海辺の扉 下 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167348199

感想・レビュー・書評

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  • ギリシャは、行ったことはないけれど、なんだか状況が浮かぶようです。挫折して、ギリシャに渡った主人公の再生のお話。

  • ギリシャのことをニュースでよく目にするこの頃。丁寧な人物描写のおかげ(作者の主観や時代観が加味されているとしても)、国民性がこんなに違えば、政治観もそりゃ違うだろうね、と変に感心した。風景描写がとても素敵で、思い浮かべながら読むのがとても楽しかった。内容も宮本輝らしく、ぼんやりさは残しつつも読者にとってすっきりするような回答が用意されてて読後感はすっきり。

  • どんな問題や不幸も,時が解決するってやつですね

  • 手塚治虫の「火の鳥」が、何度も頭をよぎった。過去、現在、未来。今この一瞬がすべて…消化できそうでできていない。もっとわかりたい。

  • 上巻はお話の舞台はギリシャでしたが、下巻は日本でお話が進みます。
    エフィーをギリシャに残し、一人日本に帰ってきた主人公は日本で生活する基盤を築きながら、エフィーと元妻の間で揺れ動きます。
    そんな彼とエフィーに危ない仕事をして預かっていたお金を狙う組織の影が忍び寄ります。

    この本の中に、3本のマッチを蝋でつないで一気に3本燃やせるかというゲームが出てきます。
    主人公はその3本のマッチを過去世、現世、来世に例えて見ます。
    そしてそれら3本のマッチを燃やすのは「死」だと思います。
    それを踏まえて、物語の後半で主人公が思った事、「永遠は一瞬だ」という言葉がスッと心に入りました。
    腑に落ちたという感じです。
    今までそういう言葉を耳にしてもピンとこなかったのですが、マッチのイメージで理解する事が出来ました。
    過去から今、そして未来へと線のようにつながって見ていた時間軸を3本のマッチのように同時進行していると考えたなら-。
    今を生きながら過去を思い、未来に希望や不安を感じている、その3つこそが今だ、一瞬なのだと。
    だから過去をひきずりすぎると、過去のマッチは燃え残ってしまう。
    未来の事にばかり思いをはせると今本当にしたい事が見えない時もある。
    一瞬一瞬を燃やしつくしながら生きていきたい。
    そんな事をこの本を読んで思い、しみじみとした静かな読後感でした。

  • いつもの作風にミステリー要素ご入った作品だったので新鮮な気持ちで読めた。
    舞台であるギリシャという国に対してあまりにも理解がないがゆえにこの話の半分も理解できていないのではないかと…。

  • うちの好きな文章じゃなかったけどおもしろかったー。ただおもしろかっただけじゃなくて、読んで良かったと思った本初めてかもー。今の自分にぴったりというか、今読んで良かった。

  • 読了日不明

  • 昔、不慮の事故ながらも幼い我が子を自分の手によって死に至らしめてしまった辛い過去を持つ主人公。
    ギリシャ、エーゲ海クルージング・・・
    憧れの地が細かく描写されてて、まるで自分もその土地を訪れているかのような気分を味わえた。
    いいなー
    まばゆいばかりの白だらけの建物
    過去しかない町
    行ってみたい。。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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