ウクライナ戦争の200日 (文春新書 1378)

著者 :
  • 文藝春秋
3.69
  • (10)
  • (29)
  • (18)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 294
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166613786

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  本書の著者でロシアの軍事・安全保障政策を専門とする小泉悠氏は、2022年2月24日に開始されたロシアによるウクライナ侵攻について、事前に侵攻の可能性を指摘していた数少ない研究者の一人だ。ウクライナ戦争に対する小泉氏の見解を知りたいと思い、『「帝国」ロシアの地政学』に続けて本書を手に取った。

     本書はウクライナ戦争について、開戦から間もない2022年4月から7月までに行われた対談をまとめたものだ。このため、現在進行形の事態を取り扱ったものであるため、後から読むと見通しとして正しくない部分も一部存在する。そして、これらの対談が行われてからの戦況の変化についても、攻守の逆転のみならず、ロシアによる部分動員の発令やウクライナによるロシア本土攻撃など大きな動きがあった。しかし、本書では開戦から間もない時期の対談集であるにもかかわらず、今後ウクライナ戦争を考えるうえで拠り所となる重要なポイントがわかりやすい形で解説されている。

     まず、ウクライナ戦争は「甦った古いタイプの戦争」の様相を呈しているが、当初のロシア軍侵攻は早期の終結を前提としたもので、このため「特別軍事作戦」と呼ばれたのだという。
    <小泉 現時点で二十一世紀最大の戦争と言えるウクライナ戦争は、人間の兵士が血を流しながら戦う、歴史の教科書から出てきたような古典的な戦いです。>p.19
    <小泉 ……短い簡単な戦争で終わると思って始めたようにしか見えないですから。……ウクライナ軍の抵抗があまり頑強ではないだろうという前提で始めて失敗したのが第一段階ではないか。それが僕の評価です。>p.67-68
    <小泉 プーチンは頑なに、これは「特別軍事作戦」であると言います。彼が思い描いていた青写真は、侵攻が始まって数時間でゼレンスキーを逮捕し、十五万人のロシア軍が進駐軍として入っていくというものだったと思います。だから、「特別軍事作戦」と言ったのでしょう。>p.166
    <小泉 ロシア語で「戦争」は「ヴァイナー」といいます。プーチンはテレビカメラの前で一度、「ヴァイ……」まで言いかけたことがあるんです。つまり、彼が見てもこれは戦争なんですね。……ロシアの国防法など軍事に関連する法律を読み返してみたんですが、「特別軍事作戦」についてはどこにも定義されていないのです。>P.166-167

     次に、ロシア軍による近代的軍隊とは思えない蛮行については、兵士の質の問題があるのだという。
    <小泉 ……日本もドイツも近代的軍隊とは思えないようなひどいことを行ったわけですが、今回はそれに輪をかけてひどい。略奪して性的に暴行して家財を奪って「戦利品だぞ」と言って家族に送るというのは、とても現代の軍隊とは思えません。>p.76
    <小泉 今回のブチャやその他の都市でのロシア軍の悪行は、都市を制圧した後に治安部隊がやってきて、支配のために拷問をしたり見せしめに処刑をしたりするのとは、別の問題だと思うのです。そういう特別部隊に所属しているわけではない普通の兵隊がこのような悪行を働く。しかも妙に手際がいい。お前ら初めてじゃないなという感じがする。これには兵士たちの質の問題が関わっています。一九九〇年代のロシア軍は、軍隊に入ると飯は出ない、いじめられる、麻薬は蔓延しているという状態で、しかも戦地に送られるというのですから、まともな人は軍隊に行きませんでした。結局、やくざ者や重犯罪者が集まってきて、軍隊が刑務所のようになっていた。将軍たちが自分の配下の兵隊たちを農場で働かせ、農場主からキックバックを得たり、軍隊の中で麻薬を売って稼いだり、めちゃくちゃでした。そう考えると、今回のように戦地で悪さをして、それを手際よく売りさばくネットワークが軍隊の中にあってもおかしくない。ただ、それをこの二十年間、何とか克服しようとしてきたのがプーチン政権であり、セルジュコフ国防相の軍改革でした。……
    高橋 略奪を禁止する軍法もないし、それどころか略奪したものを組織的に運び出すメカニズムがあるのは衝撃的でした。そこで思い浮かぶのが、中国の人民解放軍ですよね。やはり西側諸国では、軍は機能的な専門家集団として位置付けられている。一方で人民解放軍は、もともとそういう存在ではないし経済活動も行っているので、よりロシア軍に近い組織の可能性がある。>p.77-78

