- Amazon.co.jp ・本 (659ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167682026
作品紹介・あらすじ
事故で愛妻を喪い、失意の只中にあるうだつの上がらない大学講師の松嶋は、物故作家の未発表手記を入手する。絶望を乗り越え、名を上げるために、物故作家の自殺の真相を究明しようと調査を開始するが、彼の行く手には得体の知れない悪意が横たわっていた。二転三転する物語の結末は?著者渾身の傑作巨篇。
感想・レビュー・書評
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二転三転四転。
作者のめぐらす罠にまんまとひっかかった。なんとも気持ち良い。こりゃすごい小説です。
2つの時代が絶妙に交錯していき目が離せなかった。こういう読書時間が1番幸せ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
喧嘩して実家に帰宅中の妻を事故で失った大学の国文学の講師が、失意の中で手に入れたちょっとマイナーな作家の直筆未発表の手記。全文がストーリーの中に引用されて、その手記を軸に、ストーリーが展開される。いろんなどんでん返しが出てくるのだけど、心情的にすんなりとした納得感がなく、今いち入り込めなかった。
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一体誰が仕掛けているのか?と思いながら読み進めると…
過去のストーリーと交錯しながら話が展開。
そこか!と思っていたらまた違った答えが見えてきたりして本当に二転三転する。 -
随分ぶあつい文庫だなと思ったけれども読み始めてしまえばいっきに読めてしまった。
主人公がどうにか幸せになれそうで良かったけど、人の悪意に気持ち悪さを感じられた。
お金持ちではなくても逆恨みする人っているけどね。 -
半分は手記。そこからの、主人公が騙されすぎてるし、罠が多すぎ。
続きが気になってページを読む手が止まらなかった。
最後のまとまりがちょっと弱くて惜しい感じ。 -
引き込まれて読み耽った。
戦後すぐの頃に書かれた手記も 読みにくさはなく、
二転三転した後の真相に至っては 「えー。」なのだけど
最後の 咲都子の手紙は涙が出て、良い結末を迎えた事で
ホッとした。 -
とある作家が残した未発表手記からの引用文が
物語の大半を占めるという、独特な作品。
しかし、この手記が面白い。とにかく読ませる。
東野さん同様、貫井さんは人間のドロドロした部分を描くのが本当に巧い。
犯人の動機にはやや疑問符がつくものの、リーダビリティは相変わらず
凄いものがある。 -
僕が読んだのは文庫本ですが分厚かったです。2冊本を読んだかのようなお徳感がありました。たくさんの伏線が小出しに効いてきて、「そうだったのか!」「?いや、違う」「えー、そんな!」「!?いやいや違うのか」と何度か悶絶してしまう(笑)
今年(2010年)イチ、面白い本でした☆