夏草の賊 下 (文春文庫 し 1-25)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105259

感想・レビュー・書評

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  • 終盤、話が一気に減速したように感じたのは、元親の晩年のせいだろうか。
    でも、盛親を扱った「戦雲の夢」を通して持っていた元親のイメージは変わりました

  • 長宗我部元親の晩年。人は夢がなくなると老け込んでしまうのだな。「しょせんは、田舎にいる不利というものである。時勢のうごきにうといというより、そういうものへの敏感な感覚は、うまれてこのかた、必要もなかった。自然、持ち合わせていない。」これは今の時代でもそうだと思う。

  • 再読終了。
    作家はこの人物をどう扱いたかったのかな?何か一通り史上の人物を抑えるぞ、みたいな感じもなくはなく。
    それだけ中途半端な感じなんですが、日本という小さき世界ではこういうことになるのかな?それこそムラの長の戦いみたいな感じに終始したなぁ、特に下巻は。
    何か哀しいというか、身につまされるというか。

  • 2019.8.2(金)¥100(-20%)+税。
    2019.8.23(金)。

  • 自家の存続と、自らの信念を貫くことを天秤にかけて悩む元親。
    信念を諦めてからの凋落ぶりに、考えさせられた。

  • 15/5/27読了

  • 夏草の賦「上」のレビューご参照。

  • 四国から覇を唱えようとした、長宗我部元親。
    地理的要因で中央に出ることはできなかったことで、運が悪かったと本人に言わせているが、その裏で天下を取るには器量が足りなかったとも結論付けている。

    四国統一に時間を費やし、その間に秀吉の天下統一事業が完結したことで、晩年は悔しさを滲ませながら、太閤に仕え、そして関が原で滅びていく長宗我部家。

    戦国の世の戦の仕方、武士の誉れの考え方などが、敗者の眼から見た世界がよく語られている。

  • 素晴らしい。泣ける。尊敬する人は父ですと言わないあなたに読んでほしい。世界はこうやって広がってきた。

  • 「あと十年早く生まれていれば天下を統一できた。」とは伊達政宗の言葉。

    同様に元親も
    「僻地の土佐ではなく東海の地に生まれていれば天下を統一できた。」と嘆く。

    天下統一を夢見ながら本能寺で倒れた信長の後を収拾し引き継いだ秀吉の前に、一度は戦を試みたが成すすべなくひれ伏す元親の姿がそこにあった。

    四国全土を統一を夢見、中央を脅かした風雲児元 親の生涯の物語。

    若く血気盛んな元親とは対照的に、晩年は野望を待たず静かに土佐において余生を暮らす。

    秀吉の傘下のもと、九州島津征伐の際に自分よりも経験という面を除いて全て優れている世継の弥三郎信親を亡くし、そのすぐ後に正室の菜々をも失う。拠り所の無い晩年の元親の姿は儚く、どこか哀愁漂う。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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