- 文藝春秋 (2008年5月9日発売)
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感想 : 42件
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784167100346
みんなの感想まとめ
青春と冒険が交錯する物語が描かれており、特に1960年代の自由化の波に乗った若者たちの姿が鮮やかに映し出されています。主人公ジュンは、トランペッターとしての成功を目指し、当時の特別な海外旅行を通じて夢...
感想・レビュー・書評
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現在では誰もが簡単に行ける海外旅行も、自由でなかった時代。そんな中1960年代は転換点だった。自由化により、特別な人々だけでなく一般の人々にも門戸が開かれたのだから。
それでもまだまだ豊かとは言えない時代だ。一般人には相変わらず夢のまた夢。
そんな時代の海外を舞台とした青春小説は当時の若者には刺さったことだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「五木寛之」を代表する作品のひとつ『青年は荒野をめざす』を読みました。
昔っから、読もう、読もうと思っていて、なかなか読めてなかった作品… ようやく読みました。
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青春の冒険を描き共感を呼んだ「五木寛之」の代表作
モスクワ、ヘルシンキ、パリ。
ジャズとセックス、薬。
20歳の「ジュン」の冒険を求めた青春の彷徨。
熱狂と頽廃の先にあるものは何か
ジャズ・ミュージシャンを目指す二十歳の「ジュン」は、ナホトカに向かう船に乗った。
モスクワ、ヘルシンキ、パリ、マドリッド…。
時代の重さに苛立ちながら、音楽とセックスに浸る若者たち。
彼らは自由と夢を荒野に求めて走り続ける。
60年代の若者の冒険を描き、圧倒的な共感を呼んだ、「五木寛之」の代表作。
解説「植草甚一」
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「五木寛之」が、実際にソ連と北欧を旅した際の経験が下敷きになっており、主人公の青年「ジュン」が、横浜~ナホトカ(当時のソ連 極東シベリア)~モスクワ(当時のソ連)~ヘルシンキ(フィンランド)~ストックホルム(スウェーデン)~コペンハーゲン(デンマーク)~パリ(フランス)~マドリッド(スペイン)~リスボン(ポルトガル)~ニューヨーク(アメリカ)と旅する模様が描かれた作品です。
■第一章 霧のナホトカ航路
■第二章 モスクワの夜はふけて
■第三章 白夜のニンフたち
■第四章 地下クラブの青春
■第五章 人魚の街のブルース
■第六章 パリ・午前零時
■第七章 南ヨーロッパへの旅
■解説・植草甚一
「ジュン」に感情移入しつつ、次はどんな出来事が待っているんだろうかと、ワクワクしながら読みました。
様々な土地を巡るだけでなく、移動手段もフェリー、貨物船、国際急行列車、航空機、乗用車等々… 多様なところも、旅情をかきたてますね。
そして、自由と夢を求めて、もがきながらも前に進もうとする姿勢に共感… 愉しく読めましたね、、、
十代のときに、この作品に出合っていたら人生が変わっていたかもしれないなぁ… と思いました。
もう冒険できる年齢じゃないけど、、、
もう一度、青春時代をやり直せるなら、こんな人生を歩んでみたいな… と思わせる作品でしたね。
読んでいると、ジャズ聴きたくなりましたねぇ… 自分で演奏できるのが理想だけど、楽器を奏でることなんてできないもんね、、、
久々にジャズに浸りたくなったな。
「青年は荒野をめざす」… イイ言葉ですね。 -
面白いとは思う。60年代の若者たちが熱狂した理由もわかる。彼らは本書を読みナホトカ航路を目指した。当時の船上には何人のジュンがいたことであろう。
しかし御都合主義が過ぎる。本物のジャズを求める旅がなぜセックス三昧になり、ジュンは挫折もなくこれほど万能なのか。荒野が人工芝のように感じる。そうか。平凡パンチに連載されていたのか。謎が解けた。否定するわけではない。極めて漫画的なのだ。現代であれば子供だましのフィクションと割り切れるが、情報の少なかった60年代、本書が若者たちの放浪の後押しになったことを考えれば多少の無責任さを感じてしまった。期待値が高かっただけに。
