ロマンス (文春文庫 や 54-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167838867

作品紹介・あらすじ

ミステリとロマンスの華麗なる融合退廃と享楽に彩られた昭和の華族社会で、秘かに葬られた恋――。傑作『ジョーカー・ゲーム』を軽々と超えた、著者の新たな代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 2024/3/20 絶版になっていたためBOOKOFF 43号東灘住吉南店にて220円で購入。

  • ジョーカーゲーム、ダブルジョーカーに引き続き読了。好みの時代背景の作品です。こちらはスパイ色よりミステリー色強め?というより主人公の人物描写が詳細に描かれていることからハードボイルド寄りミステリーといった感じでしょうか。タイトル通り美しく切ないお話でした。

  • ロマンスとは、手の届かないものに憧れ、両手を精一杯差し伸べた姿だ。

    ロマンチックなタイトルの話の内容は殺人事件に巻き込まれた友人に呼び出されたところから始まる。
    昭和初期の話。
    まだ華族とかがいた時代の話。この時代の雰囲気というか空気感が好き。

    禁断の恋愛とあったから、主人公が禁断の恋愛してるのかと思ったら全然違った。
    いろいろと封鎖的だったり奔放だったり、良くも悪くも人が生きることに活気があったように思える。

    第二次世界大戦後、財閥解体してなかったら今はどんな日本になっていたんだろう。

    それにしても昭和天皇が子だくさんだったことを知らなかった!

    この話はまた何年後かに読み直したい。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687944

  • 犯人は言われてみて「あ〜、なるほど!たしかに」と納得。相当ぼんやり読んでました。ロマンス、というタイトルの本当の意味も最後のほうでようやくわかりました。全然気づきませんでした。切ない終わり方だったなあ。悪くない…むしろ結構好きなほうです。

    何かすごく派手な事件が起きたりするわけではないけれど、面白かったです。

  • この空気感は好きだな。これ時代設定を大正にするだけで悲壮感はずっと薄れるんだよね。
    ミステリとしてみると、真相が最初から分かってるような感じがあるかな。それも推理とかじゃなく、なんとなく。

  • 2021.04.28.読了
    良い作品でした。
    登場人物が少ないこともあり、ストーリー的には予測可能な内容でしたが、時代背景と華族という特別な地位を持つ人々の自堕落で華麗な気だるい世界観を堪能することができました。
    あまり期待せずにサラッと読み始めましたが、さすが柳広司先生!すっかり虜になって読み進めてしまひました(笑)
    いま、大好きな作家先生です

  • 華族という存在があった時代があった。
    華族を視点として、描くと 全く違った歴史を紡ぐ。

    ロシア人を母親にもつ華族。清彬。
    いわゆる血が汚れると言われた。
    パリで生活したので、6ケ国語が話せ、射撃の名手。
    華族にもかかわらず、軍に仕官している嘉人。
    清彬と嘉人。嘉人には、妹 万里子がいた。
    清彬は、万里子が好きで、万里子も好きだったが、
    万里子の父親から、血の問題として、
    付き合うことを否定されたのだ。それを清彬は守った。
    華族の持つ地位の不安定さから来て、
    その存在を疑ってしまう弱さがある。
    華族は、天皇を守る存在であるが、
    華族から、天皇制を否定する共産党支持者が生まれる。
    いわゆる アカに協力する華族も登場する。

    嘉人の軍隊においての天皇を尊敬していないことに
    軍自体に失望する。
    殺人事件から始まり、万里子が拘留されることで、
    一体何が問われているのかが見えてくる。

  • 期待していたような「カッコイイ」主人公でもなかったし、大好きな時代なのに魅力的な描写が少なかった。残念。

  • 小説

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著者プロフィール

一九六七年生まれ。二〇〇一年『贋作『坊っちゃん』殺人事件』で第十二回朝日新人文学賞受賞。〇八年に刊行した『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞。他の著書に『象は忘れない』『風神雷神』『二度読んだ本を三度読む』『太平洋食堂』『アンブレイカブル』などがある。

「2022年 『はじまりの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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