アニマルの謝肉祭 (文春文庫 285-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167285029

感想・レビュー・書評

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  • 2019の最後の読了。何だこれ?

    世界的に活躍するヘアデザイナー楯林は、祇園祭の月鉾を見ている最中に脇腹を刺された。凶器は数日前に全焼し、焼死したライバルの美容師が使っていたと思われるハサミ。一命をとりとめた楯林に、さらなる危険が迫る。

    なんていうか、あらすじも適当でいいや。その程度の内容。

    いやー、ここまで全く入れなかった小説は久しぶりだわ。美容業界という馴染みのない世界はともかく、それを説明しようとしないことや、業界独特の人間関係など、もうちょっと読者の入り込む部分があっても良かったのではないか。また、主人公の同業者に視点を移したり、苗字で記載されていた名前が名に突然切り替わったり、複数人の会話のみの説明のない文章が続き、誰が発した言葉かわからなかったり…。

    そもそもの話、主人公の楯林の年齢すらピンとこなかったいレベルの記述の、感情移入を阻害した原因かと思うのだ。

    結局、だから何やねんというストーリーに終止し、ショーモナイ動機だったことがわかるわけで、作者は意地でもハードボイルド小説にしたかったが、編集長から「理容業界でお願いしますよ」とゴリ押しされ、いやいや書いた小説だったのかな。あとがきでJUNONに連載とのこと。漫画的に会話や登場人物の書かれた、説明の多い挿絵でも入ってたのかもしれないな。

    あとまあ、古いから仕方ない部分かもしれんが、方言指導が致命的。京都の女言葉のやりすぎに加え、男が女言葉をしゃべるのが気持ち悪くて。

  • 華やかなような、ほの暗いような…ドキドキします。赤江瀑先生の京男は妖艶! 東男は魅惑!

  • 07/5/18
    20年前の作品ですが、今読んでも全然古くない。面白かったぁ。『ソロモン・グランディー これでおしまい』

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著者プロフィール

1933年下関生。日本大学芸術学部中退。70年「ニジンスキーの手」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。74年『オイディプスの刃』で角川小説賞、84年『海峡』『八雲が殺した』で泉鏡花文学賞。2012年没。

「2019年 『オイディプスの刃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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