどね〜。 -
大河ドラマ「平清盛」の時代考証担当による、院政期から中世に至る歴史像を提示した評論エッセイ。
清盛の人物評伝に留まらず、怒涛の過渡期の真髄とダイナミズムを感じさせつつ、気軽に読める歴史読本。
故実に固執し限られた枠内での出世競争に明け暮れる廟堂を、巧みに泳ぎながら武士による新たな統治形態を切り開いた、先駆者たる清盛の凄さを改めて感じさせる。
もう一人の考証担当・高橋昌明氏との見解の相違は、アカデミズムにおける真摯な議論として興味深く、“平家幕府”の検証も懇切で面白い。
何より、巷に流布する“源平の戦い”なるものは単なる二氏族間の覇権争いではなく、地方の在地領主=武士たちが己の権益を守る術を学んだ上で、朝廷の統治機構に仕掛けた独立戦争であるということはもっと強調されて良い。
テレビドラマにおける時代考証の役割と限界も、業界裏話として新鮮に聞ける。 -
大河ドラマ「平清盛」の時代考証をした学者が語る平清盛とは。
平家は武士であり、天皇や貴族から武士へ政治の中心を移行する先駆けとなったという大河「平清盛」での平清盛観が改めて語られている。大河ドラマファンにとっては清盛を再体験できる一冊。 -
一般向けで読み易い。
2012年の大河ドラマの制作過程の裏話、もう一方の時代考証である高橋氏との論の違い等を、分かりやすく書いています。
基本的に
(1)清盛はあくまで"武士"である。
(2)治承・天慶の乱:武士の武力が一目置かれる画期。
「福原幕府」:武士が武力を用いて朝廷を制圧。「自立」。
(3)従来の朝廷のシステムをそのまま用いた政権運営を、清盛は行う。
この3つが主張のポイントだと読み取れました。
著者が「史像」を描き直そうとした一冊。 -
大河が一週お休みだなんて、朕は待ちきれぬ。だから仕方なく大河の時代考証の人の著書で埋め合わせ。
前半の、史実とフィクションでどう折り合いをつけるか、時代考証の仕事の内容はおもしろく読めた。ほんの一部垣間見せてくれただけだけど。
歴史をリスペクトしながら破綻のない物語になるように、かつ魅せるドラマを創るためには、結構ギリギリのところの判断を強いられるに違いない。でも自分の役割はわきまえていて、あとは脚本や演出に託す。プロでありながらも懐の深い人じゃなきゃ務まらないだろう。ところでギャラはどれくらいなんでしょう。
後半は、自説を繰り広げてくれるが、あんまりインパクトはなかった。学者ならではの論理の組み立て方。 -
平清盛の時代考証を担当している本郷氏の本。
全体の印象としては、清盛の本というより、その周辺だったり、史像など、もう少し広い話。
時代小説と歴史小説の違いとか、
瀬戸内海というまとまりで捉えていたのではなく、○○灘、というように部分的に捉えていた、とか、色々勉強になりました。
源氏のことも、一章割いて書いてあって、面白かった。
新書なんで、さくっと読めますが、中身はなかなか。
時々出てくる、時代考証その1さんの主張の話なんか、面白かった。 -
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『平清盛』関連ブックガイド
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大河ドラマ「平清盛」の時代考証を手がけた方の本。
「王家」という言葉が気に食わないとかいう意味不明のバッシングもあったようだが、「王家」としかいいようがない。それは本書にも示されている。
権門体制下における武士の役割や振る舞いなどがとてもわかりやすく書かれてると同時に、武士が権力を奪取する萌芽が各権力者のつながりとと共によく描かれている。
個人的には位階の話とかがおもしろかった。
ドラマでもそのあたりがわかっていると、平清盛の成り上がり具合がよく分かる気がする。
ちょっと文章くだけ過ぎだけど、分かりやすさを狙ってるのならいいかな。 -
当時の状況を源平の対立図式の中で見がちだが、そうではない事を教えてくれる。
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当時の状況を源平の対立図式の中で見がちだが、そうではない事を教えてくれる。
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大河見てる人には絶対おすすめ。「平清盛」の考証を担当してる著者が,時代考証の限界や歴史とは何ぞやといったことを最初の二章でまとめてて,ここは読みどころ。単純に実証史学>歴史小説>時代小説>曲解ってわけでもない。
