前世の記憶 (文春文庫 た 26-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167164089

感想・レビュー・書評

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  • ジャンルが難しいが、フラッシュバックする忘れていた記憶と盛岡がテーマで、思い出したら怖いという短編集。

    昔繰り返し聴いていたがヒットしていない曲、その楽しげなフレーズから、開かずの間を思い出す。日の当たらない開かずの間では、なぜか若い叔母と男性が楽しげに暮らしていて…。

    高橋克彦の十八番である怪談とホラーの中間という点では、それぞれの単体はよく出来ている作品であろう。ただ、集めてしまうと辛いのが、全部同じパターンで、「何で思い出すかな?思い出したら人が死ぬやつだよね」と3本目くらいで変な予想をし始めるので、後半の新鮮味は感じられないのが難点。途中、親の不倫という話が被っているのも食傷。

    ただ、後半になればなるほど、幕切れはマイルドになっていくのは、読んでいるものにしては、救いの有るところだろう。

    全作、最後の切れ方がぼんやりとした詩のようになっているのは、この人の特徴では有るのだけど、それ必要だったかなあというものもいくつか。怖いままでブツッと切ってほしかった。

    これまで読んだ髙橋作品の中では、まあまあ読みやすいので、電子書籍で買って、1本ずつ間を開けながら読むがオススメの読み方だ。

  • 前世の記憶 / 初出 別冊文藝春秋 1992年199号
    針の記憶 / 初出 オール讀物 1994年11月号
    傷の記憶 / 初出 オール讀物 1994年8月号
    熱い記憶 / 初出 オール讀物 1995年8月号
    匂いの記憶 / 初出 オール讀物 1995年2月号
    知らない記憶 / 初出 オール讀物 1995年5月号
    凍った記憶 / 初出 オール讀物 1995年11月号
    昨日の記憶 / 初出 小説新潮 1994年3月号 (「昨日に逢いたい」 改題)
    解説 「記憶は交流する」 (荒俣宏)

    『前世の記憶』 1996.2 文藝春秋刊 文庫化

    カバー 峰岸達
    印刷 凸版印刷
    製本 加藤製本

  • 記憶シリーズ2作目。
    8編の短編集。
    今回も人の記憶に纏わるお話で、前作同様に岩手県がそれぞれのお話の舞台になっています。
    前世の記憶が引き継がれるメカニズムについて著者のドールズシリーズでも言及されていましたが、この作品でも表題作にて少し触れられていました。
    前作よりも心なしか読みやすかったです。
    音や匂いで引き起こされる記憶に自分も経験があるからかな。
    ちょっぴりオカルト色を感じさせるものもあり、『針の記憶』が好きです。
    記憶の話ばかりを立て続けに読んでいると飽きてしまうかもしれませんが、3作目を続けて読みます。

  • 心の奥の不思議な部分がくすぐられる。

  • 前作『緋い記憶』よりもこちらのほうが好き。
    ラストの章が特にホラー色が濃かったなあ。

  • 「緋い記憶」につづく「記憶」シリーズ第二段

  • ホラー

  • 直木賞受賞作品【緋い記憶】に続く、「記憶シリーズ」第二弾。8つの作品が収録されています。基本的には、心の奥底に封じこめていた記憶が、ふとしたきっかけで甦るというパターン。この甦る記憶というのがどの作品も結構ドロドロしたものなので、読んでいるとつい気分が暗くなってしまいます(^^;しかし、ジワジワとした恐怖がなんともいえず、今回3回目の読み直しでした♪ちなみに高橋克彦さんは、私と同じ東北在住です☆

  • 受賞した「緋色の記憶」よりもこちらの方が私の好みです。
    最近のホラーは品がないので嫌ですが、これはぞくっと来ました。高橋克彦はこういう感じの短編が好きです。

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著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒業。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する。他の著書に『炎立つ』(全5巻)、『天を衝く』(全3巻)などがある。

「2009年 『To Tempt Heaven』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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