- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167182243
感想・レビュー・書評
-
大王(崇峻天皇)を遥かに凌ぐ権力を持つ蘇我馬子の傀儡になることの無いよう反発しながらも、彼の力を利用し自らのやりたい世の中を作ろうとする厩戸。
そのために、妻である馬子の娘、刀自古郎女とは別に、豊御食炊屋姫の娘である莬道貝蛸皇女と婚姻を結び新たな展開が始まる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
皇子といえども好きな女人を好きなだけ抱けるわけではない。馬子の掌で転がされている皇子たちがなんともせつない。厩戸王子はこれまで馬子の傀儡大王にはなりたくないと、権力争いには無頓着だったが、ついに馬子の好きにさせまいと決意した…3巻早く読みたい!
-
「聖徳太子(2)」黒岩重吾著、文春文庫、1990.04.10
376p ¥480 C0193 (2021.10.20読了)(2002.02.01購入)
(表紙カバーより)
蘇我馬子は、女婿となった厩戸皇子を皇太子に立て、いずれ自分の意のままになる大王に仕立てようとする。しかし厩戸は、傀儡大王なら大王にならなくともよい、と側近たちに明言。馬子と対抗するために、馬子も一目置く大后(のちの推古)の娘・菟道貝蛸皇女を正妃に迎えようと決意し、開明派の豪族たちと結びはじめた。
聖人・聖徳太子の物語というより、性人・聖徳太子の物語という感じです。
娯楽時代小説という位置づけなのかと思います。
厩戸皇子は、蘇我馬子の娘・刀自古郎女と結婚しますが、通い婚ですね。
厩戸皇子の父は、31代天皇の橘豊日大王(用明天皇)で、32代天皇は、厩戸皇子の母・穴穂部間人皇后の弟・泊瀬部大王(崇峻天皇)です。
蘇我馬子が政治の実権を握り、泊瀬部大王には実権はありません。
【目次】
別離
陽光の季節
☆関連図書(既読)
「聖徳太子(1)」黒岩重吾著、文春文庫、1990.04.10
「日出処の天子(1)」山岸涼子著、白泉社、1980.08.25
「日出処の天子(2)」山岸涼子著、白泉社、1980.12.25
「日出処の天子(3)」山岸涼子著、白泉社、1981.04.25
「日出処の天子(4)」山岸涼子著、白泉社、1981.11.25
「日出処の天子(5)」山岸涼子著、白泉社、1982.04.25
「日出処の天子(6)」山岸涼子著、白泉社、1982.09.25
「日出処の天子(7)」山岸涼子著、白泉社、1983.03.25
「日出処の天子(8)」山岸涼子著、白泉社、1983.08.24
「日出処の天子(9)」山岸涼子著、白泉社、1984.02.23
「日出処の天子(10)」山岸涼子著、白泉社、1984.07.24
「日出処の天子(11)」山岸涼子著、白泉社、1984.12.25
「聖徳太子(1)」池田理代子著、創隆社、1991.11.08
「聖徳太子(2)」池田理代子著、創隆社、1992.02.20
「聖徳太子(3)」池田理代子著、創隆社、1992.06.15
「聖徳太子(4)」池田理代子著、創隆社、1993.03.31
「聖徳太子(5)」池田理代子著、創隆社、1993.07.24
「聖徳太子(6)」池田理代子著、創隆社、1993.10.29
「聖徳太子(7)」池田理代子著、創隆社、1994.11.10
「飛鳥の朝廷 日本の歴史 3」井上光貞著、小学館、1974.01.31
「飛鳥王朝の悲劇」大羽弘道著、光文社、1977.01.31
「蘇我蝦夷・入鹿」門脇禎二著、吉川弘文館、1977.12.01
「飛鳥 新版」門脇禎二著、NHKブックス、1977.12.20
「NHKさかのぼり日本史⑩奈良・飛鳥」仁藤敦史著、NHK出版、2012.06.25
(アマゾンより)
性に憧れ、政争を忌みながらも、着々と理想国家建設に励む聖徳太子。その赤裸の実像を豊かな知識と雄渾なスケールで描いた話題作 -
母親の再婚や聖徳太子の妻が身籠り、少しづつ大人に成長して行く。
まだまだ聖人らしくないけど、どう成長していくんだろう?
次の巻が楽しみ。 -
黒岩重吾の聖徳太子第二巻。
相変わらず歯切れのよい文章と、適度な解説が入り、読みやすかった。
17歳〜18歳までの思春期真っ只中の厩戸を描く。
刀自古との結婚出産、兎貝蛸皇女との婚姻、政界への進出、馬子との確執の前の静けさ、母の再婚による別離、河勝との別れ・赤檮との始まり、そして夜伽の女との愛欲。
二巻では、ざっとこんな↑内容が物語になっていた。
いまは二十歳で成人だけど、
当時は17,18歳で一人前の大人として扱われる。
結婚し、子供がいて当然の年。
いまでさえ、
20代で結婚・出産と聞くと、随分早いなと思うのに、
20歳手前でそれだから凄い。
しかも、そこに個人の自由はほとんどない。いまと違って、階級社会だし、氏族意識は強いし、男女差別もひどい。
そのなかで、厩戸は、わりとニュートラルなタイプの人間だったようで、
それが厩戸が聖君として慕われる最も重要なファクトだった様子。
逆に今後の危険要素ともなりうるところで、河勝や赤檮は、厩戸のこの魅力を魅力と感じつつも、抑制をうながす働きをしていた。
篠原氏の『悪行の聖者〜』では、
赤檮は馬子や刀自古の手先的な立ち位置で描かれていたが、本書では河勝に続いて厩戸に忠誠を誓う舎人長として描かれている。
次はそろそろ馬子との確執が始まるのかな?と内心ワクワクする。楽しみだ!
しかし、この時代、夏はまだしも、冬が本当に寒そうで、読んでいるだけで、寒くなる。。。
坐骨神経痛もちの私、この時代に生まれていたら、めっちゃ大変だっただろうな。。。絶対、農民はイヤだ!と思うくらい、本当に寒そうな情景描写がたくさんありました。ひぇー。 -
飛鳥
聖徳太子