夜想 (文春文庫 ぬ 1-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 978
感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・本 (542ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167682033

感想・レビュー・書評

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  • 貫井さんの小説は、個人的に合う合わないがはっきりするのですが、この本はとても楽しめました。話は重いのですが、最後には感動が待っています。

  • ちょっと特殊な能力を使って困っている人を助けたい。そういう思いのある女性と交通事故で妻と子供をなくした男性が出会い、人助けの活動を広げていくという話。主人公目線ではこの活動は「新興宗教」などでは断じてないので、読んでいるこちらもそんなつもりはなかったのだが、ふと我に返って客観的にみると、彼らの活動は「新興宗教」と思われても仕方ないよなぁと思ってしまうようなもので、私のまわりに主人公の男性のような人がいたら、引いてしまうだろうなぁ、と感じてしまった。
    私は典型的な日本人なので、「新興宗教」には何か胡散臭いものを感じてしまうので。。。

  • 作者のデビュー作「慟哭」にあったような、人の淀んだ心の気持ち悪さと壮絶さと見事さ、というものがなくなり、なんてゆーのかなー、こう、「理想はそうだけどさー」といいたくなるような、キレイなキレイな救いの話。

    確かに、キレイでない心の内面も出てくるけど、それですら「不幸だから仕方ない」「こんな過去があるなら仕方ないよ」というような言い訳じみた説明が透けて見えるのが、かーなーりーイラっときた。

    狂気ってそういうもの?

    理性とか理由とか理屈とか、そういうのを根こそぎ倒して、すべてを破壊しつくすのが狂気でしょうが、といいたくなる。そして、それにつけこみ、弱すぎるものからなお搾取するのが悪徳宗教でしょうが、と。まあ、今回はずっと「宗教ではない」「人々を救いたいだけだ」と言い続けていたけれど、それこそ「宗教的なもの」だ、というのは、作中で何度も書かれていたわけだしさ。

    まあ、自己救済がテーマであると思うから、実際は宗教は関係ないのかも知れないけれど、題材に「宗教的なものにすがらなければならない人々」を描くのであれば、もっと違ったアプローチがあった方が、もっとカタルシスがあったように思う。

    うーん、なんか、貫井さんらしいダーティさがなかったなあ。そこがとても好きなのに、今回は残念でした。

    でも、やはり読ませる力は大したもんだと思うので、★3つ。

  • 面白かったよ~♪
    途中から一気読みしました♪

  • この人のことだから何か仕掛けてあるんだろうとは思いつつ。
    それよりも丁寧な心理描写に引き込まれた。
    理想通りに進まない歯痒さ、本人だけが気付かない妄信や執着の怖ろしさ。
    何が正しくて何が間違っているのか、何を信じればいいのか。
    人間ってほんと主観の世界で生きているものだと思い知らされる。

  • 新興宗教、とかって書いてあると、手に取りがちな自分。
    のぞいてみたい世界の一つ。
    その割に、フィクションで面白いものに
    めぐり合えることが少なくて悲しい。

    この本では、目を引くような教義があるわけでもなく、
    (というかそういったものは何もなく)
    ものすごく法外なお金を強要されるわけでもなく、
    取り立てて悪い人も出てこず、
    そういうところで、作り物めいて書かれていなくて、良かった。

    物語として面白くなるか、というとまた違うんだけど。

    おぉ、そう来たかという驚きも2,3か所。
    でも、メンタルクリニックの先生の存在が
    フラットでいいな、とか思っていたらあんな展開。
    なんでだったんだろう。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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