- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166614233
感想・レビュー・書評
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御堂関白記、小右記、権記を基に藤原道長の人物像を炙り出した作品。著者は御堂関白記が世界記憶遺産に推薦されることが決まった際に、推薦に関わる仕事をしていた方。なので御堂関白記や小右記などを丁寧に読み解いてくれているため、その時その時の道長の行動、感情などがよく分かります。道長のような絶対的な権力を持っていたとしても、いや持っているからこそ、その権力を維持できるか、後世に残せるかに不安がり、怯えている様子が伝わってきます。逆に娘が中宮になった時の絶頂感や喜びも伝わってきます。著者も言ってましたが、絶対的な権力を持ち客観的な成功を収めていることと、本人自身の幸福はイコールとは限らないこと。幸福な人生とはいったいどんな人生なのでしょうか。時の権力者の生涯を通じて考えさせられます。
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あくなき権力欲と出世欲には正直、辟易…。日本史上もっとも強い権力を握った男のひとり藤原道長の一代の解説本です。
<構成>
全体で九章構成になっています。
第1章では道長が出世階段を本格的に上がり始めるまでのいわば青年期をまとめています。第2章から第4章までは道長が栄華を確立するまでの道程が描かれています。第5章ではそのなかで道長と三条天皇との確執と相克を中心に述べられています。そして第6章から第8章まで道長の栄華の絶頂期からその死までが語られています。最後に補章として紫式部と源氏物語について道長との関係性を含めて解説されています。
<ポイント>
(1)藤原道長の人生の解説とその政治と権力が分析
「御堂関白記」を素材にして藤原道長の人生と彼による政治の展開そしてその権力の様相が解説されています。その実態は公家たちを天皇に背を向けさせて自らに靡かせるほどの大きさです。またそのような当時の朝廷と公家社会の有様がよく分かります。
(2)多面的視点による藤原道長の考察
藤原道長を藤原実資などの他者の視点から描くことで、彼の人物像を客観的に捉えることができるように考察をしています。とくに実資による道長に対する視線は敬意を示しつつもかなり批判的な見方です。
<こんな方にオススメ>
(1)平安時代の王朝文化が好き。
(2)摂関政治時代の政治や権力の実相に興味がある。
(3)NHK大河ドラマ「光る君へ」に関連する歴史本を読んでみたい。
そのほか「私的な雑感」や「補足情報」など詳細はnote『読書感想:歴史』に掲載しています。よかったらご覧ください。
https://note.com/rekishi_info/n/n277040945f8a
(2024/01/25 上町嵩広) -
大河ドラマに釣られて。
家系図と婚姻関係がややこしくて、一度読んだくらいでは、理解できない。
凄まじい栄華だったということはわかる。
紫式部は、最後の補章と、少し出てくるだけだった。 -
第一章 脇役だった青年時代
第二章 後宮を制する者が権力を握る
第三章 彰子懐妊への祈り
第四章 栄華の始まり
第五章 三条天皇との確執
第六章 栄華の絶頂
第七章 浄土への希い
第八章 欠けゆく望月
補章 紫式部と『源氏物語』
2023.12.31 東大新聞より。https://twitter.com/naokis/status/1741423737415807250
2023.01.21 借りる
2023.01.30 読了 -
藤原道長の生涯 紫式部との関係がよくわかった
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道長の最後、やはりいろいろ考えてしまいましたね。
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2024年大河ドラマの予習に。古記録をベースに道長政権期の歴史を時系列で説明している。淡々とした記述だが、著者の感想がところどころに挿入されていて、読みやすい。
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京都府立大学附属図書館OPAC↓
https://opacs.pref.kyoto.lg.jp/opac/volume/1271590?locate=ja&target=l? -
【紫式部の時代がわかる!】『源氏物語』のパトロンでもあった藤原道長。世界記憶遺産に認定された日記『御堂関白記』から、王朝の様子、権力の動きが明らかに。