闇の叫び アナザーフェイス9 (文春文庫 と 24-12)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 659
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167910273

作品紹介・あらすじ

累計140万部突破、著者渾身の人気シリーズがついに完結!同じ中学に通う生徒らの保護者が連続して何者かに襲われる事件が発生。刑事総務課の大友鉄もその捜査に加わるが、容疑者は二転三転――。主人公の大友は事故で妻を亡くし、一人息子を育てるべく捜査一課から異動したイクメン刑事。その息子も高校受験を控える年齢にまで成長し、人生の岐路に立たされることに。著者が意識してキャラクターを作り込んだという大友鉄の「最後の」事件。女優の小橋めぐみさんの解説文も必見です。

感想・レビュー・書評

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  • ああこのシリーズ終わってしまった、、、という切なさが残る。イケメン元役者刑事大友と息子の家族愛と成長物語である。
    本編は、連続通り魔の被害者に、同じ中学校の子供がいるという共通項から、真犯人に迫っていく。悲しくて重い話なのだが、シリーズ通して家族の形を考えさせられる良作。そして爽やかなラスト。

  • やはり、シングルファザー大友の子育てと息子の成長が背景となっているため、優斗が独り立ちするとなると、このシリーズも完結となるのか。
    今回は、事件の犯人は前半でほぼ確定するが、証拠がないため、解決に向けて大友たちは悪戦苦闘する。
    容疑者を確保した後の、その生き方を懸けたともいえる大友の、犯人との取調室での対決は、タイトル「闇の叫び」通りに迫力ある場面となっている。
    大友は、彼に説き放つ。「あなたは、子供を虐待している親に、正義の制裁を加えたつもりでしょう。でも、それは教師のー人間の枠をはみ出した行為だ。人には誰でも枠があります。その枠をはみ出した行為が、犯罪と呼ばれるんですよ。あなたは教師として勝負すべきだった。それを放棄したあなたの責任は重い・・・私はあなたを絶対に許しません」

    最後、鉄と優斗との親子の会話は、悲惨で深刻な事件の後だけに、より一層明るくほのぼのとしており、このシリーズのフィナーレにふさわしい幕切れといえる。

    • azu-azumyさん
      こんにちは。
      このシリーズも完結するのですね。
      全然、追いついてませんが…
      こんにちは。
      このシリーズも完結するのですね。
      全然、追いついてませんが…
      2018/04/23
  • アナザーフェイス完結編。
    大体、この作家さんのシリーズは10巻で終わるので、終わりが近いとは想像していたが、まさかの「9」で完結…手に取ってから知って、ちょっとびっくり。
    愛妻の死から10年、息子の優斗も中学3年生になり、自立する日が近づく。相変わらず、刑事総務課に勤務する大友の周辺からも捜査一課への復帰を望む声が高まる。
    そんな中、いわゆる「ママ友」から個人的に襲撃事件の相談を受ける。所轄の邪魔にならないよう、独自の捜査を始める大友だったが、正式に捜査担当に抜擢され、犯人を追いつめたかに思えたところで、第2の事件が発生。
    顔の見えない犯人に特捜本部も振り回される。
    その後、ある容疑者が浮かび上がるが、犯行の背景に大友の心が揺さぶられる様子が印象深い。
    シリーズは完結となるが、大友や優斗にとっては、人生の岐路に過ぎない。今後、形を変えて登場するならば、これからも応援したいと思う。大友や優斗はもちろん、時には厳しい聖子さん、大友をずっと支えた柴と敦美。普通の刑事ものとは違い、温かみのあるシリーズでした。
    終わってしまうのは、ちょっと寂しい…

  • このシリーズ完結編。
    なんだか寂しいなぁ~
    この話は、親として考えさせられました。
    子供、成人したから大丈夫ではないんだと。
    生れてから育って行く過程がどんなにか大事だという事。
    両親揃っていても起こりうることです。
    優斗はいい子に育っている。
    中学三年生、父親と外食する姿が微笑ましかった。
    そして、たくましくなりましたね。
    大友だけではなく、厳しいけど大友と優斗を助けてきた義母聖子さんのお蔭もありますね。
    大友の同期、柴、高畑のつながりもいいですね。
    前田の父親にも心を開ける友人が居たら、違っていたのではと思ってしまう。
    やっぱり寂しいなぁ~

  • ついに完結とのこと。そうか優斗が自立したらこのシリーズは終わってしまうんだ...優斗も高校受験を控え、大友がいろいろ世話を焼くことも少なくなってきて、以前に比べるとかなり事件に集中できる環境になっています。警視庁勤務なので事件とは関わるわけですが、仕事を持つ父親と子供の成長の過程でバランス具合が変わっていくのも時間を感じさせます。特に子供の成長は不可逆的なので、私自身存分に試行錯誤して、記憶にとどめたいと思います。

  • 【アナザーフェイスシリーズ第9作目】
    読むとすぐに大友たちの世界に引き込まれる。
    今回もなんとも悲しい事件。でも大友も捜査一課に戻るのか、次が読みたい!て思ったら、これが最終話だったとは。。。

