ムツゴロウの結婚記 (文春文庫 108-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167108021

感想・レビュー・書評

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  • 「青春期」が、「あの(いっちゃってる感じの)ムツゴロウさんが、こんなにまともな、面白い、うまい文章を書けるんだと驚きに満ちて読んだのに対し、驚きの面で少しハンデがある本書ではあるが、やはり面白い。次はムツゴロウさんがどのようにして動物学者になるのかを読んでみたい。

    人間の営みに関するさまざまな鋭い考察の中で、一つとても心に残る、体験に関する考察があった。
    『出来上がった大人は大抵人生についての自信家である。自分はかく生きてきたというなまなましい体験を持っていて、人生が分かった気でいる。その実、わかってなんかいないのである。』
    『また体験というのがクワセモノである。「この目で見た」「この体で経験した」ということは、その人にとって最も強い説得力を持っている。だがその反面毒薬と同じで、見たがゆえに十字架を背負わされることだってある。』
    『私は自信家どもをへこまそうとは思わなかった。自信を持っているのは結構なことである。ただその自信が本人の人生にだけ有効なのであって、こちらまで支配され腐食されるのが困るだけだ。』

    自分もついつい、自分の体験を一般化・絶対視し人に押し付けがちな人間だ。そして他人にその人の体験を一般化されるほど不愉快なことはない。
    そこをわかったうえでムツゴロウさんのようにうまく立ち回りたいものである。

  • あっというまに読んでしまった。

    ムツゴロウさんの表現が面白い。

    とくに、妻との臨場感のあるやりとりは圧巻。

  • 面白い。ただ、青春記、放浪記と比べるとやっぱりちょっと物足りない。結婚観などはやはり今の視点からするとステレオタイプで時代錯誤感は否めないところはある。当時であれば、駆け落ちに近い大恋愛は破戒だったのだが。

    純子さんが魅力的、特にビフテキ、おせちの話が面白い。お金がなくなって寝正月を決め込もうというときに「でもね、ときどき声をかけてもいいわよ。元気か、とか、頑張れよ、とか」というセリフがとてもよかった。

  • 最高の恋文、また自ら身を離れる順子さんとのシーンと追いかけて帰郷する正憲の姿は頭の中で再生される影像が眩く恍惚として感動した

  • 絶対読んでいるけれど何も思い出せないのです。欠かさずに動物王国のTV見ていました。ムツゴロウさんの娘と結婚したいと思っていました。じゅんこさんでしたかね奥様。優しくて上品な感じでした。全くレビューではない。

  • ムツゴローは 私にとっては生理的に
    受け入れがたい 感じの人のように思える。
    動物系というか ヘビ系のような ぬめぬめしたところがある。
    ・なんでも 食ってしまおうとする意欲
    ・旺盛な冒険心;今の日本の青年がわすれたようなもの。
    ・この結婚記のように 赤裸々に暴露する趣味。
    ・独特な作風。
    ・ユニークな発想
    『青春とは、愛とは、結婚とは、父とは』
    というところに 直接的にチャレンジしているのが
    ほほえましい。
    ・生物学の発想方法が面白い。
    という をあげると エネルギッシュな人なのだが
    どうも 生理的にあわないなぁ。

  • ここ最近で一番おもしろかったと思う!

    誰かの生活や頭の中を
    のぞき見できちゃうような「エッセイ」というものが
    昔から好きだからこそ、なおさら。

    やっぱりムツゴロウさんって変なんだなぁ。
    そして、奥さんの純子さん、彼女についての外見の描写は作品中にほとんどないのに、
    読み終わるころには、純子さんのイメージはほぼ完ぺきな状態で
    私の中に出来上がっていました。

    「人生を生きるための戒め」なんかを硬い言葉で語っていたりなんかしないのに、
    読んだ後なぜか身がひきしまる思いがした。

    好きな人を大切にするには、たくさんのやり方があることも
    再確認できました。

  • 090422(t 090831)

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著者プロフィール

1935年、福岡県生まれ。「ムツゴロウさん」の愛称で親しまれる。その純真無垢にして豊かな感性での動物・自然とのかかわりは大きな支持を得ている。1968年、「われら動物みな兄弟」で、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。1977年、環境の文学で菊池寛賞受賞。2008年、『ムツゴロウの東京物語』(柏艪舎)を出版。

「2009年 『ムツゴロウのニッポン物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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