新装版 青年は荒野をめざす (文春文庫) (文春文庫 い 1-34)
- 文藝春秋 (2008年5月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167100346
作品紹介・あらすじ
ジャズ・ミュージシャンを目指す二十歳のジュンは、ナホトカに向かう船に乗った。モスクワ、ヘルシンキ、パリ、マドリッド…。時代の重さに苛立ちながら、音楽とセックスに浸る若者たち。彼らは自由と夢を荒野に求めて走り続ける。60年代の若者の冒険を描き、圧倒的な共感を呼んだ、五木寛之の代表作。
感想・レビュー・書評
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面白いとは思う。60年代の若者たちが熱狂した理由もわかる。彼らは本書を読みナホトカ航路を目指した。当時の船上には何人のジュンがいたことであろう。
しかし御都合主義が過ぎる。本物のジャズを求める旅がなぜセックス三昧になり、ジュンは挫折もなくこれほど万能なのか。荒野が人工芝のように感じる。そうか。平凡パンチに連載されていたのか。謎が解けた。否定するわけではない。極めて漫画的なのだ。現代であれば子供だましのフィクションと割り切れるが、情報の少なかった60年代、本書が若者たちの放浪の後押しになったことを考えれば多少の無責任さを感じてしまった。期待値が高かっただけに。
破天荒な60年代はこれでよかったのかもしれないが、個人的には『深夜特急』のような苦悩と喜びを内包した作品のほうが好みであった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公であるジュンは「大学の講義を聴くよりも、数倍良い経験が出来た」と言う。
旅を通して色々な経験をし成長していく。
旅の魅力、そしてなにか煽動力がある。
今まで読んだ旅物語の中でも最高の作品であることは間違いない。
一晩で読みきってしまった。
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「五木寛之」を代表する作品のひとつ『青年は荒野をめざす』を読みました。
昔っから、読もう、読もうと思っていて、なかなか読めてなかった作品… ようやく読みました。
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青春の冒険を描き共感を呼んだ「五木寛之」の代表作
モスクワ、ヘルシンキ、パリ。
ジャズとセックス、薬。
20歳の「ジュン」の冒険を求めた青春の彷徨。
熱狂と頽廃の先にあるものは何か
ジャズ・ミュージシャンを目指す二十歳の「ジュン」は、ナホトカに向かう船に乗った。
モスクワ、ヘルシンキ、パリ、マドリッド…。
時代の重さに苛立ちながら、音楽とセックスに浸る若者たち。
彼らは自由と夢を荒野に求めて走り続ける。
60年代の若者の冒険を描き、圧倒的な共感を呼んだ、「五木寛之」の代表作。
解説「植草甚一」
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「五木寛之」が、実際にソ連と北欧を旅した際の経験が下敷きになっており、主人公の青年「ジュン」が、横浜~ナホトカ(当時のソ連 極東シベリア)~モスクワ(当時のソ連)~ヘルシンキ(フィンランド)~ストックホルム(スウェーデン)~コペンハーゲン(デンマーク)~パリ(フランス)~マドリッド(スペイン)~リスボン(ポルトガル)~ニューヨーク(アメリカ)と旅する模様が描かれた作品です。
■第一章 霧のナホトカ航路
■第二章 モスクワの夜はふけて
■第三章 白夜のニンフたち
■第四章 地下クラブの青春
■第五章 人魚の街のブルース
■第六章 パリ・午前零時
■第七章 南ヨーロッパへの旅
■解説・植草甚一
「ジュン」に感情移入しつつ、次はどんな出来事が待っているんだろうかと、ワクワクしながら読みました。
様々な土地を巡るだけでなく、移動手段もフェリー、貨物船、国際急行列車、航空機、乗用車等々… 多様なところも、旅情をかきたてますね。
そして、自由と夢を求めて、もがきながらも前に進もうとする姿勢に共感… 愉しく読めましたね、、、
十代のときに、この作品に出合っていたら人生が変わっていたかもしれないなぁ… と思いました。
もう冒険できる年齢じゃないけど、、、
もう一度、青春時代をやり直せるなら、こんな人生を歩んでみたいな… と思わせる作品でしたね。
読んでいると、ジャズ聴きたくなりましたねぇ… 自分で演奏できるのが理想だけど、楽器を奏でることなんてできないもんね、、、
久々にジャズに浸りたくなったな。
「青年は荒野をめざす」… イイ言葉ですね。 -
面白いけど、旅行記はその人がその時感じたことに魅力があるのでフィクションだとちょっとなぁ
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ヴィレヴァンのポップで紹介されていた「青年は荒野をめざす」
あのポップを書いてくれた店員さんに感謝です!ありがとう! -
旅に出たくなる、外へ出たくなるような冒険の楽しみを醸し出しつつも、ハードボイルドものに近い男臭さが心地いい。
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若い頃の五木寛之作品はとがっていい。ロシアが好きになった。旅に出たい情熱がある人や、夢中になれる力強い作品が読みたいとき。人生の創成期におすすめ。
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1967年に「平凡パンチ」に連載された小説。申し訳ないがかなり適当というか、デタラメな内容だと思う。もし現代の文学賞(どんなものでも構わない)にこれを送ったら、即刻ゴミ箱行きだろう。当時はこの程度でも通用したのだ、ということを学ぶという価値はあった。
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高校生の子どもの学校の先生が推薦していた本を手に取ってみた。副作用があるかもと添えていたが、さすがに高校生にはそうかもしれない。なかなかなハードボイルド感あふれる名著。