あまからカルテット (文春文庫 ゆ 9-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167832025

感想・レビュー・書評

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  • *女子中学校の頃から仲良し四人組の友情は、アラサーの現在も進行中。ピアノ講師の咲子、編集者の薫子、美容部員の満里子、料理上手な由香子は、それぞれ容姿も性格も違うけれど、恋に仕事に悩みは尽きず…稲荷寿司、甘食、ハイボール、ラー油、おせちなど美味しいものを手がかりに、無事に難題解決なるか!? *
    ふわっと軽くて、さくっと読めて、お約束の大円満でああ良かった~♪な一冊。昔よく読んだ、コバルトの少女小説思い出したわ。ランチのアッコちゃんもそうだけど、面白くて一気に読んで明るい気分になれる。が、反面、何も残らない。その気軽さがこの作品の良いところかな。ちょっと、いやかなり結末が甘々ですが。

  • モノの固有名詞が多すぎて、ファッションマガジンでも読んでるかのような気分になった部分もあった。つまり、読むのがしんどい箇所があった。最後の話は波乱万丈でおもしろい。

  • 悩んでる時に、気分を変えたくて買った本。
    読んでよかった!2時間強から3時間くらいかな?一気に読んじゃった。
    女同士の、「気持ちが良い方」の友情が描かれているのが良い。
    歳をとればとるほど、「女の友情は何にも代えがたい」って痛感するんだよね。長く続いている関係は奇跡とも思えるほど、大切だし感謝してる。
    ただ、女はライフステージが変わることで一気に話題が絞られちゃう。子育て、結婚はもちろん、仕事への愛とか、恋愛中とか…。人によるけど、他の人が羨ましく見えたり、自分の幸せさを言いたくなっちゃったり。微妙な、今までになかった何かが出てくる。
    そういう気持ちが出ても、結局本音を言い合えたり、それでもなお心の拠り所になる友達の素晴らしさを知ってるからこそ、共感できて、読んだ後にはあぁ、やっぱり感謝だなって思えたよ。
    女って大変だけど楽しいな。スカッとしました!

  • タイプの違う学生時代からの友人4人組。
    恋に仕事にみんなで助け合い美しき友情…

    ってちょっとそんなのアリ?
    確かにオンナの友情はあるけどそこまでみんな丸くおさまるの?甘々じゃない?とか思いつつもこの作品に惹かれるのは4人の熱い友情が羨ましいから。

    オンナ友達って恋愛や結婚で大きくバランスが変わる。
    いつまでも学生時代の友情が永遠に続くなんて保証はない。
    それだけにこの4人の関係性が羨ましくて仕方ない。

    それに美味しいそうな食べ物のオンパレード。
    おいなりさん食べたい…
    あぁ、これすごく好きな本になったわ。

  • 女の友情とか苦手ですが…
    面白かったです。

  • アラサー女子親友4人のお話。
    誰かと自分を比べても何にもならないのは解ってる。
    でも、比べちゃうところもある。
    それが本音。
    親友にも話せないほど心が弱る時もある。
    今じゃないだけ。
    いつかはちゃんと。
    ちょっとした妬みや優越感さえも携えた女同士の友情は、それでもやっぱりかけがえのないものなのだ。

    寝付けなくて真夜中に一気読み。
    あぁ、おいなりさん食べたい。

  • 前半は単なる仲良しグループのお話、という感じでしたが、後半は面白くなってきてどんどん読んでしまった。

    こんなに仲間を頼れる親友たちがうらやましいと思いながら、自分の友達もそれぞれにコンプレックスを抱えながらも付き合っているんだよね、と思った。

    あとがきに酒井さんが書かれているように、付き合いは濃いときとそうでないときがある。
    またいつしか復活出来る友情ならばいいな。

  • 4人の友情が微笑ましく感じられて、明るい気持ちになった。
    性格は違っても、昔からお互いを知り尽くしているから弱い部分を補える。そんな関係が素敵だと思った。
    食べ物をモチーフにしつつ軽いテンポで描かれる作品の雰囲気は「ランチのアッコちゃん」と同じ系統だった。

  •  アラサーの親友4人が食べ物にまつわる日常の謎を解決していく連作短編集です。
     「花見の時に稲荷寿司をくれた運命の彼はどこの誰なのか!?」とか、「幼い頃に一緒に遊んでおやつを食べた少女はどこの誰なのか!?」とか・・・。こうして並べると「どこの誰」をつきとめる話が多いかも・・・?ミステリ風味ではありますが、どちらかというと4人の友情や仕事、恋愛の方に重点をおいて描かれています。

     各話には「恋する稲荷寿司」「はにかむ甘食」など食べ物を冠したタイトルが付けられていて、4人に順番にスポットが当てられていきます。そして最後は「おせちカルテット」で大団円、めでたしめでたしです。出てくる食べ物がとてもおいしそう。読んだ後、稲荷寿司が食べたくなりました。
     
     1話ごとに視点が変わるので、読み進めるうちに、ある方向からは見えなかった4人の表情が見えてきます。例えば由香子は他の3人からみたらおしとやかで優しく、料理上手ないい奥さんだけれども、由香子自身はバリバリ働いている薫子や満里子に対し、自分が主婦であることへのコンプレックスを持っていたりする。ただ、それぞれ抱えているものはあっても、お互いを本当に大切に思っていて、何かあれば全力で助ける、そういう強い絆があります。そして作中で起きる事件を乗り越え、さらにその絆は確かなものになっていきます。

     実はアラサーの親友4人が主人公の小説と聞いて、もしかして昼ドラ的なすごくどろどろした内容なんじゃないかと心配したのですが、杞憂でした。
     他の登場人物も良い人ばかりで、ひねくれた私は「近所づきあいそんなにうまくいかねーよ」「そんな素直な姑いねーよ」とか思ってしまいました(^^;)
     
     ちょっとリアリティには欠けるかもしれませんが、ラノベや漫画みたいなノリで楽しく読めます。

  • 学生時代に仲が良かった友達同士でも、卒業して時が経つにつれて、それぞれの置かれている立場や環境が変化し、関係がギクシャクしてしまう、ということはよくある。
    この作品に登場する四人の女性たちも、そのような関係性の変化にとまどい、お互いを比べて劣等感に陥ったり、考え方の違いが生まれてぶつかってしまったりする。
    しかし、それでもたくましく続いていく四人の友情は読んでいて気持ちが良いものだった。
    関係が変化しても、 そこがまた帰れる場所だっていう信頼があるから、それぞれの持ち場でがんばれる。最後には、学生の頃よりも一歩深みを増した四人の友情を感じた。
    他の作品同様、料理がとてもおいしそうなのも読んでいて楽しい。身近な材料でおせちを作ってしまうところなどは参考になる。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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