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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167722104
作品紹介・あらすじ
怖い、切ない、あたたかい、多彩な物語が弾けだす
父が秘めた生涯一度の恋、消えた女房が見せる奇妙な夢、深山に逃げ込んだ盗賊の顛末など今昔の境も夢現の境も自在な六つの物語
みんなの感想まとめ
多彩な物語が織りなすこの短編集は、人生の儚さや人間関係の変化を深く考察させる作品です。各篇は、過去と現在、夢と現実が交錯し、登場人物たちの心の葛藤や成長が描かれています。特に「仕舞い夏の海」やその姉妹...
感想・レビュー・書評
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「仕舞い夏の海」「もう一度さよなら」姉妹編。去る者と生きる者。
「夢女房」「蛍女」時代物。「蛍女」好み。元盗賊の僧侶が山越えで辿り着いた苫屋。悪行の報い。蛍は美しく儚く恐ろしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全6篇の短編集。
*仕舞い夏の海
海の表現がとても好きだと感じた。いつか行ってみたいと思った。
ラストで過去の女性ではなく、今の家族を選択した主人公に感動した。
*うちの猫は鼠を捕りません
BARのマスターの雰囲気がとてもよかった。ラストには驚愕した。
*夢女房
人はあまりにも簡単に変わってしまうんだなと感じた作品だった。自分も何かの切欠で大きな間違いを犯してしまうのではないかと恐怖した。
*お花見しましょ
'それほど親しくない'2人が1点の作文によって関係が変わっていくのがよかった。自分も親友のことを考えさせられ、また、花見に行きたいと思わせる作品だった。
*蛍女
元盗賊である坊主、我丈に不思議と惹かれた。山姥のような話だと感じた。これからは蛍に少し恐怖しそうだと思った。
*もう一度さようなら
『仕舞い夏の海』の姉妹編。ここでは、仕舞い夏の海での主人公達樹の娘が主人公。
作中での事故は東北の震災を思い出させた。突然に襲ってきた衝撃、もしかしたら死んでいたかもしれない状況で、他人を思いやる人々に心を打たれた。病床に着きながら、意識の中で事故にあった娘を助けようとすることに感動した。決して濃密に他者と結びつこうとしなかった男が、妻の死の予感に心を動かされた時、人って素敵だなと思った。
全編を通して、人というものを考えさせられたように思う。とても面白かった。 -
6編の短編集。
生を見つめれば死が浮かび上がり、
その逆もまた然り。
物語とは、人が生まれてきて死にゆくまでの揺蕩いなのだろうな、と思った。
仕舞い夏の海と、姉妹編のもう一度さようならが良い。碧い海と、白く泡立つ波の風景が印象的だった。 -
短編集で読みやすかった。SF
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あさのさんの書く闇はしっとりと深い色をしている。
だから、「夜」の話は、とてもよく似合っている。
昔を舞台にした作品は、人の業を描いて、今昔物語のような小泉八雲のような風合い。
現代を舞台にしても、ある種の残酷さを秘めているという意味で、やはりおとぎ話のよう。「お花見しましょ」だけは、ちょっと違うかな。
いいな、と思ったのは、「仕舞い夏の海」。「さよならだ」の言葉がすっと胸にとけるよう。この話の持つ力が、続編を生み出したのかも知れません。 -
「うちの猫は鼠を捕りません」
の話が、不思議で少し不気味ですき。 -
あさのさんの短編が大好きだと、読了後あらためて思う。
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朝の方と併せて読みました。
夜の方は、どちらかと言えば大人向けのお話で、ホラーだったりちょっとした殺人だったりで朝とは対照的な作品。
個人的には1話目の女の人の話が好きです。
海の底から見える青、みたいな色の描写が大好きなのと、
消えていったマリさんの雰囲気が好きです。
そして最後には、長年連れ添った妻の方に戻ろうとするところも。これでマリさんに戻るのはなしだろう、と思ったので…
他の話は結構ホラーな感じとかで、まぁ一つ一つが短めなのでそんなに深くて凝った話ではないですが、ぞっとする感じになっているとおもいます。 -
朝から夜に。
「仕舞い夏の海」と「もう一度さようなら」が好き。
特に「もう一度さようなら」の空の絵の思い出に感動する。
こういう記憶が人を支えるんだろうな。きっと何より大切なものなんだと思う。
「お花見しましょ」も良かった。
あさのさんの描く少年はやっぱりいいなぁ。
そして怖い夜を描いた「うちの猫は鼠を捕りません」に恐怖した。
こんなBARには絶対行きたくない。 -
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怖かったり、切なかったり、温かい気持ちになれたり、様々な感情を呼び起こされる短編集でした。海の美しさと青さを描く「仕舞い夏の海」は文章力の高さに惚れ惚れとしながら読みましたし、達樹の傍から茉莉がいなくなってしまう寂しさも伝わってきて、引き込まれました。「うちの猫は鼠を捕りません」では夢を見ているかのような気持ちにさせてくれる不思議なBARの雰囲気と、仲の良かった夫婦が引き裂かれていく様子を堪能することができました。「夢女房」では時代劇を見ているかのような気分で読むことができました。下駄を作る職人である矢八の妻を想う気持ちと、受けた恩に報いようとする姿には胸を打たれるものがありました。どうして和之介が矢八の妻をあやめてしまったのか、それだけがよくわかりませんでしたが、商人として生計を立てなければいけない緊迫感や使命感はよく伝わってきました。個人的に好きな短編は「お花見しましょ」です。仲が良かった友達が川で溺れてなくなってしまった悲しみと、その友達の体調が悪いと知っていながら釣りに誘ってしまった後悔の念がよく伝わってくるお話でした。それでいて、なかなか心の距離が近くならなかった優衣と最後は通じ合えたのも良かったです。一番恐ろしく、人の怨念というものを感じたのは「蛍女」でした。他人の命や金を奪うことになんの抵抗感も抱いていなかった我丈が、生き方や名を変えても怨念に苛まれ続けるという展開に、背筋が凍るような思いをしながら読むことができました。
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私には合わなかった・・・
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2017年1月17日購入。
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朝のこどもの玩具箱とは対象に、どこかほの暗い、生と死をテーマにした作品が多かった一冊でした。現代ものから時代ものまで、いろんな物語を紡ぐあさの先生らしい一冊でした。
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『世にも奇妙な物語』のような小説短編集。もやっとした部分が残るけれど、うまく収まっている。
日常の中に潜む、死。生きているからこそ死への恐怖がある。人は死ぬときに何を感じるのだろう。そして死後の世界は?、怨念はこの世に残るのか?
『神々のうたたね』と比較して、あさのあつこは、日常よりもファンタジーを書く方が向いていると感じた。 -
まあ面白いけど、短編小説はもうちょっと論理的で理解しやすいオチがついている方が私は好きですね。でも、情緒豊かで色彩の綺麗な、女性らしいお話ばかりでした。『仕舞い夏の海』が好き。
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表紙すてき
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ちょっとぞくっとするような話。時代物や不思議な話もあり、盛りだくさんで楽しめる。しかしあさのさんはやっぱり少年を描くほうが良い。これはこれで楽しめましたが。
著者プロフィール
あさのあつこの作品
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