睡蓮の長いまどろみ(下) (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167348168

感想・レビュー・書評

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  • 脇役の緒方元常務が気になった。「かみそり」の異名を持つビジネスマンが、亡くなった元部下の女房と一緒になり、小さい時の夢である焼き鳥屋の親父となり、まもなくその女に逃げられ、60超えて有名焼き鳥店に弟子入りし腕を磨くといったことが書かれている。彼の現在の状況の原因と結果は?そして順哉と深雪が離れ離れとなった原因と結果は、何だろう。

  • 因果応報、原因と結果みたいな内容がよく出てくる。最後の最後まで喫茶店の千菜の飛び降り自殺の経緯がわからなかったのがちょっと残念。ちょっとミステリーな展開もありやっぱり主な部分は人間愛。美雪を面倒見てた、橘夫妻の言葉が印象に残ってる。”暗いところにいくからつまずく、もっと明るいところにいけ、そうしたら転がってる石ころが良く見えてつまずかない” 純哉の空想癖がちょっとわかるなぁ〜。自分も、暇なときよく空想や妄想している。

  • 上巻のところに感想を書いてあります。

  • 古本屋で上巻のみゲットしていたので、続きが気になり定価にて購入。
    ほんと・・・まどろみという雰囲気でした。

  • 要旨でもある「内なる女」と「睡蓮と蓮」以外の件は楽しめた。

  • 宮本作品の中では、私の中では中の下くらいの好き度。でもやっぱり、ぐいぐい引き込まれてどんどん読んでしまった。

  • 「因果倶時」原因が生じた瞬間には結果もそこに生じているという意味。それがテーマとなっている一冊。人の境遇と言うのは因果倶時の凝縮であり、つまりそのような境遇になる原因は自分自身が作っているのだと言う。宮本作品には宿命だとか運命だとかを背負っている登場人物が多いのだけど、本書の中では苦しみや悲しみを背負って生きてきた主人公の母親が「みずから因を作れば、その果はそのとき瞬時に私の中に宿るのだ」「幸福のために新しい因を作りたい」と言っている。宿命というのは本当にあるのかもしれないけれど、新しい因を作ることはできる。そう思えば希望が持てる気がする。宮本作品の深さを知った一冊。苦戦したけど、最後まで読んでよかった。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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