しばしば実証史学で明らかになることは,歴史マニアのロマンに逆行。特に多くの人に読んでもらう小説,観てもらうドラマは,考証がでしゃばってはいけない。考証は視聴者にその時代のリアリティを感じさせ,気持ちよく見てもらうためのもの。限界がある。確かに宮崎あおいが鉄漿してたらやだもんね…。
ただ,著者は大河ドラマでこれだけは許せんという例があったことを挙げてる。2001年の「北条時宗」で,関白近衛基平が天皇の御前で切腹するシーン。噴飯ものだという。穢れを嫌う朝廷で上級貴族がそのようなことをするなど,まったくもってありえない。p.70
第三章からが清盛の時代についての記述。武士と貴族,官位と役職,権門体制論といった総論から,院政の成立,清盛の出生,保元・平治の乱,治承・寿永の内乱まで。著者は,清盛が白河の落胤であるというドラマのとる説は怪しいと見ている。謙信女性説と同レベルだとか。
でも落胤説を完全に否定するのって難しい。悪魔の証明だ。状況証拠として,本当に落胤だったら,家盛があれほど注目されたはずはなく,清盛は文句なしに嫡子だったはずとしている(p.95)。なるほど,そうなんだろうな。 -
2012年1月23日読み始め 2012年1月28日読了
大河ドラマ「平清盛」の時代考証をしている著者が書いた本ということで興味を持ちました。「平清盛」では時代考証の学者が二人いるそうです。で、著者ともう一人の時代考証の先生は、結構意見が違ってたりします。平清盛の出生のこととか、平清盛がいわゆる幕府を開いたと言えるのかどうかとか…エライ先生でも、けっこー意見が違うものなんですね。歴史というものの曖昧さが面白いなと思いました。
また、ドラマにするためにはちょっとしたことでも調べないといけなくて、これは番組制作者だけでは到底ムリなので、時代考証の役割は大きいのだとも思いました。ただ、がんばって調べても作品に反映するかどうかは別のようですが…
歴史がそんなに得意でない私にとっては、ちょっと難しくもありましたが、新書なんでなんとか読めました。あと、著者は鎌倉が専門らしく、鎌倉幕府の話がよく出てくるのですが、自分の知識がないので話についていけないところもありました。 -
ちょっと議論がアバウトな気はしたが、大河ドラマ「平清盛」を見るにあたって、面白く読めた。
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大河ドラマの時代考証役の人による本.清盛の政権は,最初朝廷の枠組みの中で始まり,その後,頼朝に先立つ武士政権となって鎌倉幕府の先例となったという話.清盛を武士という意識はあまりなかったので,おもしろかった.
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NHK大河ドラマ時代考証者だから書けた改革
ヒーローの実像。
ご落胤説は史実かフィクションか。清盛よ
お前は何者だ。
「平家にあらずんば人に非ず」と栄華を誇り
武士の時代の先駆者となった平清盛。ずば抜
けた武力を持ちながら、朝廷貴族たちの顔を
立てつつ、武家・公家両面での栄達を遂げた
のはなぜか。大河ドラマの時代考証を担当す
る第一人者が、その実像に迫る。
まるで、講義を受けているかのような本です。
「史料を正確に読み込んで、史実を復元する。
いくつかの史実を組み合わせて史像を作り、
史像を整合的にまとめあげて史論を形成する」
といった日本史学の作法や、時代考証のあり
方(史料を出来るだけ尊重するが、フィクシ
ョンである)の解説があります。
もともとこの時代、あまり興味が湧かなくて
知識も無いので、平清盛というと、公家にか
ぶれ、頼朝を生かし、その台頭を許し、心痛
のあまり憤死するというイメージがありまし
たが、本書を読むと、摂関政治から院政への
流れや武士の台頭、貴族の昇進コースなどが
わかります。これらの背景をみると、清盛が
先駆者であったとの評価が頷けます。
(貴族でも摂関家や清華家しかなれない大臣
の地位に、武家の清盛が着く事が出来たのが
如何に異例なことだったのか)
著者は、清盛の打ち立てた平家政権は、朝廷
の政治が行き着いた、一つのかたちであり、
ゆえに、武士達に否定されたとしています。
個人的には、この時代に興味が湧かないので、
読みにくかったですが、源平の戦いについて、
新しい見方が出来て、おススメです。
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