ネコの亡命 (文春文庫 し 9-11)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167334116

作品紹介・あらすじ

モンゴルでネコの姿をあまり見かけないのはなぜか?-映画「白い馬」の撮影でひと夏を過ごした大草原でのロケ暮らし、北海道に完成した隠れ家の雪中試し住み、飛行機の中で威張り散らすサラリーマンに怒り、面白本に心躍らせ、木星探査機が発見した小惑星の写真にコーフンする…等身大のエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • この歳になって椎名誠を読みだしている。いやはや、面白い。

  • 赤マントシリーズ第5弾。『週刊文春』1993年12月2日号~1994年9月22日掲載分をまとめたもの。前半は日本国内を旅している話。後半は映画撮影のためモンゴル滞在の話。今からちょうど20年前の世相を垣間見ることができて、あのころはそうだったよな~と忘れかけていた風景を思い出させてくれて興味深い。たとえば、「北海道内ではYS-11が現役で飛んでいた」「新幹線のグリーン車は同じ車両内で喫煙席と禁煙席が分かれていた。当然禁煙席も煙だらけで意味がなかった」「雪国都市でスパイクタイヤが塵被害のため禁止されスタッドレスに」「冬の新幹線や飛行機はガンガンに暖房が効いていた。新幹線の温度計は29度。旅客は汗をダラダラ流してガマンしていた」「ゴミ袋の半透明化はこのころ」「ガソリンスタンドで客寄せのために市松模様の旗を店員が振り回していた」などなど。あー、そういうのあったあったと平成初期の日本の風景が蘇ってきて楽しかった。日々忙しくてストレスまみれでヨレヨレになっている今日このごろに、椎名作品で癒やされるのはささやかなヨロコビのひとつである。

  • 図書館の本

    内容(「BOOK」データベースより)
    モンゴルでネコの姿をあまり見かけないのはなぜか?―映画「白い馬」の撮影でひと夏を過ごした大草原でのロケ暮らし、北海道に完成した隠れ家の雪中試し住み、飛行機の中で威張り散らすサラリーマンに怒り、面白本に心躍らせ、木星探査機が発見した小惑星の写真にコーフンする…等身大のエッセイ集。

    モンゴルでは愛玩動物の概念がないのねとある意味驚きつつこの本のタイトルのネコの亡命を読んだ。
    始終旅する旅の途中、旅でのこと、それを読みながら幼児化していないか自己反省もしつつ読了。

  • (メモ:高等部1年のときに読了。)

  • やはり、何度読んでも椎名誠のエッセイは面白いな〜と思える作品。

    ちなみにタイトルの【ネコの亡命】は、本文中に少しだけ触れられる程度であって、このエッセイ集はほ

    とんどネコのことなど書いていない。そこがまた椎名誠らしくていいなぁ。

    久しぶりに本を開いて1行目から笑った。タイトルは「野シャブ三昧」。けして怪しい話ではなくて、北

    海道の別荘で野菜シャブシャブをしたという話である。

    僕が椎名誠のエッセイを読んでいつも感心するのは、タイトルのつけ方だ。僕は本当にキャッチコピーと

    か、タイトルとか、ネーミングとかのつけ方センスがない人種なのでいつも椎名誠の本を手に取るたび

    に、いいな、すごいセンスだな、と指を咥えて羨ましがる習慣がついている。

    この【ネコの亡命】【野シャブ三昧】を含め、そのほかにも【なめこの朝】【牛丼的な一日】【大日本ゴ

    ミ出し問題】【どっちがエライか】【さめざめと泣く女】【新幹線悶々苛々男】【にっぽんの夏 醤油の

    夏】など、タイトルを見ただけでなぜだか興味をそそられるエッセイが目白押しなのだ。

    このタイトルを見ただけでは内容がわからないので興味を引く、という点がミソだ。普通のタイトルで内

    容がわからないのでは、そのエッセイ自体に興味を持ってもらえず読まれない可能性が高いのだが、なん

    だか気になるタイトルで目を引く、関心を惹きつけるというのは作家としてなくてはならない力量のひと

    つだと思う。

    で、肝心のエッセイの内容は言わずもがなで面白い。相変らずの旅三昧。先日ここで紹介した国井律子も

    そうだが、旅っていいなぁ、憧れるなぁと思うこと間違いない。そして自分も旅に出たくなる。

    カメラを抱えて旅に出て、文章を綴っていく。そんな生活に憧れを抱きつつも、まだまだそんなことは出

    来ない自分の力量を嘆きつついつかは・・・と思う今日この頃でした。

  • 僕がはじめて椎名誠の作品を読んだのは高校生の時だった。
    その頃は、主に怪しい探検隊シリーズを中心的に読んでいた。この作品は某週刊誌の連載エッセイをまとめたものである。
    赤マントシリーズとでもいうのだろうか。
    エッセイごとに添えられている沢野ひとしのイラストもなんともいい味を出している。
    寿司でいう所のわさび的役割を出していて椎名誠の文章をさらに味わい深くしている。
    (05/2/5)

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著者プロフィール

1944年生まれ。作家。1988年「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990年「アド・バード」で日本SF大賞を受賞。著書に「ごんごんと風にころがる雲をみた。」「新宿遊牧民」「屋上の黄色いテント」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」シリーズ、「そらをみてますないてます」「国境越え」など多数。また写真集に「ONCE UPON A TIME」、映画監督作品に「白い馬」などがある。

「2012年 『水の上で火が踊る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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