- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167679637
感想・レビュー・書評
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ばんえい競走(ばんえいきょうそう)とは、競走馬がそりをひきながら力や速さなどを争う競馬の競走である。
wikiより
伊崎は北海道にいた。
輓曳競馬(ばんえいけいば)の会場で、スーツに薄いコートで冷気に耐えながら。
彼の財布には1万数千円。全財産だ。
北海道を出て20年以上帰っていなかった、雑貨輸入で材を成し、裕福な生活をしていたが、事業に失敗し9000万円の借金を背負い取立から逃れこの場にいる。
ふと見ると「伊崎」彼の兄が調教した馬が馬場を走る。伊崎の兄 東洋雄は調教師として身を立てていた。
伊崎の全財産を掛けた馬は第2障害を抜ける事は出来なかった。彼は無一文になった。
兄の厩舎に身を寄せ、若者たち、そして馬たちと過ごす間に彼の心境に変化が現れる。
馬にブラシを掛けている時に胸に満ちる安らぎの気持ち。
仲間と心安く酒を酌み交わし笑い合う楽しみ。
馬達が歯を剥き出し、体から湯気を立て、橇を曳く姿に心震える。
思えば田舎者と馬鹿にされないよう精一杯都会の人間として生きてきた過去。人を蹴落とし、金金金。結婚生活すら見栄と金にまみれていた。残った物は何もなかった・・・・。
70年代ロックの中には色々なジンクスが有り、馬ジャケレコードには外れ無し。という物が有ります。これも外れなかったなあ。とてもいい本でした。鳴海章さんの作品はこれからも少しずつ読んでいこうと思っています。この本はまさにこの馬の写真に心惹かれて読みました。
半分まではひたすら競馬の描写が続くのですが、ばんえいという物に知識が皆無なのでとても勉強になりました。これは物語にのめり込む為には必要なものだったと思います。
馬がとてもかわいらしく、巨大な馬が信頼した人に甘える所なんて正直たまらないですね。ぼくも甘えられたい。
昔牧場でニンジンをあげる事に没頭した事が有って、ああ、ぼくは馬が好きだとつくづく思いました。
でもぼくはギャンブルっ気皆無なので、競馬やった事が一回も無いのです。
昔、たまたま中山競馬場のそばに行ったのでふらりと入り、馬券も買わずにトラックの回りで馬走ってくるの見ようとわくわくしていたのですが、なんと開催日では無かったので馬はいなかったのでした。残念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2005年の東京国際映画祭で最優秀作品となった「雪に願うこと」の原作。
主人公は、東京で事業を失敗し、借金取りに追われ、帯広のばんえい競馬の厩舎で働く兄のもとに逃げ帰る。
ばんえい競馬は、1トンの輓馬が500キロ近い橇を引き、平坦な直線と、2つの急な坂を登る過酷なレース。
主人公が、その過酷なレースを人生に置き換え、次第に再生して行こうとする心の変化に引き込まれる。