     ロシアによる核兵器の使用については、現時点では米ロ間での核抑止が効果を上げている状況だが、今後の使用のシナリオとしては、停戦強要のための使用、西側の援助を手控えさせるための警告射撃としての使用が考えられるという。
    <小泉 ロシアには「エスカレーション抑止のためのエスカレーション」と呼ばれる核戦略思想があります。限定的な核使用によって敵に「加減された損害」を与え、戦闘の継続によるデメリットがメリットを上回ると認識させる。この戦争で言えば、ウクライナの無人地帯や黒海上などで限定的な核使用を行い、戦闘の継続を放棄させたり、第三国の参戦を思い止まらせようというものです。>p.23
    <高橋 これまで、ロシアが化学兵器や戦術核兵器を使ってもおかしくない局面はありました。……しかし使用されてない。
    小泉 ロシアが自制したという印象はあまり受けません。マリウポリで街を丸ごと更地にして、子どもたちが避難している場所にわざわざ爆弾を打ち込む連中が、核や化学兵器だけ道徳的理由で手控えるとは思えない。となると、核を使った場合のエスカレーションリスクの大きさという実存的な脅威が、ロシアを踏みとどまらせていると見るべきです。これはつまり、やはり米ロ間の戦略レベルでの核抑止が一定の効果を上げていると考えるべきではないでしょうか。それゆえ戦争状態においても核を使用するという究極の決断は下せていない。米ロのお互いの戦略的アセットが生きている中でウクライナという局地において激しい通常戦闘が行われている。>p.102
    <小泉 他方で、ロシアの中でそのような思想が熱心に唱えられてきて、実際にそのためのアセットも持っていること自体は事実なので、危機的状況になった場合にロシアの限定核使用を心配しなければならないことは根本的には変わりません。……現在の状況では、あらゆる核使用の可能性が、蓋然性は低いとは分かっていても、可能か不可能かで言うと可能であるということをどうしても気にせざるを得ません。>p.105-106
    <高橋 ……同じことをアメリカも思っていて、介入を深めれば深めるほどロシアの核使用について考えないといけない。その中で、ここまでなら大丈夫だろうという形で情報提供と軍事援助をしている。ロシアも、それに対しては牽制はするものの物理的な阻止行動には出ていない。それはロシアが物理的な行動を行った場合に、アメリカの反応がエスカレーションすることを恐れているからでしょう。そう考えると、「安定と不安定のパラドクス」が両側で働いている感じがします。>p.106-107
    <小泉 今回の戦争は色々なものをひっくり返しました。ロシアの侵略、現場での狼藉、各国や人々の反応など、まさかと思うことが次々に起きるので、改めて安全保障は意図ではなく能力で考えるべきということが確認された気がします。そういう意味で言うと、核の役割低下は、できればそれに越したことはないですが、今ではないだろうと思います。>p.108
    <小泉 戦場で敵や軍に対して核兵器を使うシナリオ(戦闘使用)は考えにくい。とすれば、結局、ロシア軍の中で論じられ続けてきたいわゆるエスカレーション抑止型核使用の類型だと思います。一つは停戦強要のための核使用。もう一つは西側の援助を手控えさせるための警告射撃。この二つは排除されない。ただ、どちらもどこまでエスカレートするかわからないので、このまま使わずに済むならいいとロシアも考えていると思います。>p.109

