- Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167902926
作品紹介・あらすじ
二〇一二年のミステリー二冠! 究極の警察小説登場!昭和64年に起きたD県警史上最悪の事件を巡り警務部と刑事部が全面戦争に突入。その狭間に落ちた広報官・三上は己の真を問われる。
感想・レビュー・書評
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記録用。
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そう言い張る以外に、夫婦は自分たちの娘が生きていることを具体的に表現する術がない。電話があった。二カ月生きていた。だから三カ月経った今も生きている。それが思いのすべてだ。
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H31.4.29 読了。
某局で放映されたドラマロクヨンの三上役のP氏のイメージで読み進めてしまった。良いドラマだったのに。
マスコミと広報官との関係性や刑事部と警務部との関係性、あゆみちゃんは発見されるのかなどなど下巻の展開が気になる。 -
D県警広報室トップ広報官の三上義信
これは、2度目の広報室勤務
前回は刑事3年目で広報室勤務を命ぜられ1年で刑事部に戻された。
怯えが精勤を支えたと言っていい。
以来、20年以上刑事としてのキャリアを積んできた。
それが、晴天の霹靂の広報官就任だ。
2年で刑事部に戻る
幾つもの感情をその一言に封じ込めて広報官の任に就いた。
三上の娘あゆみは父親に似ている顔を嫌い心を病み家出
広報室の改革……記者クラブとの関係が改善されつつあった。
あゆみの家出が事情を一変させた。
キャリアに言われるがままの記者対策で
広報室と記者クラブと加害者の匿名問題で対立する中
警察庁長官による時効の迫った重要未解決事件「ロクヨン」
視察が1週間後に決定した。
ロクヨンとはD県警刑事部にとって掘り返されたくない迷宮入り直前の
昭和64年に起きた雨宮翔子ちゃん誘拐殺人事件
ロクヨンを巡り刑事部と警務部が全面戦争に突入
三上は長官訪問を被害者にお願いするが、断られる。
長官の遺族訪問を実現すべく、父親を説得する為に
改めて「ロクヨン」の捜査関係者から話を聞きまわる。
犯人から脅迫電話を録音する「自宅班」の内2人が事件直後警察を辞めていた。
『幸田メモ』の存在
歴代の刑事部長が代々隠匿していた秘密がある事を知る。
長官訪問の意味……。
長官視察の前日に「ロクヨン」の手口を全くコピーした新たな誘拐事件が発生
このタイミングで誘拐
これは、狂言誘拐なのか?
被害者の一家は実在するのか?
これは、本当に偶然の産物なのか?
゛
前半は、広報室と記者クラブの対立
警察内部……刑事部と警務部の軋轢
高圧的なキャリアと叩き上げ刑事の哀しさ
暗く重い心情描写の連続…… それも、伏線
後半は、14年前の事件を全くコピーした誘拐事件が発生
これは、実際に起こっているのか?
作られた誘拐事件なのか?
ページを捲る手が止まらず一気に読めました。
横山さんの人物描写や深い心理描写素晴らしいです。
横山さんの警察小説は名作です。
深く考えさせられ重い内容の本です。
とても、読み応えがありました。
その後のD県警・三上警視・あゆみちゃん……知りたくなりました。 -
一つの事件での警察の過ちから、警察内部のドロドロした組織体質を暴いていくミステリ。
話自体は面白いと思うけど、初めの40頁位なかなか入り込めず読み進めるのが辛かった。その後も凝縮すれば数行で済みそうなことを延々と水増しして語っている感があった。。
上巻は二渡が尾坂部の自宅を訪問しているところを三上が追跡して目撃するまで。 -
古本屋さんでいつも目につき気になって買った一冊
県警察内部の話だった
刑事部と警務部の権力争い
警務部とマスコミとのイザコザ
主人公の家庭の問題
64と呼ばれる過去の事件を解決する話かなと勝手に思っていたがぜんぜん違った。
読み始めはなんだか難しい話かなとも思ったが、読み進めていくと緊迫感があり、先を早く知りたくなってきた。
裏表紙に「後編で待ち受けるD県警史上最大の危機」と書かれている。
下巻はもっとすごい事が起きるみたいなので楽しみになった小説でした。
最大の危機
上巻読んだだけで思うのは危機は起こさなくていい危機を警察の人たちで起こしている感じがする。 -
横山秀夫氏の代表作とされる『64』。上下2巻。まずは355ページの上巻読破。
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昭和64年に起きた事件の時効を前に、当時事件に関わっていた三上が警務部広報官として、刑事部との板挟みになる。
実の娘もいなくなり、事件と関連するのか、少しずつわかってくる。
関係者一人一人が64の波に翻弄される。個人のミスから会社ぐるみの犯罪へ拡大させるのは、個人のエゴや保身からである。
64と家族の心の動きが丁寧に書かれている。 -
とにかく下巻が楽しみになりました。
一気に読み進みそうです。
期待含めて、星ひとつ余裕残しています。 -
元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。
記者クラブと匿名問題で揉める中、昭和64年に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件への警察庁長官視察が決定する。
だが被害者遺族からは拒絶され、刑事部からは猛反発をくらう。
組織と個人の相克を息詰まる緊張感で描き、ミステリ界を席巻した著者の渾身作。
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みんなみんな、面白いって言うし、ネットの口コミも点数高いし、上下巻あるから読む気なかったけど、読んでみた。
広報官と記者とのやりとり。
何読まされてんるやろ、とはじめは思ったけど、どんどん引き込まれていった。
加害者を匿名で発表する広報官と実名を言えと迫る記者。
現実にも、内々でもみ消されてるものもあるんかな、なんて思いながら読んでた。
新たな進展とかも出てきて、一体何の話なんかなと思うところもあるけど、それだけ下巻が楽しみになった。
淡々とした内容でも、ずっと読み続けられる本ってすごい。 -
わずか7日間の昭和64年に起きた誘拐事件、通称「ロクヨン」。
未解決のまま時効が目前に迫った時、警務部と刑事部それぞれに不穏な動きが…。体は警務部、心は刑事部の三上はふたつの間で激しく揺れ、もがきながら必死に真相へ近づこうとする。
事件後、所在不明になった刑事、引きこもりになった科捜研の青年、一度も異動のない刑事、署長になった自宅班の班長、そして警察を拒む被害者家族。14年間彼らは何を思い生きていたのか。幸田と柿沼の関係を思うと切なくなる。彼らが隠してきたものとは。それがわかった時三上はどう動く…。
最初の150ページは全然進まなかった。娘さんの家出、不本意な人事異動で辛いのはわかるが、あのイライラにはうんざりした。娘さんの家出の原因は三上にもあると思う。平手打ちはまぁいいとして、女の子にグーパンチありえないでしょう。「補欠野郎が」などと、人を見下す三上がどうしても好きになれない。
でも、ロクヨン事件が動き出してからはどんどん面白くなってきて、人と人の気持ち、繋がり、やはり私は人間ドラマが好きなんだと改めて思った。
警務部対刑事部、広報室対記者もかなり熱く、警察小説・男社会が好きな人には読み応えたっぷりの作品だと思う。