夕陽が眼にしみる (文春文庫 さ 2-10)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167209100

感想・レビュー・書評

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  • 1982年から10年間の間に書かれたエッセイや書評をまとめた本。『路上の視野』の続編という位置づけです。やはり僕にとって一番興味深く読めるのは、「第1部 夕陽が眼にしみる:歩く」。中でも「異国への視線」で展開されている小田実『何でも見てやろう』論、吉行淳之介『湿った空乾いた空』論は秀逸です。第3部に収録されている「彼の視線:近藤紘一」も、何だか泣けるなあ。

    文庫本は、『路上の視野』同様3冊に分けてまとめられています。

  • この本はエッセイだけど。旅のお話と氏が読んだ作家たちのお話が半分ずつ書いてある。ちょっと不思議だなあと思ったのは。色川武大とか開高健とか藤原新也とか。自分の好きな作家たちが本書に登場するんだ。こういう自分の好きな人たちばかりで囲まれた感じがいい。その主催者が沢木氏なわけだから。ボクの変態度はUPする。多くの旅の写真展にはなぜか子供と老人ばかりなのはなぜか。そう。旅人は自分の中は世話しないが現地に飛び込めば彼らと同じ暇人なのである。声をかけてくるのも子供や老人。他の忙しくしている中間層には出会わない。むむ。夏に向かってまた例の旅虫が騒ぎ出した。

  • ややキザなところがかなり苦手なんだけども、しかし誰よりも共感できて、使われる比喩でここまでスッキリできる作家もいないんだよなぁ。
    三島に対する、『なにをかくか』ではなく『いかにかくか』なんて分析もモロビンゴ。
    なかなか上手く表現できないで自分の中に沈んでいる考えを綺麗に掬いあげ、絶妙なレトリックで磨きあげて誰にもわかりやすい形にしてくれる、そんな感じ。
    イヤ、これってマジでかなりの快感。。。
    何にも増して『キザ』ってのがダメで、そう感じる作家の作品はまず2度と読む事はないんだけど、キザでも唯一許せる作家が沢木耕太郎かも。

  • 退屈でした。

  • 作家の考えることはオモシロい。いろいろな方との会話が紹介されている。

  • エッセイでありながら、どうにも眉唾な感じがしてならない。『深夜特急』のファンだっただけに残念である。
    ただし、そんな感情を持ってしまった裏には、旅行ができる作者に対する嫉妬があるのかもしれないと気づいた。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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