     ウクライナ戦争ではドローンが戦場での「目」を変えたことで、これまでの戦争とは異なる様相を呈しているという。
    <高橋 ……苦労して橋をかけても、ドローンで橋の場所が特定されてしまえば、精密誘導兵器でピンポイントに破壊されてしまいます。……
    小泉 爆弾を搭載したまま車両に突撃して破壊する「自爆ドローン」が注目されがちですが、基本的にドローンは「目」の役割が大きいですよね。小型のトイドローンが戦場のあちこちを飛び回っていて、敵の部隊の重要地点を探している。サイズが小さく、突発的に出現するので、敵からすれば撃ち落としきれない。ウクライナで広がっている光景は、現代戦の難しさを象徴しています。>p.194-195
    <高橋 完全に消耗品となっていますよね。小型ドローンはイラク戦争の市街戦でも投入されましたが、ここまでの使われ方ではありませんでした。戦場の様相が今まで見たことがないものになっています。>p.196
    <小泉 ドローンに関して付け加えると、この兵器が面白いのは、人工的に高さを作り出すことを可能にした点だと思います。多くの兵士が自前の“高地”を手軽に持ち歩けるようになりました。>p.197
    <小泉 陸戦において「高地」の制圧は非常に重要です。高いところから周囲を見渡して、敵の位置を確認することで、その後の戦闘の主導権を握ることができる。>p.197

     ウクライナ戦争の今後の展望としては、プーチンが支持されている限りロシアは戦争を継続し、ロシアは孤立こそしても簡単には瓦解しないとして次のように述べられる。
    <小泉 ハイブリッド戦争の理論はあくまでも敵国が民主国家である場合を想定しています。民主国家だからこそ、国際社会で風向きが悪くなり、国内で支持を得られなくなると戦争が継続できなくなり、負ける。しかし、ロシアは権威主義体制であり、プーチン政権はテレビなど主要メディアを支配下に置き、ネット空間でもフェイスブックなどSNSにはアクセスができなくなっている。プーチンが支持されている限りは、ロシアは戦争を継続するはずです。>p.21
    <小泉 今回の戦争によって、米国一極のもとに世界が安定しているのではなく、複数の大国がそれぞれ異なる世界観を掲げて「競争的に共存する」世界に変化したのだと思います。この侵攻でロシアが世界から孤立するようになることは間違いないですが、しかし同時に簡単にがらがらと瓦解していくとも思えません。>p.28
    <小泉 占領できずに撤退、すなわち敗けた場合は、それでも「ロシア連邦」という国家は存続できるけれど、プーチンの権力は危うくなる。>p.168
    <小泉 ですから現時点で予想されるシナリオは、プーチンが総動員をかけて戦争をエスカレートさせることです。もし、数をもって戦っても敗けた場合、プーチンに残されているのは核しかありません。つまり、「人類の命運」と「プーチンという男一人の権力」を天秤にかけるという構図がロシアにはあるのです。それが独裁の本当によろしくないところです。>p.168-169
    <小泉 二十一世紀的な価値観の影響をプーチンだろうが習近平だろうが受けます。そして家族構造を見てもロシアは少子化なんです。都市部の中産階級の家に、子どもは三人も四人もいない。……そんな中、たった一人の息子を戦争に送れと、権威主義国家であればあるほど言えないのではないか。国民からの圧倒的な支持を受けていないと、現在の独裁者はやっていられない。>p.228

