- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167749026
作品紹介・あらすじ
自らも数学者である著者が、天才数学者-ニュートン、関孝和、ガロワ、ハミルトン、コワレフスカヤ、ラマヌジャン、チューリング、ワイル、ワイルズ-九人の足跡を現地まで辿って見つけたものは何だったのか。この世にいて天国と地獄を行き来した彼らの悲喜交々の人生模様を描くノンフィクション大作。
感想・レビュー・書評
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「数学者列伝」と副題にあるように、過去の天才数学者たちの人生を現地まで訪ねて追ったエッセイである。ニュートン、関孝和、ガロワ、ハミルトン、ソーニャ・コワレフスカヤ、ラマヌジャン、チューリング、ヘルマン・ワイル、アンドリュー・ワイルズという9人のドラマが描かれている。それぞれに巨大な業績を残しているが、人生も幸せだったとは限らない。著者のあとがきにあるように「天才の峰が高ければ高いほど、谷底も深い」のである。二十歳で決闘に散ったガロワ、初恋の人を思い続けたハミルトン、ナチスのために故国を去らねばならなかったワイルなど、栄光よりもその悲しみの方が胸をしめつける。
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稀代の数学者たちのお話。その時代・場所にタイムスリップしたかのような気分を味わえて面白い。
読んでいると、なんとも言えない切なさ、救われない無念さを抱いしまう。
人間はその生きる時代、環境にめちゃくちゃ規定されているんだなと、当たり前だけど。
色々考えさせられた。プライベートを大事にしながら、それでも何かに没頭して卓越した成果を出すってなかなか両立しがたいのだろうな、、
ぼくは、しあわせにいきたいです。はい。 -
数学者って面白い。一人一人が本当に独特であり、はっきり言って変人ばかりである。しかし、共通していえることは、ひとつの信念を持ち、努力している。みんながみんな、どっかで悩んでいる。数学者も同じ人間だってことがわかった。そして、彼らの生き様は1つの芸術のように美しいのだ。また、いつか読み直したい。
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著者との出会いは場末の変哲もない古本屋の百円均一。「若き数学者のアメリカ」。大した期待もなく読み始めたがこれが面白い。直ぐに新刊書店に走り「遥かなるケンブリッジ」を購入。但し「国家の品格」を読んで以来離れた。専門外のことを語るのが悪いとは言わない。ただ共感できなかっただけ。久しぶりの藤原本。やっぱり著者には数学モノがよく似合う。天上より舞い降りし無垢の天才ラマヌジャン。そして「罪と罰」のソーニャがここに居た。さらに、あのワイルズに関孝和。次なる読書は当読書メーターでも評判の和洋各一冊。至福の数学週間なり。
同著の元となったNHK教育テレビ人間講座「数学者列伝」を見る。ついでに「魔性の難問~リーマン予想・天才たちの闘い」も続けて視聴。「100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪の謎~(ポアンカレ予想)」も見たくてネット検索するが見つからず。^^;
「ポアンカレ予想」もついに発見!お隣の国の画像アップロードサイトにありました。感謝^^ -
2冊の自伝を読んで以来久しぶりの藤原さん。
当該2冊を読んだ当時、妻と生まれたばかりの長男と一緒に駐在していて、どの時代も同じような苦労をするものだと感じいったものだ。
数学も文学も、数と文字という違いはあれど自分の考えを他人に分かりやすく説明するという点では共通しているのだ。全体に貫く先人に対する尊敬の念が、年を重ねてすこしだけ柔らかくなった氏の筆致で記されていて、通勤時間に読むのにちょうどよい内容だった。
ラマヌジャンの業績の数学的価値、あるいは、欧州で数学の発展の表裏一体となった神学や哲学が、この本を読んで私の読書リストに入ったジャンルである。 -
数学入門の対談で触れられていたので読んでみた。
数学の功績の所はちんぷんかんぷんだけど、どの天才の話も興味深いものばかり。数学的に天才でも私生活は孤独を抱えてる人が多く、人間味あふれる姿で書かれている。
この中の3人がもっと詳しく書かれてる本があるとのことでそちらも購入しました。 -
数学者、藤原正彦先生が描く天才数学者列伝。実際に藤原先生が天才数学者生誕の地などを訪れながら描きリアリティがある。多くの数学者があまり幸せな人生を送っていないようなのが印象的。特にガロアやラマヌジャンなどの天才数学者が受験で失敗しているところなど印象的で、数学の才能が突出すぎると他の部分が足りなくなるのだろう。フェルマー予想を証明したワイルズで締める。フェルマー予想の証明には日本人数学者の功績が大きく関わっているとのことで誇らしい。
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やっぱラマヌジャンやな。