流転の魔女 (文春文庫 や 48-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 37
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167905125

作品紹介・あらすじ

来日三年目、居酒屋で時給900円のバイトをしながら法律の勉強にはぜむ中国人女子大生の林杏(りんきょう)は、ふとしたきっかけで、カード犯罪で逮捕された中国人の通訳を務めることになる。4時間弱の労働で得た報酬は、15000円! 夕食にいつもより高いデザートをコンビニで買う。林は謝礼のお札をしげしげと眺め、一万円札の福沢諭吉に「万太郎」、5000円札の樋口一葉に「おせん」と名付ける。コンビニで支払われた「おせん」はあっという間に海を渡り、人間の欲まみれの世界を裏側から見つめることになるが――。貨幣は世の中を便利にする画期的な発明だけれど、それによって人生を狂わされたりもする。ユニークな構成と奇想天外な展開で好評を博した、傑作〈お金〉小説。解説・中島京子

感想・レビュー・書評

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  • 貧富にまつわるエピソードとして叔母さんの手術の話は強烈だった。

  • テーマの面白さから行くと、小ぢんまりしたなぁというか。お札の冒険と中国人留学生の個人的なお話しを対比させたのは経済にまつわるお話として、それはそれで理解できるんだけど。もっと荒唐無稽な話を勝手に想像してただけ。ベンジャミン・フランクリンと毛沢東のフルシチョワについての会話はちょっと面白かったなー。

  • 199

  • 【芥川賞作家が描く「人生を狂わす金の魔性」】居酒屋でバイトしつつ法律の勉強をする中国人女子大生・林杏。人を幸福にも不幸にもするお金の魔性をユニークな構成で描く傑作長篇。

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著者プロフィール

(ヤン・イー、Yang Yi)
作家。1964年、中国ハルビン生まれ。
87年、留学生として来日。95年、お茶の水女子大学卒業。
2007年、『ワンちゃん』(文藝春秋)で文學界新人賞受賞。
翌08年、『時が滲む朝』(文藝春秋)で、
日本語を母語としない作家として初めて芥川賞を受賞。
『金魚生活』『中国歴史人物月旦 孔子さまへの進言』(以上、文藝春秋)、
『すき・やき』(新潮社)、『あなたへの歌』(中央公論新社)、
『わが敵「習近平」』(飛鳥新社)、『中国の暴虐』(共著、WAC)など著書多数。
現在、日本大学芸術学部教授。

「2021年 『「言葉が殺される国」で起きている残酷な真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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