破天荒な60年代はこれでよかったのかもしれないが、個人的には『深夜特急』のような苦悩と喜びを内包した作品のほうが好みであった。 -
海外へ行くことが特別なことだった時代に、トランペッターとして成功するためにヨーロッパへ渡る青年ジュン。彼の無軌道なだけで夢にあふれた冒険を描いた小説です。この小説は当時大学生のバイブルだった「平凡パンチ」に連載されたもの。ヨーロッパ、パリへ行くのに、船でソ連(現ロシア)のウラジオストックへ渡り、シベリア鉄道でほぼ10日間。当時はこれがいちばん安いルートでした。そのために小説が発表されてからシベリア鉄道でヨーロッパを目指す若者が続出。建築家の安藤忠雄もそんなひとりだったそうです。
当時陸路でヨーロッパを目指した人たちの必携書がこの「青年は荒野をめざす」と、小田実の「何でも見てやろう」だったとか。ストーリーは音楽とセックスと人生と、という時代を感じる青春小説ですが、希望と絶望が交差するような青年の旅行小説と読むと、また違った趣があります。
ちなみにパリはヨーロッパのジャズの都。この小説は「スイングしなけりゃ意味が無」かったバガボンドたちを思いながら、パリで読むのも一興です。 -
主人公であるジュンは「大学の講義を聴くよりも、数倍良い経験が出来た」と言う。
旅を通して色々な経験をし成長していく。
旅の魅力、そしてなにか煽動力がある。
今まで読んだ旅物語の中でも最高の作品であることは間違いない。
一晩で読みきってしまった。
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面白いけど、旅行記はその人がその時感じたことに魅力があるのでフィクションだとちょっとなぁ
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ヴィレヴァンのポップで紹介されていた「青年は荒野をめざす」
あのポップを書いてくれた店員さんに感謝です!ありがとう! -
旅に出たくなる、外へ出たくなるような冒険の楽しみを醸し出しつつも、ハードボイルドものに近い男臭さが心地いい。
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若い頃の五木寛之作品はとがっていい。ロシアが好きになった。旅に出たい情熱がある人や、夢中になれる力強い作品が読みたいとき。人生の創成期におすすめ。
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1967年に「平凡パンチ」に連載された小説。申し訳ないがかなり適当というか、デタラメな内容だと思う。もし現代の文学賞(どんなものでも構わない)にこれを送ったら、即刻ゴミ箱行きだろう。当時はこの程度でも通用したのだ、ということを学ぶという価値はあった。
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高校生の子どもの学校の先生が推薦していた本を手に取ってみた。副作用があるかもと添えていたが、さすがに高校生にはそうかもしれない。なかなかなハードボイルド感あふれる名著。
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自分のジャズトランペットに足りないものは何か?
を求めて旅に出たジュンイチロウ。
ロシア、フィンランド、スウェーデン、デンマーク、スペイン、ポルトガルと旅を続けながら様々な人に出会い経験を積む。
音楽とは人間である。技術や知識も大切だが奏者の苦しみや喜び、葛藤を込めれなければそれはいい音楽とは言えないことを実感する。
まだ若い主人公は生きる意味を求め、自分の中の未知なる荒野を目指して旅を続ける。
ストーリーも登場人物もよかった。読んでいてのめり込むような面白さがあった。日本人の主人公がやたら外国でモテるのは ? だったが。
自分の中にもまだ荒野はあるのだろうか? -
旅に出たくなる気持ちを高めてくれる熱い本。音楽と旅は相性がいい。
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ジャズのトランペッターを目指して、外国を放浪する話。ジュンはきっとかっこいい青年なんだろうなあ。全てが上手くいきすぎてる気もするが、日本人でもカッコ良いってのが読んでいて楽しかった
