暗鬼 (文春文庫 の 7-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167652036

作品紹介・あらすじ

両親、弟妹、祖父母に曾祖母。今時珍しい大家族に嫁いだ法子を待っていたのは、何不自由ない暮らしと温かい家族の歓待だった。しかしある日、近所で起きた心中事件に彼らが関係しているという疑惑を抱いた法子は、一見理想的な家族を前に疑心の闇にはまっていく。やがて暴かれる、呪われた家族の真実とは。

感想・レビュー・書評

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  • 親子4世代が住む大家族に嫁いだ主人公が、その家族の在り方に疑心暗鬼にかかりながらも、家族総出での飴と鞭の手法で徐々に洗脳されていくミステリー。

    作中の家族の在り方は、もはや常軌を逸し過ぎているが、作品から受け取ったものは、生理的な気持ち悪さと、解説にあった【家族とは宗教】に尽きる。

  • ドラマを見てるような感覚で、あっという間に読み終わりました。宗教に狂った家族のような、世間と違う価値観で生活してる人ってこんな感じなのかなと思いました。終わり方が違えば星5でした。

  • 「ウツボカズラ…」と真逆なシチュエーション。
    家族ってかなり閉鎖的なもので、その中で何が起きてるなんて本当分からないものだ。
    日本での殺人事件の大半は家族内で起きてるっていうし。拗れたら拗れ切れてしまうのだろう。
    だから
    志藤家は呪われた家族というよりは、大ばばちゃん率いるカルト集団て感じ。
    振り返れば公恵の言葉…結構ヒントくれてたんだな。

  • 大家族小説っていうと、どっちかというとコメディタッチな人情もの、もしくは財閥系の重厚ミステリーをイメージしますが、これはホラー。間違いなくホラー。
    歪み過ぎて、こぇぇぇ(´;Д;`)
    殺人だけならまだしもなぁ、家族間の近親相姦部分が気持ち悪くも恐ろしい。
    ハッピー要素は何もなく、最後もバッドエンド。
    まさか、怪しんでくれた友人まで取り込まれてしまうとは、、。恐ろしき強固に歪んだ身内の正義感よ。
    夏に読むとオススメのひんやりするホラーではないです。ドロッとモヤッとするので、いっそ春に暖かい紅茶とスイーツでも頂きながら中和して読む方が良いかもしれない。
    ただ、読み応えは抜群です!引き込まれます。
    どうなっちゃうんだろう、主人公は目が覚めるかしら?どこかで世間に明るみになるかしら?みたいに期待と不安がない混ぜになりながら進むので、結構一気読みです。
    内容は暗いですが、集中して読める小説です。

  • イヤミス的なのは好きなジャンル
    結構、乃南アサの本がブックオフでも沢山並んでるので気にはなってた作家の一人
    この度初読

    家族ってまさに『極小集落』で『極小宗教』よな…
    そこを題材に闇商売とヤク中の蜘蛛の糸にからめとるのと家族姦通…

    てんこ盛りし過ぎてどこもかしこも中途半端感否めない
    ここまで禁忌に触れるならもっとドカンと潔くやれば良いのに

    なんか物足りなさしか残らない本だった

  • 嫁ぎにいった1人の女性がそこの家族に洗脳、支配されるまでの話。

    いつも明るく良心的な家族。9人もいる家族は誰一人としていじの悪い人がいない。そういう所から始まるが、氷屋家族の死亡と家族が関係あるかもしれないことを知った主人公が徐々にこの家族はおかしいと思いはじめる。

    歩けないといっていたおおおばあちゃんが歩けていたり、話せないと言っていたおじいちゃんが話せていたり。家族同士が異常なほどに濃密すぎていたり。

    結局は主人公も家族に飲み込まれて最後はとにかく気持ち悪い。

    おじいちゃんおばあちゃんと思っていたのは兄弟でお母さんお父さんと思っていたのも兄弟で
    とにかくこの一家の血を強く信じている一族。
    あやのは氷屋の娘だったし、取り込まれたら最後。
    もうこの家族から抜け出せない。



  • 毒々しい。
    だんだんと毒が回っていく感じが気持ち悪い。
    救いようのない主人公。ちょっとイライラしてくる。

  • 先が気になってサラサラ読めた。
    途中までは本当良かったんだけど、なんだこりゃ。

    この家の秘密やオチはどうかと楽しみだったけど、
    ただ気持ち悪い事にガッカリ…

    全員イカれてて、洗脳されてくストーリーはいいんだけど、不快な行為過ぎて、ほんとなんだこりゃ…

  • 怖い。こわい怖い〜って思いながら読んだ。昔は読み終わりがスッキリしないものは好きではなかったけど、怖さや気持ち悪さを楽しめるようになった。面白かった。

  • 面白かった。何かある、何か出てくる、というぞくぞく感。そんな面白さ。大家族に嫁いできた主人公の法子。嫁いだ先の家族はみんな優しい。が少しずつ家族の異様さがわかってくる。何かを隠している家族。それを問い詰めてはいけないと本能が危険を察知しているのにどんどん取り込まれていく。ラストでは家族のグロテスクな場面も出てきて気分が悪くなった。マインドコントロールされてしまったということか。新興宗教とだぶりますね。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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