- Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167323011
作品紹介・あらすじ
かつてバクチの世界でならした私も、すっかり中年男になってしまった。が、ふとしたきっかけで年若い友人を得て、麻雀にバカラに久しぶりに燃えた。(沢木耕太郎)
感想・レビュー・書評
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麻雀放浪記から数十年後の、阿佐田哲也。人生を横目で生きている人の
物語。最後のドンデンが良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ギャンブルの極意は投資にも通じるところあり(損切りは早く、利益はなるべく伸ばす等)、ブラックジャック、ルーレットでカジノ側(ディーラー)と自分の運気の波を感じ取り、自分有利な時に大きく賭けて勝ちを増やし、そうでないときは少額の張りか見(張らずに観察)で負けの絶対額を減らし、通算成績で負け越してもトータルリターンで勝つ運用を目指すというのは奥が深い見解で、人生訓と言えるものかもしれません。
伊集院静のいねむり先生のモデルにもなった坊や哲こと阿佐田哲也(色川色大)がモデルです。個人的には機関車先生ののんびりした時間の流れよりもこちらの手に汗握る感じの方が好きです。
あえてこの本は運用のカテゴリーに入れ、個別銘柄投資をされる方には投資の心構えを染み込ませるために強くお勧めします。 -
運気の流れを読む
そういえば、運にも天運と地運というのがあるらしい -
『麻雀放浪記』の番外編。
主人公の阿佐田哲也が博打から遠ざかって10年くらい経って、すっかりおっさんになっちゃった後のお話。
色川武大の純文学らしさがもっと押し出されつつも、娯楽小説で、爽やかなエンディングになっていて楽しかった。 -
中年になった坊や哲。
あいかわらずバクチシーンはルールがよくわからず充分には楽しめない。
ラストシーンに著者の人生観、価値観、凝縮されてる感じするね。 -
阿佐田氏の本。1983年。カジノでのバカラに興味を持った。バカラは株式市場にも似ている気がする。
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「麻雀放浪記」で世間並みの生活に背を向け、博打だけによりかかって若年期を過ごした主人公のその後が描かれる。かつては「坊や哲」として恐れられる賭博師だった哲也も、頭の禿げ上がった立派な中年になり、親の家で居候みたいな暮らしを続けている。「麻雀放浪記」の時のような勇姿はみじんもない。色川武大名義で書かれたいくつかの著書でみられる、彼なりの人生哲学が色濃く反映されており、ギャンブルで全勝するのが不可能なように、人生も勝ち時負け時をしっかり見極めること、自分の運気を上手く捉えることが何よりも大事なのだという持論を強くうち出している。無法者の後日談としてだけでは受け取れない、小説を体現してきた著者の肉感がにじみでている。彼の言葉はいちいち重い。