- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167573041
感想・レビュー・書評
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1997年から2000年にかけて、『文藝春秋』や『ウェッジ』などの雑誌に発表された著者の時評的エッセイをまとめた本です。
仰天する出来事に直面しても、額に青筋を立てて怒るのでもなく、冷笑的な態度をとるのでもなく、ユーモアを忘れない余裕のあるスタンスをとりつつもみずからの考える「大事なこと」を諦めることなくくり返し語る著者の姿勢に共感をおぼえました。
著者はその後、雑誌『中央公論』でも時評エッセイを連載しており、こちらは『まともな人』『こまった人』『ぼちぼち結論』(いずれも中公文庫)にまとめられていますが、本書にくらべると若干著者の呼吸が浅くなっているような印象があります。さすがの著者も、おなじことを語りつづけているにもかかわらずいっこうに変わろうとしないこの社会にあきれてしまったのかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時事エッセイなんだけど、バックボーンは相変わらずの養老さん節、痛快にちょっとずらした視点で本質を見抜く。
後半に収録されている「個性とは何か」は、養老論の核心とも言えるものがとてもコンパクトにわかりやすくまとめられていてこれだけでもこの本読む価値あり。 -
「異見あり」3
著者 養老孟司
出版 文藝春秋
p275より引用
“私の恩師がしばしばいわれたことがある。
教養とはなにか。
それは人の心がわかる心のことだ、と。”
解剖学者である著者による、
雑誌に連載された時評等をまとめた一冊。
ごみの問題から教育の問題まで、
今となっては懐かしい当時のニュースや、
忘れてはいけない事件に関する評論が、
著者独自の視点から書かれています。
上記の引用は、
個性とは何かの章の中の一文。
いつか私もこの引用文のような教養を身に付けたいと思います。
何をすればいいかはわかりませんが、
とりあえず読書は続けていきたいと思います。
p168の4~6行目の文章は、
現状を見越していたかのような意見で、
一読の価値ありです。
知識は自分を変える物という話が出てきますが、
何だか全然昔から変わった気がしない私は、
本当は何も身についていないのかと不安になります。
少しでもいい方に変わって生きたいものです。
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色々な事件を脳から見るというのが斬新だなあと。