     その他、ロシア及びロシア人の内在的論理、プーチンの権力構造についても興味深い言及がされている。
    <小泉 日本は七十七年前の戦争で懲りて国際秩序を守ることに努めてきましたが、ロシアの自意識はそうではありません。むしろナチスに勝ったのは自分たちロシア人であり、国際秩序を守ったのだという自負があります。ソ連は崩壊したものの、何かに敗れたわけではない。それなのに、私たちはワルシャワ条約機構を解体したのにもかかわらずなぜNATOは残っているのか、なぜ旧ソ連の勢力圏まで拡大してくるんだという素朴な反発心を持っています。>p.31
    <小泉 プーチンの権力構造にはマフィア的な側面があると思います。マフィアというのは、それが誕生したときは反社会勢力ではなく住民の互助システムでしたよね。日本の感覚ではマフィア=ヤクザだけど、英語ではもう少し広い意味がある。アメリカ空軍では戦闘機乗り出身者を「ファイター・マフィア」と言ったりしますが、緩やかに価値観や利益を共有する団体というニュアンスだと思います。>p.159
    <小泉 ……ロシアの場合は昔から公的なシステムに対する国民の不信感が根強く、公に頼らず身内で助け合ってきました。こういう非公式の助け合いは「法」ではなくローカルな「掟」に基づいているので近代的な秩序には馴染まない。この「掟」に基づく互助構造の総元締めがプーチンなのだと思います。>p. 160
    <小泉 イタリアは曲がりなりにも民主国家なので、ベルルスコーニは権力の座を追われた後、和紙細工みたいになりながらも次の人生を歩んでいけるわけです。プーチンにはそれができません。政権が転覆したらカダフィのように殺されてしまうかもしれない。自ら勇退したとしてもどういう目に遭うか分からない。だから死ぬまで権力者をやるしかありません。>p.165-166
    <小泉 要するに、いっぱい住んでいて都市を築いている場所はもうロシアなんだと。その理屈で言うと、ウクライナやベラルーシは、プーチンに言わせれば、明らかにロシアでなければいけない。ずっと長らくロシア帝国の一部でもあったし、まさに中国における台湾みたいな感覚で、いずれロシアに回収されるべき場所だと思っている。ただ同盟や貿易、ロシア語のようなものを通じて、ゆるく統制を及ぼしていればいいと考えていたのに、ここ十年のウクライナは完全に離れていってしまったという危機感をロシアは持っていたのではないか。それにプラスして、二十二年もの独裁でプーチン自身も手が付けられなくなっていったのでしょう。>p.233-234
    <小泉 行き詰まり感は確実に増しています。でもロシアの場合は自分の家の庭から色んなものが出ます。石油も出ればジャガイモも生える。そこが日本や北朝鮮とは違うところです。品質は高くないけれども、自分たちで走る車がつくれる。最新のiPhoneやレクサスは手に入らないかもしれませんが、別に生きてはいける。>p.244
    <小泉 ……『北斗の拳』世界になった時には、ロシアは絶対「ヒャッハー」側なわけです。国際分業が崩れたり、自由貿易でコモディティ(日用品)が入手できない世界になったら、それはロシアは強いです。なんでも自給できるから。たぶんロシアのカルチャーそのものが、「ヒャッハー」世界に特化されているんです。ユーラシアのそういう世界でずっと生き抜いてきた平地の民の世界観が、ロシアの様々なものを良くも悪くも形作ってしまっている。民主的なロシア、解放的な世界に生きているロシアを一時期夢見たけれど、ロシアの社会が持っているクセが最終的にプーチンを選び出してしまったし、プーチンにここまでやらせてしまった。>p. 245
    <小泉 ……ロシア人は自然災害よりも、外国の侵略よりも大動乱を恐れているように見えます。大量虐殺が起きてしまうからです。それが心底怖い。共産党がわりとよく治めてきたと中国人が思っているのと同じ感覚を、プーチンに対してロシア人も感じているでしょう。二十二年間のプーチン政権での安定によって、生活がまともになったことも評価している。選挙で票の操作をしなくても、プーチンの支持率は高いと私も思います。であるからこそ、中国共産党にせよ、プーチンにせよ、民意で支持されていることをわれわれは認識しておく必要がある。>p.246

     もっとも、日本人にとっては、このウクライナ戦争ははるか遠くで行われている「他人事」のように考えてしまいがちだ。しかし、小泉氏はこの戦争でロシアのミサイルが日本に飛んでくる可能性が全くないとは言い切れないことを指摘する。
    <小泉 ウクライナ戦争がさらに拡大し、ヨーロッパ全体を巻き込んだ大戦争になってしまった場合に限りますが、在日米軍基地にロシアのミサイルが飛んでくる可能性はあります。ロシアの軍事思想は「アクティブ・ディフェンス」が特徴で、守るためには相手の攻撃能力を先に叩くという発想です。米軍の攻撃からカムチャッカにある原潜基地や極東のウクラインカの爆撃基地を守るために三沢や横須賀の米軍基地を先に叩くと考えるのは自然な流れと言えます。>p.26

     さらに、小泉氏はウクライナ戦争によって、日本を取り巻く安全保障環境はそれ以前の状況から根本的に大きく変わってしまったとして、非常に重要な指摘を行っている。
    <小泉 プーチンは「日本にどこまで主権があるのか疑問だ」と平気で言ってきますが、それはご指摘のようにアメリカ頼みの気持ちを捨てられずに来たからだと思います。しかし今回ウクライナで、第二次世界大戦後最大規模の戦争が起きた。アメリカは相当な軍事力をヨーロッパに張り付けておかなければいけないでしょう。だとすると、われわれが半年前まで予想していたような、アメリカが全力を挙げてインド太平洋で中国を軍事的に抑止してくれるというシナリオは、おそらくもう望みがたいのではないかと私は思うんです。アメリカのコミットメントがかなり限られてくる中で、中国に変な気を起こさせないためには、われわれ自身がどこまでやるのかを真剣に考えないといけません。ウクライナ危機がめぐりめぐって日本の安全保障の足元をグラグラさせていると感じています。>p.219