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男たちは常に終わりなき出発を夢にみて、荒野をめざす。
それが青年の特権で、何が待っているか知れない荒野を突き進む。
「あれはハングリー・ハートなんだ。不幸でなくてもいいから、不幸のなんたるかを実感をもってわかる人間じゃないといかん。つまり苦しんでいる人間との連帯感の有無が問題であるような ―――」
<プロフェッサー・島木> -
冒頭「これは1960年代、旧ソ連とアメリカの間で激しい対立が続いていた時代、そして人工衛星が初めて宇宙を飛んだ時代の物語である」ってコピーから始まります
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とても気持ちの良い青春小説。ひねくれたところもなく、グロテスクでもなく、等身大の目線で見たものを描いている。
自分の中のもやもやに苛立ちつつも向き合い、夢を追いかけるのが危なっかしくもあるが清々しい。 -
テーマ「若者の狂気」
ビブリオバトルで知った小説。
青年が行き先を決めずに"旅することそのもの"を目的として日本を出る所や、自分も住んでいたことのある北欧に長く滞在するらしいことを知って興味が湧いた。
主人公のジュンはジャズとトランペットをこよなく愛する高校生だが、なじみのバーでバンドを組む仲間からは「音がお坊ちゃんすぎる」と評されてしまう。どうしても本物のジャズが知りたい彼は旅に出て自らを試そうと決意するが、善は急げとばかりにわざわざ大学受験に失敗するところは尊敬する。わざとだとは書いていないがどう考えてもわざとだ。
自分もいい加減無鉄砲だが、そこまでの勇気は出なかった。
せいぜい失恋が理由で留学した程度。しかも自分で稼いだのではなく奨学金を使うあまちゃんぶり。まだまだ修行がたりない。
あふれる情報にともすれば溺れてしまいそうにもなる昨今、「目的意識を明確に」とさかんに言われている。
しかし、選べないなら選ばずに浮遊してみても悪くないのでは?と思わせてくれる書だと思う。
冒頭では大事そうにトランペットケースを抱えた「男の子」だったジュンまが、ロシア、フィンランド、パリ…と進むに連れて「若者」になり「男」へと成長していく様が清々しい。
キザで良いカッコしいで女からすれば天敵だとしか思えない人物ではあるが。
彼は各地でキーパーソンと出会っては偶然の再会を繰り返している。出会いの中には一夜限りの恋も多数含まれているが、あれだけバッタリ会うことを繰り返せばデート中に前の国の元カノと出くわしそうなのに一度もない。
このあたりを紀行小説における男のロマンと捉えるか、都合が良すぎると批判するかは分かれるところだと思う。個人的には、いけしゃあしゃあとそんな展開にする作者は女で苦労したんじゃなかろうかとふんでいる。でなければ愛憎劇だってたっぷり描くはず。リア充は往々にしてめんどくさいことを語らない傾向にあるものだし。
16歳で刹那的に留学した私には共感できる部分も多いが、堅実で計画性のある人々にとっては時として相手の気持ちを省みない…特に女心を鳥の羽根よりも軽く扱うジュンの言動に苛立ちを覚えるかも知れない。
ただ、他人とぶつかることがあっても良いのだということを彼は教えてくれる。
仲良く和気藹々とやっていくだけが正しい方法ではないし、そういったやり取りだけでは見えて来ない部分もある。
ぶつかりあうことで粉々に砕け散ることもあるだろうが、割れたその断面にはこれまで姿を見せていなかった面が現れていたりする。
宝物はそれなのではなかろうか。
根はそんなに悪いやつではない。ナチスドイツの収容所で心に傷を負った芸術家や、黒人のバンド仲間が白人から貶められた時に加勢したりもする。
これらのエピソードに関してはグロテスクだが、この経験があったからこそジュンは人の痛みが分かるようになったように私は感じている。
可も不可もなく過ぎていく毎日が何故か不安だけれども、行動を起こすだけの勇気がないという時にはぜひこの作品を手にとって見て欲しい。その後何かをするか、やはり何もしないでおくかは自由だ。
どれを選んでも正解かも知れないし、もしかしたら間違いかも知れない未来。それこそが荒野であり、誰の目の前にも平等に広がっているものだと思う。 -
桜庭一樹さんの荒野を読んで、購入。
なんか自分に息子がいたら、高3のときに読んでほしい。
著者プロフィール
五木寛之の作品