    大友は、息子の優斗が小学生の時のママ友から、事件かもしれないと相談をうける。
    とりあえず調べてみるが、簡単な事件ではなさそう、と肌で感じる。その時に次の事件が起き、警察が本格的に動くことになる。大友は今までお世話役の上司によって事件にかかわってきたが、今回は最初から関わっている、ということで捜査に抜擢される。雰囲気としては、お世話役上司たちが裏で動いていそうな感じがして、なんだか嬉しくなった。
    虐待の事件をテレビでみるたび、本当に心が痛いが、表沙汰になっていないことの方が多いのかもしれない、と思うと読んでいて本当につらくなった。だからって殺しはいけないのだが、読んでいて心揺らぐものがある。ただ大友の強い意志があるおかげで、やはり殺人がいけないんだ、という思いにさせられた。

    刑事ものの本で、シリーズで、読み応えのあるものを探していたときに、「アナザーフェイス5凍る炎」と「警視庁追跡捜査係 刑事の絆」がコラボする、というワクワクする情報を入手してから読み始めたこのアナザーフェイスだった。
    長い間、楽しませてもらった。

  •  シリーズ完結( ´ ▽ ` )ノ
     正編9冊+外伝1冊+別シリーズとのコラボ(実質的に本シリーズの続編)1冊=合計11冊( ´ ▽ ` )ノ

     正直優斗くんがあんまりにも(気持ち悪いくらい)いい子すぎて終始私生活パートが盛り上がらなかったけど、魅力的なキャラが揃い、各巻色合いの変わった事件が描かれる面白いシリーズだった( ´ ▽ ` )ノ
     1年1冊という刊行ペースに合わせて作中時間も経過していくのが良し悪し、キャラクターたちの成長は楽しみだったけど、息子が高校生にもなってマイホームパパ刑事なんて異常だし、老けた大友はさっぱりモテなくなっちゃったし、幕を引くにはここらへんが妥当だったろう( ´ ▽ ` )ノ

     最終作は原点回帰?、(元)ママ友から持ち込まれた相談ごとが発端となり、重い過去を持つ犯人の心の闇を追っていくサスペンス( ´ ▽ ` )ノ
     まあありがちな話(テレビドラマっぽい)ではあるけれど語り口が上手いんでついつい引き込まれて読んじゃった( ´ ▽ ` )ノ
     完結編だけあっていつものメンバーに加え、懐かしい顔やシリーズの垣根を超えた面々も続々登場(なぜか聖子さんは名前だけしか出てこない。てっきりラストシーンでお見合い問題に決着がつくものと思ってた)、オールスターキャストのお祭り映画的一作になってる( ´ ▽ ` )ノ
     ようやく一課復帰することだし、いずれ作者の他のシリーズにゲスト出演するんだろうから、折々大友の「その後」もちらほら明かされていくんじゃないかな( ´ ▽ ` )ノ
     まだ、本当の終わりじゃない(たぶん)( ´ ▽ ` )ノ

     しかし、解説の女優・小橋めぐみだけど、かなりな文才にびっくり(゚д゚)!
     なんで彼女が起用されたのか経緯は不明だし、半分は本作と直接の関係のないエッセイだけど( ´ ▽ ` )ノ
     ググったら「リュウソウジャー」で吹越満の奥さん役やった人?……知ってるような知らないような微妙な女優さんだけど、本解説で彼女の名前はしっかり我が脳裏に刻み込まれた( ´ ▽ ` )ノ
     檀ふみとか中江有里とかの系列? 読書好き知性派?( ´ ▽ ` )ノ
     ルックスはいまいちだけど、今後に注目( ´ ▽ ` )ノ
    2020/05/15(898)

  • ステイホーム期間を利用して読破
    犯行まで手を染めてしまう犯人の心情には一定の理解ができてしまう分、ずしんと心に重しが乗るような気持ちで読み切った。犯人の言っている事は正論であり正しい。でも・・・

  • シリーズ第9弾の完結編!
    大友鉄ともお別れかと思うと寂しい…
    今回の事件は、昔 息子の優斗と同じ学校だった時の保護者から、娘が通う中学校の父兄が何者かに襲われたので、調べて欲しいということから始まった。
    しかし、そこからは苦戦の日々。
    死人まで出る事件に発展してしまう。
    また、わかった事件の裏にある真実はかなり、衝撃的なもので、大友を打ちのめす。
    プライベートでは、息子の優斗の成長が目まぐるしく、ホロリとくる。
    堂場さんシリーズではかかせない楽しみである、他シリーズの登場人物もちょこちょこ顔を出す。
    まだまだ大友と優斗の成長を見守りたかったけど、仕方ないなぁ。

    2019.6.12

  • シングルファーザーの育メン刑事シリーズ、ついに完結!
    数冊抜けてしまったけど、どんな風に完結するのかが気になって読んでしまった。
    ここで終わりかぁ~。まだまだ続けられそうな感じもしましたけどね。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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