行方不明者 (文春文庫 お 26-9)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167451103

作品紹介・あらすじ

埼玉県蓮田市、黒沼の畔に建つ二つの名家で起きた一家惨殺事件と失踪事件。ライターの五十嵐みどりは取材を通じて四人家族の闇を浮き彫りにしていく。一方、戸田市では謎の連続通り魔事件が発生。売れない推理作家の「僕」は、小説の取材にと容疑者の尾行を開始する。二つの事件が交錯する驚愕のサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 2009年119冊目

  • 五十嵐目線と“僕”目線の2つのお話が次第に絡み合っていく構成。
    シリーズを順番に読んでいる身としては、この“五十嵐”があの五十嵐ではなくて、「あの先、そうなったんかい!」とツッコミ入れたくなる五十嵐さんなことに驚きました(笑)
    ていうか、本当これは途中から五十嵐シリーズな気がする(この先のシリーズは未読なので分からないけれど)
    ラストも「まさかここは手を加えているだろう」と思ったら、モチーフとなった事件に滅茶苦茶寄せた終わり方でビックリしました。
    2つのお話が絡み合うまで少しもたつきを感じますが、シリーズの前作や前々作に比べると面白かったです。

  • 埼玉県某所で2ヵ月前に起こった一家失踪事件―― 不可思議な神隠しの裏には5年前の殺人事件が関係しているのか、失踪事件の調査を始めたライターの五十嵐みどりは関係者を通じて事件の闇を追っていく・・・。 
    一方、また別の埼玉県某所では連続通り魔事件が進行していた。 ある因縁から通り魔の「君」を突き詰めた「僕」は仕事のネタにしようと通り魔事件を追い始める。 3つの事件は如何に終結するのか・・・。

    主人公の五十嵐みどりは「冤罪者」の被害者の妹、五十嵐友也の妻でこのシリーズでは珍しい信頼できる語り手になります。 必然ではないにしろ「冤罪者」を読んでおいた方が飲み込めると思います。 
    さて内容の方は相も変らぬ複雑な多重視点。 時系列、関連性、一人称が隠されたプロットをいったいどのようにまとめあげるのか見物です。 

  • 無駄な描写が多かった

  • 結末が気になってイッキ読みしたけど、時系列が複雑に絡みまくりでモヤモヤしたまま強制終了された感…一家で失踪したものの結局帰ってきてしかも訪問者と暫く解明編的な会話するとか不自然過ぎる

  • 『遭難者』に続き、折原作品12作目。——者シリーズ。キャラクタの行動があまりに強引過ぎる…。プロットも複雑で、訳がわからず——驚く段階までいけない…。決してつまらなくはないのだが…うーん(^^; 星三つ。

  • 実際の事件をモチーフにして書いているけど、実際の事件は結局どうして行方不明になってしまったのだろうか。
    これって関係者に文句言われたりしないのかな、って気になるのだけど。

  • 埼玉県蓮田市の黒沼近くに建つ名家・吉沢家で5年前に起きた一家惨殺事件。そして、もう一つの名家・滝沢家では、一家失踪事件が起こる。
    滝沢家の失踪は、突然だった。朝食の準備がされたままの状態で、不思議なものだった。
    ライターである五十嵐みどりは、滝沢家周辺での取材を通じて、四人家族の抱える秘密を暴いていく。
    そして、戸田市では謎の連続通り魔事件が発生。売れない推理作家の「僕」は、電車で痴漢だと男性に殴られ、そこから思わぬ事件に遭遇する。そして、小説の取材にと容疑者の尾行を開始。
    全く関係のないように見える二つの事件…いったいどうなるのか?

    先が気になり、猛スピードで読んでしまいました。
    たんたんと滝沢家の取材をしていき、どんどん秘密が出てきて、これがどう関係してくるのかとドキドキしていましたが…あまり関係なかったのかなという印象。
    最後は騙されたけど、なんとなく終わっちゃった感じがして、少し残念。でも、物語の交差する構成や、読者を引き込む文章はすごいと思いました。
    他の作品も読んで見ようと思います。

  • 黒々した水面からはそこの見ることの出来ない黒沼のほとりの2軒の名家に、時間を越えて起こった殺人事件と、一家4人失踪事件。。。


    さっきまでここで生活していた後を残したまま、一家4人が忽然と行方不明になる。


    時間を越えた二つの事件は平行して進んでいきますが、最後に同じ事件へとつながっていたのです。。。

    予想できない結末に、モヤモヤしてしまいました。。。

  • 「〜者」シリーズの中では驚きが弱かった。

    次の「逃亡者」は福田和子が題材らしくガチンコの話を期待。

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著者プロフィール

埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者を経て1988年に『五つの棺』でデビュー。1995年『沈黙の教室』で日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞。叙述トリックを駆使した本格ミステリーには定評がある。『倒錯のロンド』『倒錯の死角』『倒錯の帰結』など「倒錯」シリーズのほか『叔母殺人事件』『叔父殺人事件』『模倣密室』『被告A』『黙の部屋』『冤罪者』『侵入者 自称小説家』『赤い森』『タイムカプセル』『クラスルーム』『グランドマンション』など著書多数。

「2021年 『倒錯のロンド 完成版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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