関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛 (文春文庫 さ 28-24)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167908652

作品紹介・あらすじ

相州と上州、それぞれの関所破りの意外な始末。上州玉村で道案内が殺され、道案内を殺した定次郎は子分を連れてそのまま姿を消した。同じころ、保土ヶ谷の道案内角太郎を殺した河童の六こと六蔵を追って、八州廻りの桑山十兵衛は河童の六の出身、相州の松田まで足を延ばす道すがら、鐘撞き講で金を集める破れ坊主を懲らしめる。だが、肝心の保土ヶ谷の一件は、わからずじまいとなり江戸へと戻ってきた。すると、日光例幣使街道の上州玉村宿のそばにある竹田村で、朝早くに川向こうの穂波村から、鉄砲の玉が飛んできたという訴えが。玉村では、侠客の定次郎一味が、玉村の道案内を殺し、大戸の関所を破ったとの知らせが。玉村の道案内の後任を決める必要もあり、十兵衛はそのまま上州へと向かう。十兵衛は、鉄砲をきっかけに、定次郎一味の足跡を見つけられると考えるのだが……。破れかぶれになり、関所破りで、せめて名を上げようとする侠客たち。そして、姿を消した河童の六はいずこへ流れたのか。人の欲を見つめて関八州を経巡る十兵衛が、侠客の最後にみせる粋なはからい。そして、二つの殺しは、意外な展開に……。十兵衛は、首尾よく彼らを捕えることができるのか。ご存じ、人気時代小説・八州廻り桑山十兵衛シリーズ待望の第九巻。

感想・レビュー・書評

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  • 短編毎に完結もして、最後で大円団。次がいよいよ最後。

  •  これは桑山十兵衛もの。なんか久しぶりな気がする。八州廻りというのも大変な役柄だな、関八州は江戸から近いとはいえすべて歩いて回るのだから重労働だ。まあ在では威光あらたかだから宿場ごとに道案内に世話させて大きな顔はできるわけだけど。今回も関所破りの定次郎一味を追って上州から房州から相州へとまさに八面六臂。いつものように短編それぞれの事件がゆるくつながりあっていて一つの大きな追跡劇になっている。しかし相変わらず十兵衛強いな。田舎やくざくらいなら敵なし。しかも江戸での上役三五郎への口答えがまたふるっている。強くて仕事ができるからこそではあろう。

  • 【二つの関所破り。十兵衛いかに始末をつける】河童の六蔵と、博奕打ちの定次郎。矢倉沢と大戸。二人の関所破りを追いかけて、十兵衛が掴んだ尻尾の正体とは…。シリーズ第9弾。

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著者プロフィール

佐藤 雅美(さとう・まさよし)
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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