- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167323059
感想・レビュー・書評
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仙台からの帰り電車の中で、読了。レビューは最終巻で。
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陽のささぬ世界の隅っこで、哲やドテ子みたいに生きてみたいと思う日もある。
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3巻がないから、先に番外編を読もうっと。早く買わないと。
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大昔に一大センセーションを巻き起こしたらしい麻雀小説。
ばくち打ちには、たまらない一冊やと思います。
ちなみに、You Tubeで検索すると、若かりし頃の真田広之を観ることができます。
だけど、僕は色川武大名義の小説が好きやなー。 -
第一巻青春編では、まだ子供子供していた哲が、いよいよカタギでない世界にどっぷりはまって、ヒロポン中毒で死にかけるところから話は始まります。
当時の世相がきっちり反映されているのも、このシリーズの読みどころですが、第二巻では、混沌の巷であった東京に、やや復興の兆しがみえる様子が、巧みに織り込まれています。
その一つがいわゆる「筋モン」の組織の復活。
空襲や何やで、終戦直後はやっちゃんたちも散り散りになっていたんですね。その代わりといってはなんですが、GHQが表も裏も仕切っていた。
だから第一巻では、アウトローの世界を描きながら、不思議とその種の人たちは登場しません。
ところが、第二巻では、ぼつぼつ陰の世界の仕切り屋たちが姿を現します。
まだ強大ではありませんが、ヒロポン、今で言うところの覚醒剤なんかを捌いて、徐々に力を蓄えつつある様子が描かれます。哲ちゃんも、まんまとそれにひっかかっているわけです。
やがて哲が流れていく関西でも、「組織」の影がちらつきます。
また、当時の在日の人たちの独特の雰囲気、小さくかたまって、互いを守りあう特異な世界の様子も活写しています。
博打列車も、博打寺も、混沌期の社会にはありそうな話です。
特に博打寺。戦争で困窮したうえに、檀家も窮乏したり離散したりで、威儀を保つためにやむを得ず、カジノまがいの副業に手を出したところも実際にあったのではないでしょうか。
第二巻は、第一巻よりは娯楽小説の雰囲気で、おかしな博打坊主やおきゃんな娘ドタ子など、マンガ的にデフォルメされた登場人物たちの活躍が目立ちます。立ち回りもあります。
ブウ麻雀という、展開の速い一回勝負のルールが中心となるため、第一巻の「積み込み」のように、目の覚めるような頭脳戦は見られず、少々セコイ小技がもっぱらですが、読み物としては楽しくできています。