     個別の対談では、防衛研究所の高橋杉雄氏との対談は安全保障の専門家同士のもので、特に内容が濃く非常に読み応えがあるものだった。安田峰俊氏による中国から見た指摘も興味深かった。他方、対談相手のなかに、根拠を示さずに思いつきを喋っているような感じで、そのうえ何を言いたいのかがいまいちわからないような人物がいたのは残念だった。

  • 世界には多様な価値観が混在しているのだということを、改めて理解することが出来ました。

    イズムィコ先生と、東浩紀や砂川文次、片渕須直、高橋杉雄、ヤマザキマリらとの対談集

    開戦から200日くらいまで。今となっては、、、という点もあるけど、リアルタイムで進行中の事象なので仕方ないか。

    このタイミングで読むことに意義があるって感じの一冊。

  •  様々な分野の専門家と著者小泉との対談集。ウクライナ戦争を多方面から見ることができる。
     露との共存が必要な現実。軍事交流の意義。ウクライナ戦争の戦況、火力と兵力の消耗線。戦争と地続きの日常、小文字の安全保障と大文字の安全保障。東独と露の「統一負け組」の共通点。

  • ウクライナ戦争開戦後に、ロシア軍事の専門家が本職の同志イズムィコによる対談集。
    軍事専門家から、作家まで多岐にわたる対談相手により、ロシアによるウクライナ侵略戦争の歪さと、コレを歪と思い込んでしまうバイアスについて興味深い示唆を受けとることができる。特に、ヤマザキマリ(イタリア)、マライ・メントライン(ドイツ)、安田峰俊(中国)などの異なるバックボーンからの支店を得ることができるのは有益である。

    それにしても、国民性が「ヒャッハー」に最適化されているロシアって…

  • ロシアウクライナ戦争をさまざまな観点から眺めることのできる本。

  • 学びが深いです。
    国際政治チャンネルをみている時にも思うのですが、対談方式でしか出てこないニュアンス的なものについては言うまでもなくあります。
    個人的にはドイツ、中国における雰囲気を知れたのはとても学びが深かったです。

  • 特に映画監督の片渕さんとの対談が印象的でした。

  • 安心安定の小泉悠さん本。ロシア・ウクライナ戦争をテーマにした対談集。対談時期は、軍事侵攻からまもない2022年4月〜7月。
    プーチン関連の本を読むにつけ、この戦争に終わらせ方はあるのかと沈鬱になる。
    軍事知識の少ない身には、高橋杉雄さんとの対談が大変わかりやすかった。砂川文次さん、本屋で名前は目にしていたが未読。「小隊」読みたい本に追加。

  • この戦争で一躍有名になった感のあるロシア軍事安保研究者である著者の対談集。

    7人の対談相手の人選が面白く、この戦争を契機としてロシアの軍事、文化、歴史、地誌などいろいろな側面が語られる。

    ある時点の断面なので戦況など既に古びてしまったものもあるが、普遍的な考察も多々含まれる。

    バランスが取れつつ徹底してマニアックな著者ならではの奥深い対談と思う。

  • 主として戦術戦略的な側面の解説と対談

全30件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

小泉 悠(こいずみ・ゆう):1982年千葉県生まれ。早稲田大学社会科学部、同大学院政治学研究科修了。政治学修士。民間企業勤務、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所(IMEMO RAN)客員研究員、公益財団法人未来工学研究所客員研究員を経て、現在は東京大学先端科学技術研究センター(グローバルセキュリティ・宗教分野)専任講師。専門はロシアの軍事・安全保障。著書に『「帝国」ロシアの地政学──「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(東京堂出版、2019年、サントリー学芸賞受賞)、『現代ロシアの軍事戦略』(ちくま新書、2021年)、『ロシア点描』(PHP研究所、2022年)、『ウクライナ戦争の200日』(文春新書、2022年)等。

「2022年 『ウクライナ戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小泉悠の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
アンデシュ・ハン...
劉 慈欣
アレクサンドラ・...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×