- Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167651091
感想・レビュー・書評
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◯ダライラマの半生を記載した貴重な書と思う。チベットにおける文化、風俗から、他国からの圧力に対てどのように対処するか、悩めるトップの考えもわかるという、かなり重厚な本となっている。他のダライラマの本と比べても、一番面白いと感じる。
◯印象深いのは、中国に対する強い怒りの感情である。割と各国で人気の周恩来に対して不信感を抱いているところが、中国の中で見てきた感覚をリアルに思わせる。ただこの辺りはそれぞれの立場があるという認識のもとに読んだ方がいいのかなと感じた。
◯ダライラマは転生というファンタジーを具現化したようなものだと考えていた。しかし、制度として捉えたときに、意外に合理的なのではないかと思う。世襲によって腐敗していくことはない。ボンクラな二代目は絶対に現れず、優秀な子どもに帝王学を身に付けさせることができる。
◯また、(この辺りは勉強不足だが)どのような身分であっても、それこそ貧しい家庭でも、ダライ・ラマというリーダーになる可能性があると思えば、その選び方次第だが一般には公平性を感じる立て付けだとも考えられる。
◯いずれにせよ、自分の中ではファンタジーの存在だと思っていたが、自伝にもあるとおり、一人の僧侶であるだけで、ダライ・ラマ制も続けなくて良いと思っている合理的な考え方の人だということにかなりビックリした。
◯それでもおそらくチベットでは人気であるし、仏教を信じる人にとっては尊敬の対象であるのは間違いない。それは、ファンタジーを抜きにしても、仏教を生涯をかけて学び、実践している姿、それ自体に心惹かれるからなのだと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
仏教的な生き方の実践を教えてくれる本。困難にぶつかるとき、どんなふうに生きていけばよいのかが見えてくる。相手を責めないこと、極力平和な解決方法を望むこと。私個人にふりかかる、ちょっとした不愉快なできごとは、ダライラマやチベットの人々が経験している不条理な出来事と比べればなんてことはないと感じられる。
「もし物質主義と技術が真に人間の諸問題解決の道であるなら、大部分の先進工業諸国はいまごろ、天国のような笑顔に満ちていていいはずだ。だがそうではない。同様に、もし人々が精神的なことだけにかまけているとすれば、それぞれの宗教的信条に従ってみんなが幸せにいきてゆくかもしれないが、進歩というものがないだろう。物質的精神的発展の両方が必要なのだ。人間性は停滞してはならない。」
「すべての重要な宗教というものは、その愛と慈悲の教えによって良き人間を育む」 -
私はこの本を17歳の時に読みました。
そして一発でダライ・ラマ14世に感化されていましました。
それからずっとダライ・ラマの信奉者です。
一度だっけ仕事をサボって、講演会も聴きに行きました。
書かれている内容はダライ・ラマの半生と人生哲学です。
これが思想的に本当に深く、そして悲劇的であり、また衝撃的です。
なんたって高校生の私は一発で感化されたぐらいですから。
思想書や哲学書がお好きな方には本当にオススメの一冊です。 -
チベットから亡命し、チベットの自治権をまもれるのか? 留まって阻止すべきではなかったか? というのがこの自伝を読む前のダライ・ラマに対する漠然とした印象だった。
読後は、むしろ中国の解放というお題目の元で繰り広げられてきた愚行の数々がダライ・ラマを始めとするチベットの人々をどれだけ苦しませ、傷つけてきたか、、、涙してしまった。
15歳で中国からの侵入を受け、仏教破壊等の圧力のなか、外圧からチベットの中国化への歯止めを目指し、亡命者を束ねる為に亡命という選択は正しかったと思う。いまもって中国は信用性に欠けている。
チベット仏教の考え方、白黒分けずにその灰色部分に目を向ける、良い動機でなされた行為は宗教的行為といったように、仏教
文化のある日本人でにも受け入れやすく、さらに頂点に立つダライ・ラマ自身の愛情深くユーモアセンスある人柄がにじみ出ている。 チベットへの関心が一段と深まった。 -
世界中のひとが読むべき本。チベットの凄まじい歴史と現実を知るべきだし、満足でない定められた運命の中で、できる限りのことを精一杯考え行う生き方は世界中の人の生きる標になると思う。
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中国共産党がチベットに対していかに酷い弾圧を加え続けているのか。世界はあまりに無関心すぎる。
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ダライ・ラマがまだ存命のうちに読めてよかった。
以外にも共産主義自体への嫌悪感はなかったとのこt。 -
映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」を見て、
チベットに少し興味を持ったので読了
ダライ・ラマ14世の話
チベットと中国の関係であったり、ダライ・ラマの役割であったり、
今まで漠然としか理解できていなかったことを補足できた
チベットに興味を向け続けていかねばならないと思わせてくれた -
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【要約】
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【ノート】
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