若き実力者たち (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.57
  • (8)
  • (12)
  • (24)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 134
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167209018

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • まだジャンボ尾崎が若く、河野洋平も上り調子の政治家で、市川海老蔵は先代のころの作品。
    河野洋平氏の競馬にまつわる話と、ちょこちょこ栗林友二氏が登場するあたりが大変興味深かった。この時代の話はこの時代の本にしか載っていないわけで、非常に貴重。
    畑正憲氏の「ムツゴロウ」の語源はWikipedia上では出典なく議論になってるようだけれど、この本には編集者説が書かれてますね。

  • 沢木初期の作品。50年近く前に書かれたもの。本棚に眠っていたものを取り出して読んだ。当時各分野で活躍している若手の人物12名についてのルポルタージュ。徹底的に取材して、深い洞察力で文章をまとめている。20代の若者が、これだけの大物に対等に伍し、取材を行う。実行力、コネクション力が尋常ではない。毎回脱帽させられっぱなしだ。

  • 俺もこんな本書いてみたいと思った。

  • 凄い本を読んでしまった!
    尾崎将司、唐十郎、河野洋平、秋田秋大、安達トウ子、畑正憲、中原誠、黒田征太郎、山田洋次、堀江謙一、市川海老蔵(先代)、小沢征爾といった若き実力者たちが凄いのは勿論、その12人を冷静な目で、その個性に合わせた語り口で表現する25歳の沢木耕太郎が何より凄い。
    当時の若者たちは戦争経験で一度自分の意思と関係なく人生が流転していること、それをそれぞれが消化しようとしていることは戦争経験が人に及ぼす影響について興味をもたせる。

  • ムツゴロウさんとか、ジャンボ尾崎とか、そんな人たちの若い頃の輝きがすてき。でも、一番輝いているのは、インタビュアーである沢木さんご本人の溌剌とした筆致ぶり。

  • 先日読んだ沢木耕太郎さんの作品に触発されて、、、というか(深夜特急)しか印象になかったので、他の作品も読んでみようと思い、「若き実力者たち」1973年刊(ふる~い)と「檀」を続けて読んでみた。

    「若き実力者たち」は作家初めての作品で、1973年当時の各界若手実力者にインタビューした内容が記されている。 小澤征爾、市川海老蔵(今の団十郎)、河野洋平、山田洋次、堀江謙一etc。。。
    中でも面白かったのは堀江謙一編~ 太平洋ひとりぼっちで脚光を浴び、その後の世界一周で失敗した翌年のインタビューだったので、人生の光と影を実感した堀江氏の姿がクッキリと浮かびあがっている。当時20代の作者の筆力はスゴイと思った。

  • なぜだろう。なぜ沢木耕太郎の書く文章には、のめりこんで読まされてしまう様なところがあるのだろう。この本は、ほぼデビュー作と言っていいもので、沢木耕太郎25歳の時の作品らしい。『深夜特急』は27歳の時の旅みたいだし、自分の20代の後半の生活と比べてみるとなんだか全然違うよなぁ。まあ、そりゃあたりまえか。さて、ではわしの実力をご披露するか。◎互角○おしい△もうちょい×これが普通だよ尾崎将司 ジャンボ尾崎、同郷です。 ◎唐十郎 だれそれ。 ×河野洋平 見たことあるけど △秋田明大 少年チャンピオンかぁ? ×安達瞳子 さっぱり! ×畑正憲 ムツゴロウ ◎中原誠 羽生さんとは対局してねのかな。 ○黒田征太郎 はて ×山田洋次 寅さんで有名だけど、初めて顔見た。 ○堀江謙一 そりゃしってるわさ。 ○市川海老蔵 ハッキリ言って見分けは付きません ×小沢征璽 民主党、ではないぞこのボケ! ○だめだ、こりゃ。すまぬ。

  • 沢木耕太郎25歳のときに発表された初の著書。当初の売れ行きは絶望的なものだったらしいと後に沢木自身が語っていますが、内容は絶品。河野洋平、畑正憲、中原誠、山田洋次、堀江謙一、小沢征爾といった分野の違う12人の「若き実力者」を取り上げたルポルタージュ。

    1人につき1ヵ月の猶予しかない中での取材・執筆によって生まれたこの作品を読むにつけ、沢木耕太郎=「若き実力者」のひとりだよと感じさせられます。

    巨匠の復活 尾崎将司
    廃墟の錬夢術師 唐十郎
    疾走する野牛 河野洋平
    過ぎ去った日々ではなく 秋田明大
    華麗なる独歩行 安達瞳子
    面白がる聖心 畑正憲
    神童 天才 凡人 中原誠
    錨のない船 黒田征太郎
    望郷 純情 奮闘 山田洋次
    人魚は死んだ 堀江謙一
    十二人目の助六 市川海老蔵
    沈黙と焔の祭司 小沢征爾

  • 2008/04/21 読了 ★★★★
    2010/08/24 読了

  • 沢木氏の本。1979年。畑正憲・山田洋次・小沢征爾らの取材。いまの確たる地位を築いている人たちの過去を紹介している。面白い。

全13件中 1 - 13件を表示

著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

沢木耕太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×