東京五輪1964 (文春新書 947)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166609475

作品紹介・あらすじ

2020年の東京五輪開催決定を受けて緊急出版!「日本が一番熱かった15日間」を15の視点から再現したドキュメントです。これを読まずして、東京五輪は語れません。15日間のそれぞれの主人公は下記のとおりです。第1日 坂井義則 聖火を灯した最終ランナー第2日 ホッケー代表 大敗からの出発第3日 三宅義信(重量挙げ) 金メダルへの「4年計画」第4日 ボート代表 選抜クルーの挑戦第5日 サッカー代表 銅メダルへの助走第6日 佐々木吉蔵 ボブ・ヘイズの信頼を勝ち取った名スターター第7日 織田幹雄 日本初の金メダリストの夢第8日 山方澄枝 ヘーシンクの髪を切った選手村の理容師第9日 田中聰子 メダルの重圧を背負った渾身の泳ぎ第10日 花原勉 八田イズムで掴んだレスリングの頂点第11日 中谷雅英 柔道初の金メダル第12日 寺澤徹 アベベ、円谷に敗れた42.195キロ第13日 杉山茂と西田善夫 国際テレビ中継を支えたNHKのスタッフたち第14日 男子バレー代表 「東洋の魔女」にかき消された銅メダルの快挙第15日 岸本健と土門正夫 写真家とアナウンサーが見た幸せな閉会式

感想・レビュー・書評

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  • 50年前の日々を、携わった人達の息遣いを感じさせてくれた秀逸な一冊。

  • 【さまざまな立場から経験した祝祭を描く】聖火ランナー、金メダリストから、初の衛星放送に挑んだNHKのスタッフ、選手村でヘーシンクの髪を刈った理容師までを訪ね歩いた。

  •  15日間の東京五輪を、当時の大会にかかわった選手や関係者の思い出を通して、さまざまな角度から描いている。最も印象的だったのは、レスリングの項。破天荒な指導ぶり、それについていく選手たちの姿が面白い。選手も大会も、いまとは違う空気を漂わせていた時代だったのだろうと思う。

  • 1964年の東京五輪、15日間を、様々な人物にフォーカスしながら描いていく一冊。金メダリストもいれば、選手村で理容師として働いた女性、陸上競技のスターターなど、裏側の面からも描いているのが面白い。基本的に「存命の方に話を伺う」というスタンスがあるからかもしれないけれど、必ずしも、当時注目されていた競技だけではないところも、そこにこそあの東京五輪の雰囲気がかもし出されているんじゃないかと思うのでした。バレーボールも、東洋の魔女と言われた女子チームではなく、男子を追いかけたり、マラソンも銅メダルをとった円谷ではなく(彼が亡くなっていることもあるけれど)寺澤徹選手に話を聞いていたり。
    それにしても、あの時代の、あのオリンピックは、本当に特別だったんだ。日本の行事だったんだ、ということがしみじみと伝わってきます。メダルを期待された選手も、それぞれの役割を持った人も、競技や出番が終わった時に何よりもほっとしたと語っていることが印象的。金メダルを獲得した選手すら、嬉しいよりも安堵が先に立つ。期待された重圧というのはあるのだろうけれど、それがもう今以上のモノだったんだろうなと。
    7年後のオリンピック、確かに楽しみなのだけれども、あの時ほどの“特別”にはならないだろうという確信と、残念さと、それを日本が成熟した証として、オリンピックをいいものにしたいと、自分を含めて期待を込めてみるのでした。

  • 選手達の心の動き、心情の描写が繊細で、飽きることなく読めました。男子バレーが銅メダルを取ったことはこの本で初めて知りました。それにしても、人気種目に報道が偏るのは、昔も今も変わらないなあ。

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著者プロフィール

【著者】佐藤次郎(さとう・じろう)
1950年横浜生まれ。中日新聞社に入社し、同東京本社(東京新聞)の社会部、特別報道部などをへて運動部勤務。夏冬合わせて6回のオリンピック、5回の世界陸上を現地取材。運動部長、編集委員兼論説委員を歴任したのち、2015年退社。スポーツライター、ジャーナリストとして活動している。
ミズノスポーツライター賞、JRA賞馬事文化賞を受賞。著書に『東京五輪1964』(文春新書)、『オリンピックの輝き――ここにしかない物語』『義足ランナー――義肢装具士の奇跡の挑戦』(以上、東京書籍)、『砂の王メイセイオペラ』(新潮社)など。

「2020年 『1964年の東京パラリンピック──すべての原点となった大会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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