- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167287061
作品紹介・あらすじ
農家の嫁としての経験が生み出した処女作「村芝居」から円熟期まで宮尾文学の源流をなす名品集「彫物」「金魚」「自害」「水の城」「村芝居」「千代丸」「菊籬」「宿毛にて」収録。(藤田昌司)
感想・レビュー・書評
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宮尾作品は、スケールの大きい長編が多い印象が強いので、短編集をどうしても読んでみたかった。ようやく手に入れた本書は、宮尾ワールドが見事に凝縮された珠玉の作品集だ。
それぞれに濃厚で脳が痺れるけれど、その濃さがクセになり、ページを繰る手が止まらない。歪んだ愛憎が浮かび上がってくる、その巧みな描写に心を掴まれた。長編にどっぷり浸かるのもいいけれど、短編は短編で、切れ味鋭くて魅力的だ。
恋愛物あり、歴史物あり、自伝的作品あり…色々な「女の生き様」を堪能できる、正にファン必読の一冊。
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メモ: 途中で図書館の返却期限来て返した。土佐藩つながりの短編あり。
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他にも読んでみようかな 初めての宮尾さんでした
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昔の女性の、生々しい感情が迫ってくる短編集。
「彫物」と「金魚」は秘めた女性の性がねっとりと表現されていて好き。
「自害」「水の城」「村芝居」あたりはなんだか入り込めなかった。 -
最近昭和の物語が好き。特に宮尾登美子ワールド、苦境の中生き抜いていく女性像にとても惹かれるものがある。この本でも各短編を楽しめた。
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宮尾登美子さんの書く女性らしい文体、
そして知的なセンスが大好き。
『彫物』は、彫師をめぐる姉妹の話だけれど、
結末の切なさ…。
ふと谷崎潤一郎の『刺青』を思い出してしまった。 -
着物の似合う美人作家さん、宮尾登美子さん。
知的で素敵です〜。
これは、何度か読んでる短編集なんだけど、、、
『金魚』『千代丸』はどちらかというと、好みじゃないな〜。
リアリティがありすぎるからかな?
一方、幻想的な情景が眼に浮かぶような
『自害』『水の城』なんかは夢中系です。
どっぷり物語の中に入り込んでしまいます。
いずれにしても、とても力のある作家さんですね。
この本は、異なった色合いの小作品を
楽しめる一冊、といえましょうか◎ -
初・宮尾登美子サマ・・・。「刺青」からもうやられました・・・。男が絡めば妹でも女は女。意地になり、そして・・・。