- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167907198
作品紹介・あらすじ
故・金正日(キムジョンイル)総書記の正男(キムジョムナム)の肉声を世界で初めてスクープした新聞記者による衝撃の記録です。2001年に初めてその存在が報じられて以来、たびたびあらわれてはその言動やファッションがディープなインパクトを残してきた金正男。”自由人”として面白ライフを満喫する北朝鮮のプリンスに隠れファンが急増しました。しかしここ数年は姿を現さず、異母弟の正恩(ジョンウン)が後継者となってからはますます行方がわからなくなっています。2004年9月25日、北京国際空港の1階ロビーで、日朝協議に出席する北朝鮮代表の到着を待っていた日本人記者団の中にいた著者は、金正男と思われる男性と遭遇しました。正男は、後日五味さんら記者団に、そのとき渡した名刺にメールを送信。質問を込めたメールにも正男は丁寧に返信し、五味さんは計7通の朝鮮語のメールを受け取った。その後、2回の面会、メールは150通にも及ぶ。そのすべてが克明に記されています。「三大世襲には反対」「父上には国家元首という点を離れて、厳しいながらも情が多かった記憶しかありません」「異腹の弟正恩の成長過程は知りません」などと率直に語る正男。五味さんの奥様がロシア語で語りかけるとロシア語で返答したり、ホテルのエレベーターでは日本語で「お先にどうぞ」と先を譲る。プリンスなのにえらぶったりせず、腰が低い。そんなエピソードも満載。ただのムサいメタボ兄ちゃんではなく、本書を読めば知的で冷静、ユーモアのセンスにあふれた彼の魅力の虜になること間違いなしの世界的スクープ本です。
感想・レビュー・書評
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難しい問題だ、しかしながら、この本の内容が真実であれば私は、金正男、と父親である金正日の事を誤解してたようだ。
自由を生きる事をがこんなに困難な事が実際にあることを思い知らされた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんとなく、
正男氏は知識豊かで人柄も良く、ユーモアもある良い人なんだろうなと感じる本だが、
本としては特にどうでもいいような内容。
専門家の人が読んだら、北朝鮮の内部情報を知るのに役立つような知的な内容かもしれないが、
僕のような凡人からしたら、だから何て感じでした。
ともあれ、北朝鮮と世界が平和路線に行けたらいいね。 -
今は暗殺された金正男とのメールのやり取りとインタビューを集めたもの。
彼のパーソナリティはもちろん、北朝鮮について知ることができた。 -
2019年1月21日読了
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暗殺を受けて年内に読みたかった本。彼の誠実で丁寧な受け答え、聡明で優しくユーモラスな人柄が印象的。彼が「私に危険をもたらす可能性」があるとして待つよう求めた本出版を強行した著者を不誠実に感じた。
印象的な内容
①権力世襲はもの笑いの対象、毛沢東でさえしなかった。父上も当初否定的だった
②容貌だけ似ている正恩がどれだけ人々を満足させられるか心配
③改革・開放なしに豊かな住民生活は難しい
④北の国力は核から出ている、核放棄は簡単でない
⑤父上は厳格だが愛情深かった
⑥来日は5度
赤坂の韓国酒場、新橋のおでん屋、新宿の瀬里奈、熱海の石亭 -
東京新聞記者と交換したメール150通と計3回約7時間の単独インタビューから生前の金正男の祖国、家族、政治への思いが浮かび上がる。三代世襲に反対、弟正恩とは対面したことがないなど特異な生い立ちと生活。緊張感あるルポと言える。
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クアラルンプールで暗殺された金正男とのメールダイアログ。正男ともっとも個人的な関係を築いていたとされる東京新聞記者による記録だが、この本自体が正恩が正男を暗殺する動機になったのではないかと思える。
五味氏からの出版打診に対して、正男は北朝鮮の反応を警戒して断っているにもかかわらず、五味氏はこの本を出版している。記者として取材源のコンフィデンシャリティを全然尊重しておらず、五味氏のかっこつけのジャーナリスト魂とやらが、正男氏の暗殺の一因となったとも思う。 -
この本を読んで、金正男氏が思ったより政権批判をしていたんですね、もっと距離を置いているのかと思ってた。
アメリカは金正男擁立政権を視野に入れていただろうな。
「ご理解をお願いします。北朝鮮の政権が、私に危険をもたらす可能性もあります。」と出版を止めるよう要請してるが強行された。金正男は著者に対して「本を出すなら、われわれの関係は終わりだ」と伝えて連絡を絶った。
この本の出版だけが暗殺の原因ではないが、まったくないとは言えないと思うな。
https://youtu.be/y95uQmSnR5s
https://youtu.be/6eoUKPefEUs -
正男は死んでしまったが、これを見るとこの人が金正日の後を継いだら今より発展したのではないかなと思えた。
だが、正男自身はそれを望まず自由に生きていきたかったのかと思える。現在までの続きがあると思うので是非続編が欲しい。 -
確かに社会主義で世襲は矛盾しているかも。